プランダラ / Plunderer

プランダラ / Plundererのレビュー・評価・感想

プランダラ / Plunderer
10

キャラクターとストーリーの両立

この作品のいい所は、まずなによりもにキャラクターがかわいい、かっこいい所である。その中で私は、「ジェイル・マードック中尉」と「ハーズ大尉」をおすすめする。
ジェイルは、鉄のような硬さの信念を持っており、そのうちの1つに「悪人はこの手で裁く」というものがある。本来ならジェイルはもっと上官になれるのに、そうならず自ら前線に赴いていく姿にあこがれる。
さらにハーズ大尉は、最初にリヒトーと会った時のキリッとした目線や、部下に対して指示を出すところもかっこいいが、そのあと和解して軍人の英雄であるリヒトーと握手をした時の笑顔がとてもかわいい。ギャップが好きな人はぜひハーズ大尉に注目して読むといいだろう。

その他にも、キャラが濃い人物や、涙を流してしまうような境遇の人物など、様々な個性を持ったキャラクターがいる。登場人物が多くて、覚えるのが大変かもしれないが、その分読んでいて飽きる事がない。その個性を生かして様々な伏線に繋がっているところは、何回読み返しても面白い原因になっていると思う。
伏線で言えば、この物語が始まって1ページ目から伏線を挟み、10巻後ぐらいに回収するなど、鳥肌が立つ表現が細かいところまであるのだ。5回ほどは読み返してほしい作品。ぜひ購入して本棚に置いておいてほしい。

プランダラ / Plunderer
10

毎話鳥肌の立つ作品

ほぼ毎回鳥肌の立つような伏線回収や、とても面白い展開を繰り広げてくる。
ネタバレになるが、私が鳥肌が立ったところで1番記憶に残っているところは、「廃棄戦争」の由来の所だ。国連軍の侵攻が第13特設軍学校に対して始まってからの展開で、そこから由来の説明に持っていく方法がうまくて、作者の「水無月すう」先生に尊敬を覚えるぐらいだ。
ところでこの場面では、現代より300年前にテレポーテーションした世界が描かれている。その時代では生産できる食料の量に対して生きている人間の数が多すぎる。そんな中で、世界中がその世界をだまし、戦争を仕掛けてくる。その戦争の目的は資源の為、もしくは土地の為ではなく、増えすぎた人を減らす、つまり人を「廃棄」する戦争ということ。そこからすべてが始まったと考えると、わくわくが止まりまらない。
あともう1つ、離人がシュメルマンの養子になり、「パパ」と呼んだ時にはシュメルマンも泣いたが、読んでいる私も感動で泣きそうになった。その子供が大好きな事が、これからの展開に対して、とても重要な役割をしていた。読んでいく度にそのことが分かってくるから、そこでも伏線が含まれていたと知ると、もっと読みたくなるようになってしまう。
もう完結しているから一気読みするのがおすすめ。

プランダラ / Plunderer
9

テーマがリアルとリンクする漫画(プランダラ)

舞台は「アルシア」と呼ばれる土地で繰り広げられる物語で、アルシアに住む人々は生まれたときから「何か」をカウントしながら生きていく事を義務づけられた世界である。この世界では自信がカウントしている数字が0になると、地面から無数の不思議な手が出現し、「アビス」という世界に引きずりこまれる「アビス堕ち」という不思議な現象が存在する。
実はアビスと呼ばれる世界は、かつて核戦争による資源が尽きた地球で資源の確保と人口統制のために、見捨てられた世界であった事が発覚。
物語は、不毛な戦争の廃棄とアルシア、アビス双方に生きる人々の本当の意味での平和を勝ち取るために、主人公を含めた7人の撃墜王とその仲間たちが戦う考えさせられるアクション大作です。
現代の少子高齢化や環境問題にも類似される状況をテーマにするところにまずは驚愕ですが、主人公を含めた主要人物の過去のストーリーから皆が深い悲しみを背負って戦っている構図が、続編が気になる構成になっています。
ネタばれの可能性があるので、漫画の内容を深く説明する事ができませんが、「アクション・友情」が好きな方は間違いなく沼にハマる一作です。