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0nBullDoのレビュー・評価・感想

Melanie Martinez / メラニー・マルティネス / Melanie Adele Martinez / メラニー・アドル・マルティネス
10

音楽で映像の限界を超える執念の地獄太夫

メラニー・マルティネスは非常にMVに凝るミュージシャンである。
それは彼女が2作目のフルアルバムに自分が主演する映画をMVとして付けて送り出したことからも良くわかる。
彼女の中では音楽のイメージの解釈を聴き手に任せるという感覚はなく、音楽は圧倒的な自分のイメージを相手に伝えるきっかけにすぎない。
音楽として表現された後も具体的な映像化は当然彼女自身の手ですべきことなのだろう。
彼女のセルフイメージである”CRYBABY 泣き虫っこ”は、
毒薬を砂糖菓子で覆い隠したような世界でひどい目に合い続ける恨み節のように歌いながらも、その世界を愛したい気持ちも感じられる。
ここに彼女が映像を自分でつけたがる意味があり、
一歩解釈を間違えば重く苦しいイメージへと落ちかねない心の声を美しい映像へと誘導することによりその痛みを中和しようとしているのだろう。
若い新進のミュージシャンが音でその感性を伝えるだけでなく、
そこからの具体的な映像イメージまで切れ目のない映画のようなスタイルで提案できるようになったというのは革新的なことである。
それは映像の限界に音が追従するのではなく音が限界を超えた映像を作り采配する力を得てきたという従来の立場の逆転を意味するからである。
メラニー・マルティネスは無声映画が音楽と声を手に入れ有声映画へと変化したときや、
80年代にMTVにより音楽とミュージシャンの映像が一体化したとき以上の時代の大きな変化を感じさせるアーティストなのである。

赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!
8

犯人はわかってるけど。

加賀さんシリーズはどれも大好きです。本作は最初から犯人がわかってるパターンですが、なかなか後味が悪くておもしろい話でした。なんというか、人ってのはなんて浅ましいんだってのが現れてる作品だと思います。息子はダメだし、父親らもひどいです。息子を庇いたいって気持ちもわからなくないけど、そんなことしないし、被害者のこととか母親のこととかどうでもいいのかよと嫌な気持ちになりました。この家族は結局、絆などなくて、なんだかんだ自分のために動いていた人たちなんだなって感じです。それと対照的に、加賀と父親の関係性を描いていて、それがよかったです。加賀さんの親子関係もいろいろ複雑だけど、それでも心の奥底では繋がっていて、同居していてもつながってない家族がいるのにと印象的でした。加賀さん役はドラマに引き続き、阿部寛さんです。阿部さんといえば加賀さん。加賀さんといえば阿部寛さんってのが定着してきて、彼の顔を見るとこのシリーズを思い出します。彼の従兄弟役の溝端淳平くんもかっこいいし、先輩だけどちょっと親しげな2人の関係性が好きです。後味の悪い話ですが、見応えがあって、好きな作品です。タイトルも伏線になっていて、いいなあと思います。

Mrs. GREEN APPLE / ミセスグリーンアップル
7

ミュージシャン

私が初めてMrs Green Appleの曲を聞いたのは、3年間付き合った彼女と別れた時が始めでした。
かなりキャッチーでポジティブな曲が多い為、最初はこんなポジティブになれるかよと思って聞いていたのですが、聞くにつれて、その歌詞の真意や意味に気づかされ、奥が深いと思えました。失恋後、前を向くために勧めたいミュージシャンとなってます。
また、2018年の高校サッカー選手権のテーマソングとして、「僕のこと」を発表しており、この歌は努力をするが、才能には勝てないなと思わせるような内容になっております。しかし、一人一人が価値のあるもので、自分の長所を生かせばいいんだよという歌詞に励まされること間違い無いと思います。
メディアにも引っ張りだこになるようになり、2019年のヒットアニメ、「炎炎ノ消防隊」のオープニングソングとしても採用されており、YouTubeの公式チャンネルでは、海外ファンによる書き込みも多数あり、海外からの支持も獲得しています。
ボーカルの音域がとても広く、カラオケで歌いたいけど歌えないアーティストとして、Twitterでも取り上げられておりました。
悪い点としては、ミュージカル風の曲や、クラブソングっぽい曲など、幅広いジャンルを取り入れようとしてたまに空回りしてるかな?と思うところです。

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ
10

歌子ちゃんとお父さんの話が、、、

歌子ちゃん再登場の回です。歌子ちゃんはほんと可哀想な人です。なかなか結婚できず、したと思ったら夫を亡くし、夫の家族と故郷を離れた地で暮らさなきゃいけなくて、お父さんは冷たいしと寅さんが歌子ちゃんのお父さんに怒るのもわかります。でも、さくらちゃんのいうようにデリカシーのない話でもあったなと思いました。でも結局、そのおかげで歌子ちゃんとお父さんが仲直りできてよかったです。その場面は泣けてしまいます。歌子ちゃんのお父さん役の役者さんは細くて、なんか川端康成っぽい感じの人で文豪的でいいなと思います。あと、歌子ちゃんがどこかで働かなきゃと頑張るのですが、寅さんはそんなことしなくていい、ここで気楽に暮らしたらいいよみたいなことを言います。時代的には、女性はあまり働かなかったときなのかも、そんな時代のなか、女の人の自立も描いてて山田洋次監督はすごいなと思いました。私はいまあんまり働きたくないし、寅さんに働かなくていいって言って欲しいなと思ったりします。最後、歌子ちゃんがど田舎に越していって、寅さんに会えたらなみたいな手紙を書きます。私も、寅さんに一度会ったら、また会いたいと思うし、旅先で会えるかもと期待するかもなと思いました。歌子ちゃんはまたでてほしいヒロインの1人です。