Return of the Obra Dinn

Return of the Obra Dinn

『Return of the Obra Dinn』とは、ルーカス・ポープの監督による謎解きアドベンチャーゲームである。白と黒のみの1ビットで表現されるグラフィックが特徴的だ。
舞台は19世紀初頭、5年間消息を絶っていた「オブラ・ディン号」が船員ゼロで帰港。保険調査官である主人公は、損害査定書の作成のため同船に派遣され、奇妙な懐中時計を使って乗客、乗員60人の死因や推定現在地を割り出す。懐中時計の特別な力で、主人公は死者の最期の場面を確認し、これを基に船上で起きた真実を紐解く。

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Return of the Obra Dinnのレビュー・評価・感想

Return of the Obra Dinn
9

白黒なのに臨場感に飲み込まれる世界一の評価を受けた推理ゲーム

舞台は1807年、航海中に消息を絶っていたオブラ・ディン号がイギリスの港に到着し、保険会社に勤める主人公が無人の船を調査するところから始まる。
ここまで聞いて「歴史に詳しくないし保険会社の仕事なんて難しそう」と感じるかもしれないが、
知識がなくともゲームを進められるような配慮はあるので是非挑戦して欲しい。
このゲームは白黒の細かいドット絵で表現されるのだが、おそらくその理由は“推理“をさせるためだろう。
主人公は総員60名や船の見取り図が書かれた手記と死者の記憶を呼び起こせる懐中時計を使い、オブラ・ディン号で何が起こったかを調査していく。
船には様々人種が乗っていた。アジアからイタリア、イングランド…そのためカラーにするとすぐに個人が特定できてしまうため推理の面白さが減ってしまう。
船では様々な事件が起こる。今の時代では考えられないようなハプニングもあるからこそ、白黒にしてプレイヤーの推理力を試しているのである。
ただ一つ難点なところは、かなりクリアまでに時間がかかることや、行き詰まった時にヒントを見つけられないと苦しいという点である。
正直後半は勘と攻略サイトを見ながらではないと完全なクリア、そしてストーリーの理解は出来ないように思える。
時間があるならオブラ・ディン号と一緒に旅をして欲しい。

Return of the Obra Dinn
10

ミステリフリークも大満足間違いなしの推理アドベンチャーゲーム

ミステリ好きを唸らせるインディーズゲーム、それが「オブラ・ディン号の帰還」だ。
2018年にsteamで発表されたのち、2019年にSwitch/XB1/PS4それぞれでもリリースされた。

この秀逸なゲームを開発、制作したのは奇才と名高いゲームクリエイターLucas Pope氏。
彼の前作「Papers, Please」も数々の賞を受賞するなど、高い評価を得ている。

このゲームは、プレイヤーが1800年代初頭のイギリス大航海時代の保健調査員となって、無人の帰還を果たした商船「オブラ・ディン号」について調査し謎解きしていく。
画面全体は90年代初頭までのモノクロブラウン管画面の様に荒いモノクロドットで表現され、少し見づらい部分もあるかもしれない。
が、その不明瞭な画面とストリングス、パイプオルガンが奏でる怪しげながらも美しい音楽が世界観を情緒たっぷりに演出している。

ゲームをスタートさせるとその操作に少し戸惑うかもしれないが、最初の章はチュートリアルを兼ねており20分ほどで操作に慣れることができる。
全体として2時間ほどでストーリー全てを見ることができる。ストーリー毎の合間で登場人物の身元、安否について推理していく形なので全体のプレイ時間としては8?12時間程になる。

プレイヤーの分身、保険調査員は「メメント・モーテム」と刻まれた思念を呼び起こす不思議な懐中時計と何者かの手記を頼りに、オブラ・ディン号の中を自由に歩き回り調査し、船上で起きた真実を解き明かしていく。
乗船者の身元を特定し安否を確認していくために、全員分の根拠となる証拠がきちんと用意されている。難易度によって複数の根拠が用意されたり、ほんのわずか、見逃しそうなほど小さな根拠だったりと様々だが、特定に至る根拠を見つけ、当てはめたものが正しかった時の達成感、充実感はたまらない。
また、イギリスの大航海時代を舞台設定にしているので、その頃のイギリスや世界各国の情勢、その頃の船乗り達が信じていた迷信などをあらかじめ下調べしておくと、より深くこのゲームを楽しむことができるだろう。

ひとつ、「オブラ・ディン号の帰還」をプレイする上で注意したいのは、人体切断などのショッキングな暴力シーンがあることだ。
グロテスクな描写に耐性がない人にはオススメできないが、謎解きの腕に覚えがある人にはぜひ一度プレイしていただきたい。

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