ライブ・ア・ライブ / Live A Live

ライブ・ア・ライブ / Live A Live

『ライブ・ア・ライブ(Live A Live)』とは、株式会社スクウェアから発売されたRPGである。原始人の少年が生贄とされる別部族の美少女を救う原始編、要人救出の密命を受けて単身敵地へ侵入する幕末編、心山拳師範の老師が後継者を探す功夫編、放浪のガンマンがギャング集団を迎え撃つ西部編、最強の格闘家を目指す現代編、超能力に目覚めた青年が巨大ロボットで悪に立ち向かう近未来編、宇宙船という閉鎖空間でのサバイバルホラーのSF編の7つのメインシナリオで構成される。

ライブ・ア・ライブ / Live A Liveのレビュー・評価・感想

ライブ・ア・ライブ / Live A Live
8

「HD-2D」技術と豪華声優陣によってに蘇った、原作ファンにぜひともプレイしてほしい作品

あの『オクトパストラベラー』で用いられた「HD-2D」技術が採用され、スーパーファミコンの思い出が色鮮やかに生まれ変わった。バトルシーンの迫力はもちろんのこと、背景の美しさにはついつい見惚れてしまう。ボイスは緒方恵美氏や関智一氏などの豪華声優陣が起用されており、サブキャラに石田彰氏や杉田智和氏をキャスティングしてしまう太っ腹さには驚かされる。特に、杉田智和氏は全ての章に出演しているので、どの役を演じているのか想像するのも1つの楽しみかもしれない。
BGMを手掛けるのはスーパーファミコン版と同じく、『ストリートファイター』や『キングダムハーツ』で有名な下村陽子氏。今作では全曲フルアレンジで収録され、BGMがより深い響きを持って生まれ変わった。また、近未来編主題歌「GO!GO!ブリキ大王!!」は、あのアニメ・特撮ソングで大活躍な影山ヒロノブ氏が歌唱を担当する。ぜひこの熱い主題歌をゲーム内で聴いてみてほしい。
お色気シーンなどコンプライアンスにより一部再現不可能なシーンが見られたが、シナリオの大部分はスーパーファミコン版と全く変わらず忠実再現されているので、原作ファンにとっては嬉しい作品ではないだろうか。また、最終編では原作ファンが思わず唸ってしまう追加要素がある。原作ファンにはぜひともプレイしていただきたい作品である。

ライブ・ア・ライブ / Live A Live
10

ゲーム「LIVE A LIVE(スーパーファミコン版)」のレビュー(ネタバレあり)。感動的なストーリー・胸熱なセリフ・やりこみ要素が多い隠れ名作。

「LIVE A LIVE」は、1994年にスーパーファミコンで発売されたスクウェア(のちのスクウェア・エニックス)RPGソフトです。「チェッカーバトル」と称する、7×7のマスを使ったフィールドバトル。キャラを操作してマス目を移動し、「技」や「パス」などの行動を選択する、いわば簡易的な戦略シミュレーション型の戦闘です。
販売本数は30万本にいかない、当時のスーパーファミコンソフトとしてはマイナーな作品ですが、RPGランキングでは上位に入る隠れ名作です。
リメイク版がついに2022年に発売されました。

ストーリーは7つの異なるエピソードからなり、異なる主人公を操作します。時代や舞台が異なるため、プレイヤーは様々なストーリーとキャラクターを楽しめます。エピソードごとに数多くの心打たれる名シーン・名セリフが用意されています。
個人的に好きな名セリフは近未来編、アキラの「ざけんなよ……そんなカッコにならなくてもな……一つにはなれんだよ!なあ……そうだろ 松ッ!!」です。
「無法松」がアキラの父を殺した張本人という事と贖罪のために自分と妹を守り続けていた事を知ったアキラは、彼の想いを受け止め、さらに人間と人間が一つにとけ合えば憎しみも争いもない世界になると説くシンデルマンに、アキラの怒りが爆発したシーンです。アキラと無法松の関係、男アキラのカッコよさに涙腺崩壊したシーンです。
本作には他にもカッコいいシーンが多数用意されています。

また、本作は隠しダンジョンや隠しアイテム、裏技など、多くの秘密要素が存在しており、やり込み要素が多いのも特徴です。

BGMもエピソード毎に異なるテーマや音楽が用意されており、物語の雰囲気を一層盛り上げています。特にメインテーマ「LIVE・A・LIVE」や、ラスボス戦曲「MEGALOMANIA」はプレーしたことがない人でも知っている名曲です。
独特のストーリー展開と7人の主人公、隠し要素の多さなどが魅力であり、充実したゲームが楽しめる作品です。

