私の中のあなた

私の中のあなた

『私の中のあなた』(わたしのなかのあなた、My Sister's Keeper)は、2004年出版のジョディ・ピコーの小説、。およびそれを原作とした映画である。原作は日本では2006年9月に早川書房より出版された。
白血病を患う姉のケイトへのドナーとして遺伝子操作され、生まれてきたデザイナーベビーのアナ。幼い頃から過酷な犠牲を強いられてきたアナは、13歳の時についに片方の腎臓の提供を求められ、両親を相手取って訴訟を起こす。

私の中のあなたのレビュー・評価・感想

私の中のあなた
9

嗚咽するほど泣きました。心に残る映画です。

母は白血病である娘ケイトを救うために、体外受精で遺伝子操作しドナーとして妹のアンを産みました。ある日、ドナーとして様々な手術や薬剤投与をされていたアンが、ケイトへの臓器提供を拒否し、母であるサラに訴え裁判を起こす話です。
登場人物同士でぶつかり合うことが多いですが、その全ての根底に人を想う深い愛情があるため、みんなに感情移入してしまい中盤以降はずっと涙が乾きませんでした。
母の、何をしてでも娘を生かしたいという、なりふり構わない激しい愛情。
父の、娘を見守り自分のできることならなんでもしてやりたいと、瞳の奥にみえる優しい愛情。
弟の、自分がなにをしても気づいてくれないと、家族が側にいるのに孤独に感じてしまう悲しみ。
妹の、姉を愛するがゆえの自己犠牲、そして愛する家族へ立ち向かう勇気。
姉の、家族への罪悪感や愛情、そして自分の望みである自由への渇望。
ぶつかり合うシーンでは、どちらの言っていることも譲れない気持ちもわかってしまって、見ている自分でも答えが出ないことが多く、ぶつかり合うのも仕方がないと思うのですが、こんなにも愛し合っているのだから家族で仲良くしてほしいとも思ってしまいます。
私が特にグッときたところは、バリカンのシーンです。あそこは一時停止をして、暫く心を落ち着かせないと再生できないほど嗚咽しました。
命について、愛について、不条理について考えさせられる、良い映画です。

私の中のあなた
8

母親がひどいように映っているけど

親には言えないことが妹には言える、そういうこともあると思います。アナはあの幼さで姉の秘密をかかえ、親と戦ってすごいし、とてもつらかっただろうなと思います。お母さんがしていることは、表面上だけだとかなりひどいと思えます。もう、手術は嫌だ、私は健康なのにといっている子どもに手術を強要しているのですから。でも、もう一人の娘が死にかけてるってなったら、そういうこともしちゃうかもしれません。それにちょっと頭に血が上りすぎていて、あとから考えるとひどいことしたと後悔しているのかもです。アナは今回のことだけじゃなく、いつも両親を姉にとられていてたんじゃないかなとも思えたし、病気の子供、その兄弟児のことがよく伝わる映画でした。真相はとても悲しく切ないものでしたが、最後にお母さんもケイトの気持ちがわかったのかなと思うと、それはよかったことなのかもなあとも思います。ケイトと男の子との淡い恋も素敵でした。病気だからといって、青春真っ只中です。恋もしたいでしょう。恋してくれてうれしいけど、心配みたいな親の気持ちも伝わってきました。アナ役のアビゲイルは、リトル・ミス・サンシャインのときから大好きな役者さんです。今回の演技もすごいなと思いました。

私の中のあなた
7

家族愛

白血病の長女を中心とした家族の葛藤と苦悩のストーリーなので、やはり観ている間ほとんどずっと辛かったです。
特に長女の恋が、相手の同じく白血病の少年の死で終わってしまうところなどは、そりゃもともとそうなる可能性が高いのになぜ好きになってしまったの…とやりきれない気持ちになりました。
治療に打つ手がなく余命わずかになった時、姉は死を受け入れ、最後にビーチへ行きたいと言います。父親が止める母親を激しく振り払ってまで子供達を連れて行くシーンでは胸が熱くなります。しばらくして母親が納得したように合流するものよいところです。
映画の始まりは、姉のドナーになるべく、遺伝子操作によって生まれた妹が、これ以上の治療への協力を拒否するため弁護士を雇うのですが、それは本心?何か別の理由があるのでは?という謎めいたものを感じながら観ていました。しかしラスト近くになるとその答えが薄々分かり、しかもさほどビックリな理由でもなかったです。というか、終盤のそのシーンあたりでは、もう観ているのが辛くて辛くて、そんな謎解きどころではなかったのです。
もう一つ、諦めない母親と娘の関係もポイントなのですが、病気の姉に執着はするけど、妹に対しては虐待になるような扱い。自分が母親としてちょっと理解できない部分ではありました。
最初から最後まで悲しい物語ではあるけれど、家族を大切にしたいと思わせてくれる映画です。

私の中のあなた
9

母親なら観てほしい

この作品は本当に素晴らしいです。
三人の子供を持つ母、旦那は消防士、長女が生まれ幼い頃に白血病になってします。ドナーを探すも見つからず、ドナーを自ら作り出す計画をして行く…。そのドナーがなんと三人目に生まれる、次女です。その次女が親を訴えるというお話です。
子供とは何かを考えさせらる、作品です。衝撃的な結末があります。
親とはなんだ、子供とはなんなのか、家族とは、きっとあなたの心に残る映画間違いないだろう!!
この作品をレンタルで観ましたが、手元に置いておきたくて購入しました。病気のお子さんを持つ、親たちに是非みて欲しい一作です。何かを得ること間違いなしです。心からほっこりし、心から泣ける、そして前に進むことができると思います。
この映画の監督の作品はどれも、お勧めです。きみに読む物語を作り上げた監督でもあります。実際この作品が元になった、小説もあります。元になった小説を書いた、作者もまた病気をかかえた息子さんをお持ちで、本人も大変苦労させた、実話が元になっています。
この実話とフィクションの融合もまた、素晴らしい作品をつくり上げています。
是非ご覧になってみてください。ご家族で観ることもお勧めします。