嗚咽するほど泣きました。心に残る映画です。
母は白血病である娘ケイトを救うために、体外受精で遺伝子操作しドナーとして妹のアンを産みました。ある日、ドナーとして様々な手術や薬剤投与をされていたアンが、ケイトへの臓器提供を拒否し、母であるサラに訴え裁判を起こす話です。
登場人物同士でぶつかり合うことが多いですが、その全ての根底に人を想う深い愛情があるため、みんなに感情移入してしまい中盤以降はずっと涙が乾きませんでした。
母の、何をしてでも娘を生かしたいという、なりふり構わない激しい愛情。
父の、娘を見守り自分のできることならなんでもしてやりたいと、瞳の奥にみえる優しい愛情。
弟の、自分がなにをしても気づいてくれないと、家族が側にいるのに孤独に感じてしまう悲しみ。
妹の、姉を愛するがゆえの自己犠牲、そして愛する家族へ立ち向かう勇気。
姉の、家族への罪悪感や愛情、そして自分の望みである自由への渇望。
ぶつかり合うシーンでは、どちらの言っていることも譲れない気持ちもわかってしまって、見ている自分でも答えが出ないことが多く、ぶつかり合うのも仕方がないと思うのですが、こんなにも愛し合っているのだから家族で仲良くしてほしいとも思ってしまいます。
私が特にグッときたところは、バリカンのシーンです。あそこは一時停止をして、暫く心を落ち着かせないと再生できないほど嗚咽しました。
命について、愛について、不条理について考えさせられる、良い映画です。