レニー・ハーリン コベナント 幻魔降臨

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レニー・ハーリン コベナント 幻魔降臨
7

手堅く骨のある、ヤングアダルト向けダークファンタジー

超能力者の血族の高校生たちを描いた、典型的なヤングアダルト向けファンタジー映画ながら、意外と骨があって充分楽しめた。高校生ならではの友情や恋愛などのドラマをそつなく描きく一方で、ファンタジー的な設定や描写はホラーテイストが強く、ヤングアダルト作品にありがちな甘さをほどよく引き締めている。
監督がハリウッドの第一線からは干されつつも、「ダイハード 2」や「クリフハンガー」などを撮ったレニー・ハーリンなので、さすがに最低限のクオリティは担保している。スピーディーな展開と、派手なビジュアルでぐいぐい攻める演出は健在で、元々はホラー映画を数多く撮ってきた監督なので、このジャンルが肌に合っていると感じられた。
17世紀に魔女狩りで迫害された血族の末裔である超能力者たちは、高校生という若さ故にその能力を使いたくて仕方ないが、その能力を使うと寿命を削り、麻薬みたいな中毒性を及ぼす、という設定が作品の肝になっている。
強力過ぎる能力をいかに使うかは、アメコミ映画でもよく用いられるテーマだが、欲望や誘惑を自制できるかという普遍的なテーマ設定が、高校生を主人公にすることでより強調されている。恋愛や承認欲求など、主人公の周囲には優越感を示したい誘惑や状況が多々あり、その中で自らを律していくという掘り下げに骨があって、ただの甘いだけの作品にはなっていない。
あと、ヒロインがきれい。