聖女の魔力は万能です

聖女の魔力は万能です

『聖女の魔力は万能です』とは2016年より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載開始した橘由華の異世界召還ファンタジーWeb小説と、それを原作としたライトノベル、漫画、アニメなどメディアミックス作品である。魔法が存在する異世界に主人公セイとアイラが日本から召還された。しかし王国の第一王子カイルはアイラだけを聖女として扱い、セイを無視してしまう。元の世界に戻ることができない中、セイは自分の居場所を見つけ「聖女」としての力を発現させてゆく。女性が主人公のほのぼのとした異世界召還ストーリーである。

聖女の魔力は万能ですのレビュー・評価・感想

聖女の魔力は万能です
8

異世界召喚ものにはまるきっかけをくれた作品です。

日本に社畜OLとして働いていた小鳥遊聖(以下セイ)が、異世界召喚されたところから話は始まります。召喚されたスランタニアにて最初にあったのは、一緒に召喚された女子高生は王子に聖女として対応されるのに、自分は置いてきぼりにされてしまうというひどい対応。ひとまず王宮の方から今回行われた「聖女召喚」について話を聞くものの、怒りを抑えられないセイ。それでも何もすることのない王宮にてなんなく過ごしていたセイが、散歩していたら見つけたのが、薬用植物研究所。元から植物への興味があったセイは、薬用植物研究所の職員として働くこととなるものの、魔力を使いポーションを作ったりしていくとなぜか効果が5割増しというポーションができたりします。
そのほか、セイ自体はスローライフというものの、楽しく仕事をしながら生活を送っていきます。しかし現実には魔物が発生しており、魔物の殲滅のために行われた「聖女召喚」。実際セイも魔物と戦い傷ついた騎士たちの救護にあたります。その際にセイがこっそり作っていた上級ポーションで助けた相手が、その後セイの中で大きな存在となっていくアルベルト・ホーク団長。ホーク団長は女性には冷たいとの話でしたが、セイにだけは優しく、積極的な様子に照れているセイもとてもかわいいです。そのほか魅力的なキャラクターが多く、セイはみんなに優しく、みんなもセイが傷つかないように頑張っている姿が癒されるアニメです。

聖女の魔力は万能です
7

王道の聖女ファンタジーと恋物語が好きな人必見

仕事を終え帰宅した小鳥遊聖(たかなしせい)は光に包まれ、目を開けると知らない王宮にいました。
異世界から聖女を呼び出すため、王宮の人たちが行った召喚の儀に現れた女性のアイラを聖女と認識した王子は、せいを放置してしまいました。居場所がなくなり植物が好きだったせいは、研究所で働くことにしました。
その後、王子に保護されているアイラは聖女の力を使えないことがわかり、注目がせいに集まり始める物語です。
ポーションや聖女の力、イケメン正統派の王国騎士などの要素が詰まっているところが見所です。
最強の魔法の力を持つ主人公や、どんなものか見ただけでわかるなど、最初から異世界の人たちを驚かせるものが多く、さまざまある異世界物語の展開に飽きてきた人にお勧めです。
聖女の力を持ちみんなを驚かせたせいは、多くのポーションを作れる魔法を使うときキラキラが出るくらいで、何の力なのかわかりませんでした。
自己流ではないポーションの作り方、魔法や聖女の力の使い方など、教えてもらったり、練習したり、せいの努力が描かれていました。
ポーション作りや魔法を教えてくれる王国騎士は、王道のイケメンでした。せいが好きな人を除くイケメンたちは女性をサポートしたり、見守ったりしました。
アイラとせいがお互いに話をしたことをきっかけに、別々に行動していたアイラや王子たちが、気持ちを通じ合わせ協力し合うように、この物語には珍しく悪役がいません。誰にでも見やすいこの物語を、ぜひ見てほしいです。

聖女の魔力は万能です
9

リアルな異世界転生を体感できる

異世界ファンタジーの中では割とリアルに自然な形で物語が進んでいきます。
主人公は仕事ばっかりで、プライベートは疲れ切っている20代OL。
帰宅してドアを空けたら突然魔法陣が発動し異世界に召喚されますが、地味な見た目から聖女と思われず放置される中で、
自分らしく楽しく異世界での生活を謳歌していきます。
同時に聖女としての魔力も留まることなく彼女を輝かせ、少しづつ味方も増え成長していくのが自然な形で描かれていて引き込まれます。
登場人物が個性豊かで魅力的です。かなりぶっ飛んでいる王子様の中々見えない本音が見えた時、それまでモヤモヤしてたものを優しく包んでくれます。
主人公の純粋な心理描写も素敵です。恋愛も少しづつ描かれていて、ファンタジックな戦いだけじゃないのも魅力的です。
現代のリアルな世界とゲームの世界に飛び込んだようなファンタジーな世界が見事にマッチしていて、
主人公にあっという間に共感し一緒に切磋琢磨している気分になります。
恋愛下手なところも可愛くて心から応援したくなります。
出会う騎士団長がまたかっこよくて聖女を真摯に助け寄り添い力になってくれるのがまた素敵に描かれています。
聖女様とはどんな存在で、主人公はどんな聖女になっていくのか、
謙遜ばかりで自分が聖女だなんて最初は思えなくて元の世界に帰りたいと思うところからこの世界を救いたいと思うようになるまでの物語がとても面白いです。

聖女の魔力は万能です
8

どんどん読み進めてしまう(漫画版レビュー)

異世界ファンタジー作品。働き過ぎの女性が異世界に召喚されたのに、王子に無視されてしまうまさかの出だしである。
異世界に召喚されたら丁寧にもてなされるイメージがあったので、これにはビックリした。
王子に無視されてもめげることなく、自分のやりたいことを見つけて仕事をする主人公・セイ。
自ら仕事を見つけては、意図せずして次々と問題を起こしてしまうが、周りの協力を得ながらどんどん解決していく。
小さな話がどんどん大きな話へつながっていくことにとてもワクワクしながら読み進められる作品である。
また、セイが行動する姿はかっこよくもあり頼もしくもある。時々やりすぎてしまうのは彼女の性格だろうか。
そんなところがさらに物語をおもしろくしてくれている。
セイのその行動力のかいもあってか、金髪碧眼イケメンとお近づきになりるにも関わらず、
セイが男性慣れしていないせいもあって、距離が縮まりそうでなかなか縮まらない2人。
じれったいようなもどかしいような気持ちになるが、今後2人の関係がどのように発展していくのか、本筋と合わせてとても楽しめる。
この作品は剣と魔法の世界で現代人の知識が役に立つ場面も、魔法に驚かされる場面も実際に自分がセイと一緒に体験しているように感じられるほど丁寧に描かれている。
原作は小説だそうだがそうとは思えないくらい、絵柄もきれいで細部まで書き込まれているので、読んでいて違和感を覚えることは全くない。
何度読み返しても楽しめる作品である。