異世界居酒屋「のぶ」

異世界居酒屋「のぶ」

『異世界居酒屋「のぶ」』は、蝉川夏哉によるライトノベルを原作とし、コミカライズ・スピンアウト・アニメ・ドラマと多岐にわたるメディアミックス化をしている。異世界転移というジャンルではあるが、経営している居酒屋の入口が異世界に通じ現代日本の料理と酒で異世界の人々を癒すという異世界転移にグルメジャンルを取り入れた異色のストーリーだ。帝国の古都アイテーリアにある居酒屋「のぶ」。そこはアイテーリアの人々が見たこともないようなお酒や料理を出し訪れた客を暖かく癒やしてくれる不思議な居酒屋だった。

異世界居酒屋「のぶ」のレビュー・評価・感想

異世界居酒屋「のぶ」
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冷えたエールが疲れを癒す!プロージット!!

私たちが知っている居酒屋がなんと異世界につながっているという物語。私たちにとっては「当たり前」と思っていても、異世界の人からするとビックリする品質だったりするようで、彼らが独特な表現で食レポをしてくれます。異文化でも異世界でも多文化を知ることって大切だと実感できると思います。
異世界人の食レポは独特な表現なのに、なぜかすごく共感でき、夜中に見てしまった時はもう飯テロです!
キャラクター達も一人ひとりに考えやこだわり、バックグラウンドなどがあるのですが、ストーリーに合わせて食材や料理が出てくるとそちらに気を取られてしまいます。料理に合わせたお酒や飲み方も紹介されているので、ついつい真似して飲んでしまいます。
個人的におすすめのエピソードは「三酔人のカラアゲ問答」です。いつも店に来る3人が醤油味かしお味なのか決着をつけるとワイワイする話です。二度揚げ、小麦粉と片栗粉による食感の違いなど、唐揚げの作り方の話が出てきてとても勉強になります。ヘルミーナさんの旦那さんの扱いすら勉強になります。
この作品を見たあなたはもう「トリアエズナマ」を飲まずにはいられないはずです。

異世界居酒屋「のぶ」
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『異世界居酒屋「のぶ」』の魅力を再発見

『異世界居酒屋「のぶ」』は、日本から異世界の「アイテーリア」という街に突如現れる居酒屋を中心に展開する物語です。第11巻では帝国皇帝コンラート五世が登場し、敵国の東王国王女との政略結婚を控えています。
皇帝はこのお見合いに消極的で、ひとり古都を散策中に偶然1人の女性と出会います。偶然出会った女性と皇帝は居酒屋のぶへ行き、幸せな時間を過ごします。この交流を通じて皇帝の心情に変化が生まれ、居酒屋から始まる意外なラブストーリーが織り成されます。

このシリーズは異世界というファンタジーの枠組みを使いながら、登場人物たちの心理描写や人間関係の機微を丁寧に描き出しています。特に料理が持つ文化的な交流の役割や、異文化間の理解を深めるきっかけとしての描写は見事です。
全体としてこの作品は読者に異世界の世界観だけでなく、人と人との繋がりの大切さを感じさせる作品となっており、評価は高いです。
さらに居酒屋という舞台設定上、お酒と食事にもフォーカスされており、読んだあとに自ずと居酒屋へ足を運びたくなる物語です。

『異世界居酒屋「のぶ」』はただのグルメファンタジーではなく、心温まる人間ドラマとしても評価が高いです。

異世界居酒屋「のぶ」
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異世界居酒屋「のぶ」

アニメ化、ドラマ化されており、まずはこちらから入ることがオススメである。
主人公とヒロインが居酒屋を経営しており、店の入り口が異世界と繋がってしまったところから始まる。舞台は中世のヨーロッパを参考にしていると思う。

話はある衛兵が同僚を給料日に居酒屋「のぶ」に連れて行く。寒暖地域が故に保存食、ジャガイモなど毎日同じようなものしか食べれないため、同僚は店に対してあまり期待はしていなかった。しかし、入店してすぐ見慣れない店内聞いたことがないメニューに少しずつ興味を持つようになる。

友人の勧めで”とりあえず生”つまり、生ビールを注文する。冷えたビールとお通しの枝豆に感銘を受ける。同僚は枝豆とビールのループにはまり危うくこれで満腹になるところだった。
続いておでんを勧められ注文したが同僚はこれを見て失望する。なぜなら、それは幼少期からずっと食べていたじゃがいもであった。

