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四肢が不自由な天才犯罪捜査官と彼の指導で鑑識に才能を発揮する女性捜査官の活躍
脚本がよくできている。扱っている事件は猟奇殺人で非常に残忍であり目を覆うものなのであるが、それを操作する二人の捜査官によって暗さが救われている。現場に残された証拠から、犯人の行動や次の殺人を予測して何とか防ごうとする科学捜査の展開が面白い。
この犯人は自己顕示欲が強く、現場に自分の犯行を示す手がかりやヒントを必ず残して、捜査官に挑戦している。その謎解きゲームが面白い。わずかな紙片から犯人の犯行全容を解明する1冊の犯罪書籍にたどり着くのだが、見ていてスリルありハラハラドキドキの展開ありで退屈させない。捜査の指揮を執る科学捜査官リンカーン・ライムと、リンカーンが、才能を見出し育てる女性捜査官アメリア・ドナヒーとの間に生まれる連帯感や愛情のようなもの、師弟関係も見ていて凄惨な事件の救いになる。
四肢が不自由で、右手の人差し指しから自由に動かせないリンカーンから、送られてきたスクリーンに投影される証拠品から、事件の推理や分析の鋭さは目を見張らせる。アメリアの優秀さがリンカーンの命を救うことにもなるのだが、息もつかさぬ展開、恐ろしい犯人の動機、すべてはリンカーンへの復讐のためにやっていたということ、すべてがわかった時、ストーリーは風雲急を告げラストへと続いていく。
あまりにも面白かったので原作本も買ってしまった。ぜひおすすめの映画である。凄惨な事件だがそこに展開する人間関係の温かさを見てほしい。