逆転のトライアングル / Triangle of Sadness

逆転のトライアングル / Triangle of Sadness

逆転のトライアングル / Triangle of Sadnessのレビュー・評価・感想

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逆転のトライアングル / Triangle of Sadness
6

抱腹絶倒!社会の真価が問われる風刺コメディ

これほど内容と題名がピッタリと当てはまる映画はそうないだろう。
「逆転のトライアングル」。
このトライアングルとは格差社会、ヒエラルキーを表しており、それが逆転した時に人間の真の価値とは何かを映画を観る人に考えさせる。

冒頭でインフルエンサーのカップルが本音で口論するシーンが出てくる。
そこで彼女は「あなたと付き合う理由はフォロワーが増えるからだと」述べる。

また豪華客船の船内では大富豪の夫人が、「船を買い取るからプールで服のまま泳げ」と乗務員に命令する。
そして高額なチップの欲しい乗務員は喜んでと服のままで泳ぐのだ。
このように社会では「SNSのフォロワー」や「お金」の価値が重要だと考えられている。

だが船が沈没し、無人島でサバイバルをする事になると価値のヒエラルキーが逆転する。
火を起こす能力や魚を獲る能力が重要となってくるのだ。
無人島の世界ではインフルエンサーや大富豪はただの役立たずだ。
この映画に触れると、私たちの重要視している価値がグラグラと揺らぎ出す。
そして「SNSのフォロワー」や「お金」の価値が上がったこの世の中で、本当に大切なものについて私たちに改めて考えさせるチャンスをくれる。