ゾンビランド / Zombieland

ゾンビランド / Zombieland

新型ウィルスの爆発的流行により、大半の人間が感染し次々とゾンビ化した世界で、辛くも生き延びた臆病な大学生、短気なワイルドガイ、詐欺を働く姉妹の4人が冒険を繰り広げる、09年公開のコミカルでパンチの利いた痛快エンタテインメント・サバイバル・ホラー。大学生がゾンビの世界で生き延びるための32のルールを作り、それを実践して生き延びるというアイデアが面白い快作。

ゾンビランド / Zombielandのレビュー・評価・感想

ゾンビランド / Zombieland
8

ゾンビ映画の小ネタ満載

ルーベン・フライシャー監督作品

人類の大半がゾンビになってしまった世界。ひ弱な青年コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は自ら定めた32のルールに従うことで辛くも生き延びていた。当てのない旅の道中、ゾンビハンターのタラハシー(ウディ・ハレルソン)、美人姉妹ウィチタ(エマ・ストーン)と、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)と、行動を共にするうちに、コロンバスは忘れていた仲間との絆を取り戻してゆくのだが…

「L.A.ギャングストーリー」、「ヴェノム」のルーベン・フライシャーの初監督作品。辛口映画批評サイト、ロッテントマトでは89%の高評価を得ています。ジェシー・アイゼンバーグ(「ソーシャルネットワーク」)、エマ・ストーン(「ラ・ラ・ランド」)の出世作でもあります。
主人公コロンバスは、自ら定めた32のルールを守ることで生き延びています。「ルールその1、有酸素運動」、「ルールその3、トイレに用心」等、これらのルールのなかに過去のゾンビ映画のパロディが詰め込まれているのも見どころです。
また、中盤に有名なハリウッドスターがカメオ出演しています。その正体はぜひ本作を観て確かめてみてください。
続編「ゾンビランド:ダブルタップ」も2019年に公開されました。併せてご覧ください。

ゾンビランド / Zombieland
7

怖さの中に楽しさがある映画でした。

最初はすごく怖かったです。私はゾンビものやホラーが大の苦手だったので、恋人に釣られて見た時は本当に後悔しました。でも、主人公の大学生であるコロンバスが人類のほとんどがゾンビと化してしまったなかで、自分で学んだゾンビに対してのルールを語りながらゾンビから回避したり、倒したりしていくところは少しゲームっぽくて面白かったです。それにもうコロンバスがピンチだってなったときに出会ったワイルドな男性、タラハシーの好物の菓子トゥインキーを懸命に探している姿がまた可愛らしくて和みます。そんな2人が車に乗って目的地へと向かっているときに出会った姉妹に何度も騙されて車を奪われたり、武器を奪われてしまうコメディーなところも面白いです。最後はその姉妹が遊園地を稼働してしまったことによって、それに気づいたゾンビ達がいっせいに群がってきた姿には本当に怖かったです。もう見ているこっちも泣きそうでした。そこにコロンバスとタラハシーが駆けつけ、タラハシーがゾンビを引きつける囮役になった時はもうドキドキハラハラしながら見ていました。射的屋の中に閉じこもってゾンビと対峙した時は本当に死なないでと願っていました。でも、さすがタラハシーです。本当に1人で数多のゾンビを2丁の拳銃で鮮やかに倒してしまうなんて本当に格好良かったです。コロンバスもなんとか姉妹を助け出し、ようやく4人で脱出できたのには感動しました。

ゾンビランド / Zombieland
10

ただのコメディーではなかった

ゾンビもの、そしてコメディーとなると、B級なのかな?とあまり期待はしておりませんでしたが、とても良い作品だったと思います。ゾンビになる過程や感染症について詳しく解説されることはありませんが、そのあたりはどうでもよくなってしまうほど、登場人物たちがとても魅力的でした。人間関係が複雑になるほど登場人物が多いわけではなく、主人公の「マイルール」が際立っていてすごくおもしろかったです。ゾンビが出てくる荒廃した世界なのに「シートベルトは着用」といった独自のルールが笑えました。そんな世界になるまでの主人公の生活が、オンラインゲームをしていて孤独、というところもおもしろかったです。アメリカで長く続くゾンビドラマでは、主人公はかっこよくてリーダーというイメージが強いですが、こちらの映画の主人公の「マイルール」は「ヒーローにならない」である、というところもなかなか現実的でおもしろく見ることができました。なにより、独自の「マイルール」を貫くからこそ生き抜いてこられたと豪語している主人公が、出会った女の子を助けるためにルールをやぶり、自分が欲しかった「家族」を手に入れていくというストーリーは痛快で、心理学的にもかなり深さがあったと思います。