なぜAIの暴走が止まったのかがよく分からなかった
医療関係をAIに頼り切っていて、AIが暴走すると生命に関わるという設定はリアルだと思った。
地方は取り残され、都市部だけAI化が進んでいるというのも実際にありえそう。
肝心の暴走したAIが止まった原因が、よく分からなかった。
自分が生まれた動機と生まれたときの記憶を思い出したからということだが、延々とスクリーンに登場人物の笑顔が映し出されるだけで演出が陳腐だった。
真犯人が理事官の桜庭というのは、意外性があって良かった。
ラストのにやりと笑う岩田剛典の演技は、実はもうAIの暴走は始まっているのではないか?という怖さも相まって素晴らしかった。
三浦友和と広瀬アリスの人間味のある刑事コンビ二人組が良い味を出していた。
AIに捜査を頼っている現状でも、刑事の勘と地道な足を使っての捜査が有効であるというのは人間の可能性に対する希望のようで良かった。
善人である賀来賢人が殺されてしまったのは悲しかった。最後はハッピーエンドなだけに何の落ち度もない良い人には生き延びてほしかった。
題材は良いものの、全体的にクサい演出が多いのが日本的で、残念感が漂う。
しかし、オリジナル脚本の邦画はもっと増えてほしいので、チャレンジングな企画をしてくれたことは評価したい。