レディ・バード

レディ・バードのレビュー・評価・感想

レディ・バード
7

母とケンカしてばかり。

母とぶつかってばかりのレディ・バードにとても共感できました。
高校時代、母と折り合い良くなんて一番難しい気がしますし、母が進路に反対では尚更です。でも、何かあると母に泣いてすがったり、泣いて思いをぶつけたりして、まだまだ母を求めている感じもしました。
彼女のボーイフレンドとの恋も興味深かったです。きっと、ダニーのこともほんとに好きだったんでしょうし、ダニーだって、彼女と本当に幸せになろうとしたところもあったのでしょう。だから友達として彼のおかれた立場に共感し、一緒に泣いたのだと思います。
よく登場人物が泣いている映画だったけど、進路が決まるか分からない、親との関係も微妙、恋愛も知っちゃかめっちゃじゃ泣きたくなりますよね。分かります。
お父さんが結構良い人で良かったです。それに親友とプロムにも行けたし…。
最後の終わり方も良くて、親と全てを分かり合えるわけではないけど、親のことがちょっと理解できるっていうか、どこかで許せるのって大人になったなって感じがしました。地元以外の大学に行ったとか、行きたいと思った人なら共感できる要素がより多かったのではないでしょうか。
これぞ青春映画ってかんじで面白かったです。

レディ・バード
8

自分や周りにこういう子居るよね、と共感できるガールズムービー

自分の事をレディ・バードと呼ぶ高校生クリスティン、彼女の高校生活は完全に自分の高校時代を見ている様だった。
だからこそ、この映画では気づかされる事が沢山あった。
恋愛に友情に進路に…、色々な事を経験して視野が広がっていくレディ・バード。
自分自身が感じる事で成長していく彼女はまた格好良くみえた。(時々彼女の行いで、それは駄目だろうと思う事もあったが…笑)
その時は分からなかった事とか、自分中心で考えてしまう事は誰しもあると思うが、過ぎた時に初めて気づかされる事って多くある。
その時どう考えるかで、また一歩成長出来たり新しい出会いが生まれると映画を見て感じた。

そしてシスターの一言である、「愛情があるから、注意を払ってる。」というセリフ、確かになと感心した。
嫌いと言っているけど、嫌いな所を見つけるという事は注意を払っているという事=愛情があるという事。
まさに好きの対義語は嫌いではない。

最後に、レディ・バードが2人目に付き合うバンドマンを演じるティモシー・シャラメがとても良い。
この映画のティモシー・シャラメは多くの女性が虜になると思うくらい、クールでエモーショナルで魅力的な男性の役柄だった。
ティモシー・シャラメが好きな人は、絶対この映画でまた彼を好きになってしまう。

レディ・バード
9

自分の思春期を思い出す懐かしい映画。

思春期の全てが詰まってる。大人になるということ。

高校生という思春期に抱く、大人への憧れを描いた映画。高校生になり、いろいろなことに興味も出てきて、周りにはたくさんの情報がある。そして、高校生は次の進路を今までと違って自分で調べ、自分で考え、自分で結論を出さなくてはならない。そんな、大人へと近づく過程で抱く、おしゃれや恋愛、友情に関してのさまざまな憧れ。お金持ちな子やかっこいい彼氏がいる子への憧れ。いつまでも子供扱いされるけど、早く大人になりたい。それからくる見栄やプライドで、ちょっぴり背伸びをしてしまう。だから、恋愛も友情もはちゃめちゃで傷つくこともある。でも楽しい。親の言うことに振り回され、親に反抗しては、失敗し、なんでも親のせいにする。時には親に自分は愛されてないんじゃないかって思うこともある。

一方で、親は子の為を思って、厳しく愛を持って叱ってくれる。思春期な間はそれを、うざいと思うこともあるけど、離れてみて、大人に近づいて、初めて親のしつけや助言がありがたいものだとわかる。子どものうちにたくさん失敗して、色んなことを経験して、たくさんのことを学ぶ。

親も思春期の子にはドギマギして、言いたくないことまで言ってしまう。本当は娘、息子とたくさん話したいけど、素直になれない。

大人になってから見ると、自分の思春期の時代を見ているようで懐かしく、また、親に感謝したくなる映画。