ゴールデンカムイ(実写映画)

ゴールデンカムイ(実写映画)

実写版『ゴールデンカムイ』とは、野田サトルの同名漫画を原作とする2024年公開の映画作品。山﨑賢人、山田杏奈、玉木宏、舘ひろしといった豪華俳優陣が出演し、監督は久保茂昭が務めた。キャッチコピーは「猛き者達よ、奪い合え」、「果たすべき、使命はあるか」。
明治末期の北海道。戦争帰りの兵士杉元佐一は、「アイヌがどこかに隠した莫大な金塊」の噂を耳にする。金塊を巡る陰謀の中で父を失ったアイヌの少女アシリパと出会った杉元は、彼女と組んで金塊探しに挑み、その情報を持つ脱獄囚たちや陸軍との争奪戦を繰り広げる。

ゴールデンカムイ(実写映画)のレビュー・評価・感想

ゴールデンカムイ(実写映画)
9

心底ワクワクドキドキできる最高の活劇!!

コミックス版の『ゴールデンカムイ』は全巻読破していて、大ファンです。それだけに実写映画化には正直不安もありました。しかし実際に映画館に足を運んでみて、全くの杞憂だったのがわかりました。
山﨑賢人はまさしく「不死身の杉元」でしたし、山田杏奈は本当に「アリシパ」でした。そして、館ひろしの土方歳三もゾクゾクするほど格好良かったです。あと杉元の軍服はなんだかきれいすぎて合わないのではないかと思っていたのですが、実際に映画のスクリーンで観るとそんな違和感は全くありませんでした。
この作品には、不死身の杉元をはじめ、柔道の達人の牛山、元新撰組副長の土方歳三、頭部を損傷して興奮すると脳汁がだらたら流れ出す大日本帝国陸軍第7師団の鶴見中尉など、普通じゃない男たちがこれでもかというほど登場し、所狭しと暴れ回り、戦い続けます。圧倒的な北海道の大自然にも負けない、人間の底力を感じさせてくれる最高の活劇エンターテイメントに仕上がっています。
それぞれの野望と野心に突き動かされて、道徳も法律も、すべて無視してひたすら突き進む姿は、痛快そのもの。この作品は、大長編『ゴールデンカムイ』の冒頭部分だけですし、続きも引き続き製作されるので、これからもっともっと楽しめること間違いなしだと思います。

ゴールデンカムイ(実写映画)
9

キャラの忠実な再現に原作ファンも震えるはず

マンガを実写化する場合にありがちなのが、キャラクターの改変や、好きなエピソードがカットされてしまうこと。しかし、『ゴールデンカムイ』の実写版はまったくそんなことありませんでした。
杉元、アシリパ、鶴見中尉、二階堂兄弟、土方歳三と、どのキャラも原作通りに再現されていることに驚き。衣装も違和感がなくリアルな仕上がりでした。
アクションでは二〇三高地の戦いのシーンが完璧で見ごたえがあります。また、北海道の大自然を使ったロケーションは圧巻でした。その他の細かいエピソードも省略することなく、すべてにおいて原作に忠実でした。ダレたりせずテンポよく進みつつも、杉元とアシリパの孤独の描写がしっかり描かれていたのが好印象。孤独だからこそ、2人の絆をより強く感じることができました。製作スタッフの皆さん、相当原作が好きなんだろうなってぐらいの愛をビシビシ感じました。
2時間ちょっとの上映時間ですが、あっという間に見終わっちゃいます。細部までしっかり作りこまれていたので、原作でいうところの3巻前半までのエピソードです。今後の展開が気になりますが、続きは映画ではなくWOWOWでのドラマ放送が決定しているとのこと。このままクオリティを落とさずに、ぜひ最後まで実写化して欲しいなと思いました。