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0ebalonのレビュー・評価・感想

ボーン・コレクター / The Bone Collector
10

四肢が不自由な天才犯罪捜査官と彼の指導で鑑識に才能を発揮する女性捜査官の活躍

脚本がよくできている。扱っている事件は猟奇殺人で非常に残忍であり目を覆うものなのであるが、それを操作する二人の捜査官によって暗さが救われている。現場に残された証拠から、犯人の行動や次の殺人を予測して何とか防ごうとする科学捜査の展開が面白い。
この犯人は自己顕示欲が強く、現場に自分の犯行を示す手がかりやヒントを必ず残して、捜査官に挑戦している。その謎解きゲームが面白い。わずかな紙片から犯人の犯行全容を解明する1冊の犯罪書籍にたどり着くのだが、見ていてスリルありハラハラドキドキの展開ありで退屈させない。捜査の指揮を執る科学捜査官リンカーン・ライムと、リンカーンが、才能を見出し育てる女性捜査官アメリア・ドナヒーとの間に生まれる連帯感や愛情のようなもの、師弟関係も見ていて凄惨な事件の救いになる。
四肢が不自由で、右手の人差し指しから自由に動かせないリンカーンから、送られてきたスクリーンに投影される証拠品から、事件の推理や分析の鋭さは目を見張らせる。アメリアの優秀さがリンカーンの命を救うことにもなるのだが、息もつかさぬ展開、恐ろしい犯人の動機、すべてはリンカーンへの復讐のためにやっていたということ、すべてがわかった時、ストーリーは風雲急を告げラストへと続いていく。

あまりにも面白かったので原作本も買ってしまった。ぜひおすすめの映画である。凄惨な事件だがそこに展開する人間関係の温かさを見てほしい。

貞子 vs 伽椰子
4

噂で聞いていたよりは

すごい怖いという噂でみてみたくなりました。はじめて貞子を見た時にはすごい怖かった記憶があって期待していました。今までの貞子の登場プラス伽椰子が入ってきます。貞子に比べて伽椰子は歩き方などが特徴的です。貞子の場合はビデオをみて連絡がきて死亡宣告されてしまうのでどうやってみんな逃れていくかとかひやひやしながらみれます。ですが。伽椰子の場合は近所に引っ越してきた家族など巻き込まれて行きますが、その後どうなったのか分からず。見に来た小学生だけは残って伽椰子と同じように化け物になりましたが、襲われたお父さんお母さんはその後どうなったのか分からずじまい。
クライマックスはいよいよ貞子と伽椰子の対決だと楽しみにしておりました。映像は多少目を覆う感じもありましたが、最終的の対決にはなぜか主人公が対決に自ら身を投げるといった形になりました。貞子も伽椰子も対決している途中で二人とも主人公の身を欲しがる感じもなかったのになぜわざわざ自分から身投げをする必要があったのか非常に疑問にあがりました。そんなことを思っていたらなんだか怖さもどこかへ行ってしまいました。最後に貞子と伽椰子が合体したのが出てきましたがなんだかすっきりせず。個人的には貞子の方が怖かったです。

レニー・ハーリン コベナント 幻魔降臨
7

手堅く骨のある、ヤングアダルト向けダークファンタジー

超能力者の血族の高校生たちを描いた、典型的なヤングアダルト向けファンタジー映画ながら、意外と骨があって充分楽しめた。高校生ならではの友情や恋愛などのドラマをそつなく描きく一方で、ファンタジー的な設定や描写はホラーテイストが強く、ヤングアダルト作品にありがちな甘さをほどよく引き締めている。
監督がハリウッドの第一線からは干されつつも、「ダイハード 2」や「クリフハンガー」などを撮ったレニー・ハーリンなので、さすがに最低限のクオリティは担保している。スピーディーな展開と、派手なビジュアルでぐいぐい攻める演出は健在で、元々はホラー映画を数多く撮ってきた監督なので、このジャンルが肌に合っていると感じられた。
17世紀に魔女狩りで迫害された血族の末裔である超能力者たちは、高校生という若さ故にその能力を使いたくて仕方ないが、その能力を使うと寿命を削り、麻薬みたいな中毒性を及ぼす、という設定が作品の肝になっている。
強力過ぎる能力をいかに使うかは、アメコミ映画でもよく用いられるテーマだが、欲望や誘惑を自制できるかという普遍的なテーマ設定が、高校生を主人公にすることでより強調されている。恋愛や承認欲求など、主人公の周囲には優越感を示したい誘惑や状況が多々あり、その中で自らを律していくという掘り下げに骨があって、ただの甘いだけの作品にはなっていない。
あと、ヒロインがきれい。