ワンダーウーマン / Wonder Woman

ワンダーウーマン / Wonder Woman

『ワンダーウーマン』とは、2017年にアメリカで制作された実写映画。監督はパティ・ジェンキンス。
アメリカンコミックであるDCコミック『ワンダーウーマン』シリーズを原作としている。
女性だけが住む島、セミッシラで育ったアマゾン族の王女であり屈強な戦士であるダイアナは偶然「外の世界」からやってきたパイロット、スティーブ・トレバーを救出する。第一次世界大戦の最中、ダイアナは悲惨な戦いの元凶は神アレスと確信し、トレバーと共に「外の世界」へ旅立つ。

ワンダーウーマン / Wonder Womanのレビュー・評価・感想

ワンダーウーマン / Wonder Woman
9

女戦士の戦いと愛が感動する映画

アンティオペとヒッポリタ女王がダイアナを大事に想う気持ちを語り合うシーンは、その気持ちが画面越しからひしひしと伝わってきて感動しました。そしてダイアナが救出したトレバーが、旅立つ前に言っていた父の遺言、「人は不正を前にして、何もしないか、行動するのか」という言葉はなんだか深く感じました
。トレバーと共に旅立ったダイアナが、最後に母親であるヒッポリタ女王と交わした会話のシーンは、とても悲しかったです。でも、無人地帯にいた人々を救った夜、ダイアナとトレバーがぎこちなくもダンスを踊っているシーンは、とても微笑ましかったです。ダイアナとトレバーが恋に落ちていく瞬間は、見ているこっちもドキドキしました。
ダイアナとアレスの戦いは格好良かったものの、トレバーが自分の身を犠牲にして世界を救ったシーンはとても悲しかったです。ダイアナへトレバーが言い遺した言葉や約束は、とても感動する、素晴らしいものでした。そんな愛するトレバーとの約束を守り、ダイアナはワンダーウーマンとして世界を守っていく姿がもっと見たいと思いました。でも、ブルースがどうやってあの写真を手に入れられたのかが最後まで謎だったのが、逆に面白かったです。

ワンダーウーマン / Wonder Woman
7

タイトルなし

2017年8月公開のSFヒーロー映画です。
原作はスーパーマンやバットマンを擁するDCコミックスで、昨年公開されたバットマンVSスーパーマンのクライマックスで颯爽と現れ両ヒーローを圧倒せんばかりの活躍だったワンダーウーマン・ダイアナ・プリンスの過去が描かれる単独主演作品です。
舞台は戦時中に遡り(主人公ダイアナは人間とは異なるアマゾンと呼ばれる種族で神に近い存在ゆえ歳をほとんど取らない)、ダイアナが住んでいた島にもう一人の主人公にあたる兵士が流れ着き、そこからドイツ軍との戦争に巻き込まれる形となります。
島から出たことがない言わば箱入り娘であるダイアナは戦争が島に言い伝えられていた邪心の仕業だと確信し、戦争を止めるべく周囲の反対を押し切って人間世界に向かうことになりますが、そこで人間の醜さや戦争の悲惨さを思い知らされ、ある決意と人間的成長が描かれます。
監督は女性の方なので、戦時中の女性差別など、細かな描写も目につき、女性ヒーローであるワンダーウーマンの魅力をより鮮明に描いていたといえます。
公開の役4か月後にDCコミックのヒーローが終結するジャスティス・リーグが公開されたりと2017年はワンダーウーマンのファンには歓喜の年でしたが、本作と続けて観た場合、ダイアナの成長が著しく感じられました。

ワンダーウーマン / Wonder Woman
7

美しき闘う人

美人で知的、優しく意志が強い。アクションも男顔負けの迫力だと感じました。
外界と遮断された島では、女ばかりが暮らしています。その中でもひときわ強いヒロイン、ダイアナは戦いの神アレスを倒して、人の世界に平和をもたらそうと奮闘します。ダイアナが戦争の真っただ中に現れる姿はフランスのジャンヌ・ダルクのようにも思え、残酷な殺戮と暗い闇の中で希望のように見えました。ダイアナに秘められた超人的な力はなんでもありのように思えましたが、彼女の力で人々に平和をもたらすことはできません。平和を願いながらもどこかで戦争を行い、また殺戮が繰り返される。人間の選ぶことであり、人間に寄り添いながら平和を願ってダイアナは戦い続けます。
2時間20分とちょっと長いかなと思いましたが、見ている間に、特に後半部分ではぐいぐい引き込まれてしまい、すっかり時間を忘れてしまいました。戦いの神アレスは伝説上の話であり、ダイアナ達の幻想ではないかと思いながら見ていたのですが、思わぬ人物がアレスだとわかり驚きました。平和を願う人々に寄り添う神もいれば、戦いと滅亡を欲する人間に寄り添う神もいる。揺れ動きながらも必ず突破口を開く。ダイアナとスティーブとの純愛にラストは切なくなりました。