赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!

赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!のレビュー・評価・感想

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赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!
8

犯人はわかってるけど。

加賀さんシリーズはどれも大好きです。本作は最初から犯人がわかってるパターンですが、なかなか後味が悪くておもしろい話でした。なんというか、人ってのはなんて浅ましいんだってのが現れてる作品だと思います。息子はダメだし、父親らもひどいです。息子を庇いたいって気持ちもわからなくないけど、そんなことしないし、被害者のこととか母親のこととかどうでもいいのかよと嫌な気持ちになりました。この家族は結局、絆などなくて、なんだかんだ自分のために動いていた人たちなんだなって感じです。それと対照的に、加賀と父親の関係性を描いていて、それがよかったです。加賀さんの親子関係もいろいろ複雑だけど、それでも心の奥底では繋がっていて、同居していてもつながってない家族がいるのにと印象的でした。加賀さん役はドラマに引き続き、阿部寛さんです。阿部さんといえば加賀さん。加賀さんといえば阿部寛さんってのが定着してきて、彼の顔を見るとこのシリーズを思い出します。彼の従兄弟役の溝端淳平くんもかっこいいし、先輩だけどちょっと親しげな2人の関係性が好きです。後味の悪い話ですが、見応えがあって、好きな作品です。タイトルも伏線になっていて、いいなあと思います。