AI崩壊

AI崩壊

『AI崩壊』とは、2020年1月31日に全国公開された日本のSF・災害映画である。監督・脚本は入江悠、主演は大沢たかおが務めた。映画は主人公である桐生浩介(きりゅう こうすけ)が医療人工知能 AI「のぞみ」の開発に成功したところからはじまる。2030年には全国民の個人情報などを「のぞみ」が管理するようになったが、突然「のぞみ」が暴走し日本中がパニックとなる。その暴走を阻止しようと奔走する姿を描いた映画である。AIが発展する現代で、これからの世界のありかたについて考えさせられる映画だ。

AI崩壊のレビュー・評価・感想

AI崩壊
10

未来にこうなるかもしれない

今回は、AI崩壊を見に行きました。
リアルな近未来を描いていて、将来こうなるのではないか?というシーンが所々ありました。
AIが暴走してしまったらこうなるだろうと思い、ちょっと現実的でした。
映画のなかで、AIを暴走させた人がいたので、そこは人がやはり悪くなるというところは変わらない点でしたね。
大きな道路のシーンが出てきていて、封鎖して撮影したんだというところをうかがえ、迫力がありました。
これだけ大きなものをつくるにはそれなりに協力が必要だということも分かりました。

AIの暴走は止まらなくなりとてつもなく日本が崩壊しそうだったのですが、岩田剛典演じる、警察幹部のセキュリティ課の男性が犯人でした。
医療AIのぞみを奪い取りたく、AIを認識させてそれを利用していました。
最後まで犯人は分からず、設立者の大沢たかお、管理者の賀来賢人は犯人ではなかったことがよかった。
犯人は大沢たかおを警察AIを使って追跡して、自分が犯人ではないようなしぐさや態度になっていました。
犯人がわかった瞬間、やっぱりこいつが犯人だったかという感じで、すっきりしました。
いる人間といらない人間を区別して日本をつくるみたいな、近未来版デスノートをみている感じでした。
この映画はAIが悪くなった場合は、暴走してしまうというところをうまく表現できていました。
大沢たかおが推理をして犯人を特定し、証拠をつきつけるシーンは「JIN-『仁』」を彷彿させる形のようでした。

AI崩壊
10

人工知能が反旗を翻した時の恐ろしさにドキドキハラハラした

天才科学者の桐生がずっと重い病気を抱えていた妻の望のために開発してきた、人に寄り添う医療用のAIが実用化されたことまでは素晴らしいと思っていました。そのAIを使って本当は望を助けたかった桐生だったけど、でも桐生と望の夢を叶えられる時代になってくれたことに嬉しさを感じました。だけど、そんな幸せも束の間でした。桐生が帰国して人工知能のAI「のぞみ」を見せてもらってから少ししただけなのに、勝手にAIが暴走してしまった写真を探していた心が中に閉じ込められてしまうし、AIは勝手に全部の機械を乗っ取って、死ぬべき人間とそうでない人間をニュースや新聞などから学習して選別を始めて殺し始めてしまったのです。AIに殺される日がくるなんて思ってもいなかったことだから、総理や街の人間が殺されてしまったシーンは正直怖かったです。容疑者扱いされてしまった桐生がなんとか仙台までたどり着いて、その先で自分が作ったAIで救われた人からありがとうと感謝を述べられるシーンは感動しました。義弟が無慈悲にも庇って撃たれてしまって、昔ながらの刑事たちが桐生の味方をしてくれて、そして犯人を割り出すことができて、天才捜査官が真犯人だと突き止められたときは凄いなと思いました。あとはAIの暴走と心を救うシーンはドキドキハラハラしましたが、無事に成功したときは心からホッと安心しました。素晴らしい映画でした。

AI崩壊
5

なぜAIの暴走が止まったのかがよく分からなかった

医療関係をAIに頼り切っていて、AIが暴走すると生命に関わるという設定はリアルだと思った。
地方は取り残され、都市部だけAI化が進んでいるというのも実際にありえそう。

肝心の暴走したAIが止まった原因が、よく分からなかった。
自分が生まれた動機と生まれたときの記憶を思い出したからということだが、延々とスクリーンに登場人物の笑顔が映し出されるだけで演出が陳腐だった。

真犯人が理事官の桜庭というのは、意外性があって良かった。
ラストのにやりと笑う岩田剛典の演技は、実はもうAIの暴走は始まっているのではないか?という怖さも相まって素晴らしかった。

三浦友和と広瀬アリスの人間味のある刑事コンビ二人組が良い味を出していた。
AIに捜査を頼っている現状でも、刑事の勘と地道な足を使っての捜査が有効であるというのは人間の可能性に対する希望のようで良かった。

善人である賀来賢人が殺されてしまったのは悲しかった。最後はハッピーエンドなだけに何の落ち度もない良い人には生き延びてほしかった。

題材は良いものの、全体的にクサい演出が多いのが日本的で、残念感が漂う。
しかし、オリジナル脚本の邦画はもっと増えてほしいので、チャレンジングな企画をしてくれたことは評価したい。