豪華名優が手掛ける人間模様
1972年に公開された映画『ゴッドファーザー』は、まさに傑作と呼ぶにふさわしい作品であり、最高のマフィア映画と言えるだろう。
スタイリッシュで洗練された演出と、才能あるキャストが完璧な演技を披露しており、これこそ映画制作のあるべき姿を示してる。物語は、ニューヨークのイタリア系マフィア一家の父から息子への権力移譲を中心に展開され、比較的シンプルなストーリーでありながら、人間の本質を深く掘り下げた作品だ。
本作は、人間の暗黒面である嫉妬、裏切り、怒り、復讐が重要なテーマとして描かれている。そして、物語の中には衝撃的な暴力シーンが含まれており、監督のフランシス・フォード・コッポラはそれを遺憾なく描写している。このリアルな暴力描写が映画の緊張感を高め、より一層没入感を与えている。
ヴィトー役のマーロン・ブランドは年老いた家長としての圧倒的な存在感を放っているが、真の主役はアル・パチーノが演じるマイケルであり、その演技力の高さは画面を燃え立たせるような激しさを持っている。トム役のロバート・デュヴァルやソニー役のジェームズ・カーンも見逃せない演技を見せており、この映画は1度観たら忘れられない名作となっている。