ライブ・ア・ライブ / Live A Live
10

スクウェア時代の異色なRPG

一度は聞いたことあるかもしれない異色RPG、LIVE A LIVE。
スクウェアがファイナルファンタジーなど有名タイトルを出す中、ちょっと風変わりなRPG。
有名な漫画家さんがイラストを担当し、オムニバス形式にストーリーを進めていく。
原始時代のストーリーからSF未来、各時代のストーリーをクリアしていくとある共通点が見えてくる。
それが一体なんなのか、何を意味しているのか、続けていくとつながっていくストーリー。
それは是非、プレイして知ってもらいたい。

ここでなぜ異色RPGと呼ばれているのか。
ゲームのRPGといえば主人公が冒険して強くなって悪者を倒していく。
これが王道と言えるだろう。
周りの人々たちも幸せになっていき、プレイヤー自信も満足感に満たされる。
だがこのゲームはちょっとそこらへんがおかしい。おかしいというのも違うかもしれないが「ん?」「どうして…」って感じるところがある。
だからといってそれが不快な気持ちにさせるものではなく、より興味をひくものとなっている。
ここでこれならこのあとはどうなってしまうんだろうか…。と気になり、より物語に引き込まれてしまう。
王道とは違うがこれもまたRPGとして完成されているといえる。
詳しく話すことはできない。是非、自分自身でプレイして知ってもらいたい。
異色RPGという名前だけに好き嫌いが分かれるかも知れないが、ゲームをプレイするユーザーには一度は触れていただきたい作品と思っている。

ライブ・ア・ライブ / Live A Live
10

人間の本質が分かる名作

スーパーファミコン全盛期に旧スクウェア〔現:スクウェア・エニックス〕から発売されたゲームです。シナリオは下記にて紹介します。

最初にプレイできるのは7つのシナリオ。
現代編、SF編、幕末編、近未来編、西部編、原始編、功夫編。
どのシナリオからでもプレイする事が出来ます。近未来編、原始編、功夫編は一般的なRPGと同じシステムでストーリーが進行します。
現代編
このゲーム独自の戦闘に慣れるにはお勧めです。最初にプレイするには難易度が高いです。
SF編、西部編
移動しながらストーリーが進行します。少々厄介なギミックがあります。
幕末編
難易度がかなり高くやり込み重視です。初期でレベル99にしました、とかアイテムは全て集めるとか、やり込んだ方は多いと思います。
ゲームのシステムや流れに慣れてからこのシナリオに触れると良いと思います。

このゲームでは共通のキーワードを持ったボスが登場します。
SF編ではOD-10、功夫編ではオディワン・リーなど必ず【オディオ】というワードが組み込まれています。ラテン語で【憎しみ】の意味を持ちますが7つのシナリオが終わった段階ではなぜ憎しみの単語が強調されるのかは分かりません。しかし、この単語の真の意味は7つのシナリオ全てをクリアすると選択可能になる中世編で明らかになります。

中世編の主人公オルステッドは中世編ではある場面を除き、全く喋る事が出来ません。
中世編の話の流れも「親友と競い、お姫様と愛を交わすが魔王に連れ去られ、再び親友とともに仲間を集めて魔王を打ち倒す」という一見王道的なRPGのシナリオになっています。ですが、かつての魔王を倒したはずの勇者が「人を信じない」という旨の発言をしたり不穏な空気が流れ始め、魔王打倒後、かつての勇者は流行病で死亡してしまいます。親友も行方不明になります。
やっとの思いで帰ってきた勇者オルステッドは一転して魔王になりますが、この下りが人間の悪意や周囲に流されやすい特性をよく押さえていると思います。
広まった噂を信じ、一人の人間を排斥する。そして正義の名の元、裁く。どんどん不穏な空気の中、最後の希望を信じる主人公は親友や愛を交わした姫にも裏切られ、魔王になってしまいます。人間の醜さを見て、信じた人に裏切られ傷つけられる様は心にくるものがあり、人間は本質的に愚かだと言うことをありありと見せつけられます。
大人になると同期と競ったり友達に劣等感を抱いたりすることがあると思います。しかし、この劣等感が人を傷つけさらなる悲劇に繋がるということを分かりやすく教えてくれます。現在ではバーチャルコンソールでも配信されております。微笑ましい会話や日常に潜む人間の悪意、人間の愚かさと僅かな善性をゲームを通して見ることができるのは今もこのゲームくらいではないかと思うほどです。
大人になった今こそぜひプレイして欲しいゲームです。