それを見た主人公はとりあえず食べること勧めてみた。ホクホクで味の染みたじゃがいも、それは今まで彼が食べたことがないものであった。その姿を見たヒロインと主人公は、さらに冷酒と牛すじをサービスで提供する。おでんと冷酒のループで彼はこの店にはまりやがて料理人を目指すようになる。

基本1話完結の話が多い。登場人物が多いため覚えるのに少し苦労するが、温かくほっこりする話が多い。

異世界居酒屋「のぶ」
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おすすめのアニメ、異世界居酒屋「のぶ」

入り口が異世界アイーテリアと繋がっている居酒屋のぶ。その店の主ののぶと看板娘のしのぶが作る料理とそれを最初は驚きでも次第に気に入って虜になっていくアイーテリアの住人とのお話。のぶさんの作る料理が本当に良くある居酒屋料理(唐揚げ、揚げ豆腐、チキン南蛮、湯豆腐、刺身など)で、本当に美味しそうに描かれています。お客が美味しそうに食べている様子もシンプルで大げさには描かれていないのですが、それがこのアニメの見やすくて良いところだと思います。
最初の方はほぼ一話完結なので、次の回の事を気にしたり、または見過ごしてしまったらと心配にならずに済むので良いと思います。お話もただ美味しい物を紹介するだけでなく、その回に出てくるお客さんの人生に癒やしを与えたり、役立つヒントを与えたり、また後々には社会問題を解決する手助けをするなどストーリー性もあってよいアニメだと思いました。
またエピソードの後には、のぶプラスというコーナーがあります。回によってきじまりゅうたさんによるアニメに出てきた料理の創作レシピやなぎら健壱さんによるアニメに出てきた料理が現実に食べられる居酒屋めぐりを紹介しています。アニメに出てくる料理を現実に作る、または食べに行く事が出来るというのを見せてくれるのも良いところだと思います。

異世界居酒屋「のぶ」
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幸せを形にする作品

流行の最先端とも言える異世界シリーズです。
また、テレビなどでは食レポドラマ、某居酒屋の主人のアットホームなドラマなど、まさにトレンドと言えます。

読んだ感想では、作者の家庭料理に対する愛情を感じました。
私はおでん、肉じゃが、ナポリタン、ポテトサラダ等、家庭料理が大好きです。皆さんは何が好きですか?こんな話が出来るのは、私達を育んだ、家庭料理を皆さんも愛していて幸せな気持ちになるからだと思うんです。
そうして、もう一つ重要な事もあります。皆さんには普段食べ慣れているもので、こっそり人と共感してほしい気持ちってありませんか?
私にはあります。例えば、私の家の唐揚げのような普段作ってもらってるもので、いつも美味しいと思っていると、父の会社の同僚や親戚がお泊りに来たとき等、それを食べているときの美味しそうな顔が、いつも思い出され、ほっこりした感情になります。きっと作者はそういった幸せな気持ちを描き出したいのだと私は思いました。

人が1番幸せな気持ちになるのは、意外な人物、知らなかった人と同じ喜びを感じ取り、コミュニケーションがとれることではないのでしょうか?私はこの本を読んでくれた人が日本食を知り、知らない国の人が日本食を食べたとき、幸せな気持ちになる漫画だと思います。

異世界居酒屋「のぶ」
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日本の居酒屋が、異世界営業!?

昨今の流行りの一つとも言える「異世界モノ」
その中でも、国家間で関わり合うスケールの大きい作品…ではなく。
とある小さな居酒屋と、異世界のある街の人々との小さな幸せを描いている作品の漫画版です。

話ごとに多少変わりますが、異世界側の住人の視点から「のぶ」に入店し、現代日本では一般的な、様々なうまい料理に舌鼓を打ち、満足し、時には、住人の悩み解決のヒントを得て、常連客になっていく…と、言った展開を広げていきます。

「鳥のから揚げ」「海鮮丼」「豚汁」などの和食や、「ナポリタン」「カツサンド」の様な洋食も登場し、読者も思わす不意に、食べたくなってしまうのでは?もちろん、居酒屋のお話なので、「ビール」「日本酒」といったお酒もぬかりありません。

月刊誌の漫画と言う事もあると思いますが、店内などの背景・各種料理もしっかり書き込まれていて、作中の世界観・雰囲気も掴み易いと思います。

ある程度の話のつながりはありますが、概ね一話完結の漫画なので、最初から読まなくても、十分楽しめるのではないでしょうか。
日ごろ、当たり前と思っている「食事」の認識を改める機会のきっかけにもなるかとおもいます。 是非、オススメしたいです。