るろうに剣心 最終章 The Beginning / Rurouni Kenshin: The Beginning

るろうに剣心 最終章 The Beginning / Rurouni Kenshin: The Beginning

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の“追憶編”と呼ばれる中編エピソードを原作とする実写映画。剣心の人斬り時代の苦悩と絶望と喪失が描かれている。2012年から始まった「実写版るろうに剣心」の最後を飾る作品。
時は幕末。維新志士の剣心は幕府要人を次々と暗殺し、最強の人斬りと称されるも、「自分の行いは本当に正義なのか」と悩み続けていた。そんな折、剣心は雪代巴という少女と出会い、彼女との交流の中で本来の己を取り戻していく。

るろうに剣心 最終章 The Beginning / Rurouni Kenshin: The Beginningのレビュー・評価・感想

るろうに剣心 最終章 The Beginning / Rurouni Kenshin: The Beginning
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シリアスなドラマで最期を飾った実写映画るろ剣最終作

2021年に公開された佐藤健主演の実写版「るろうに剣心」シリーズ最終章2部作の後編。同時期に公開された「最終章TheFinal」で断片的に描かれた「人切り抜刀齋」時代の過去が描かれるあらすじとなっていて、剣心が「不殺の流浪人」になった経緯と、頬の十字傷の謎が明かされました。
流石に抜刀齋時代の過酷な過去が中心となっているだけあり、これまでの痛快なアクション映画要素はなりを潜め、悲惨かつ救いのないハードなストーリーが印象的でした(原作でもそうだったのですが)。得物が逆刃刀出ないことも相まって、戦闘シーンはより殺伐とした光景になり、同時に時代劇感が増したとも言えました。
時代劇もので舞台が幕末という事もあり、桂小太郎や新撰組といった偉人達も登場してるので歴史ものに興味がある方も関心が持てる内容に感じられました。
キャスト面では悲劇的な運命を辿るヒロイン・雪代巴役の有村架純氏の役がこれまでになかったもので、新鮮味があり、巴にマッチしていた印象でした。これまでのるろ剣映画は尺の都合もあり、ややダイジェスト的になってしまった感も否めませんが、本作は派手さは封印し、ドラマ面を充実させてるろ剣の最後を見事に飾ったと言えました。

るろうに剣心 最終章 The Beginning / Rurouni Kenshin: The Beginning
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映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』感想・レビュー

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の感想、レビューを書いていきます。
この映画は週刊少年ジャンプで連載していた和月伸宏原作の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を実写映画化したシリーズの第5作目です。
今作は原作で屈指の名作として知られる追憶編を描いたものであり、幕末に活躍した人斬り抜刀斎こと緋村剣心の過去と剣心の十字傷の謎を知れる作品となっています。

日本で漫画原作を実写化するとチープになりがちですが、このシリーズは原作の特徴をうまく実写に落とし込んだよい塩梅の作品であり、殺陣などのアクションシーンも非常に見ごたえのある作品となっています。
特に映画オリジナルの沖田総司との戦闘シーン、物語終盤の一面雪景色での戦闘シーンは見ごたえがありました。
リアルでかっこいいアクションが好きな人にはぜひおすすめしたいです。

以下は内容です。
剣心は幕府側と新政府側の戦いが激化する時代に、新政府側の桂小五郎のもとでひたすら人斬りを繰り返します。
しかし幕府側も最強の剣客集団である新選組を擁しているためなかなか決着がつきません。
そこで剣心は一時人里離れた場所で巴という一人の女性と身を隠すことになります。
人を斬り続けたことで荒んでしまった心を巴との穏やかな生活が癒してくれます。
しかし剣心を見つけた幕府側の勢力が奇襲を仕掛けてくることになります。

なぜ剣心は不殺を誓い、流浪人になったのか。その理由が明らかになります。

私はもともと原作を読んでいましたが、素晴らしい完成度だったと思います。
剣心と巴の心理描写を丁寧に描き、それでいてアクションも全く手を抜かない見ていてとても満足のできる映画でした。

るろうに剣心 最終章 The Beginning / Rurouni Kenshin: The Beginning
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平和と戦い

最初あのシーンから始まるとは!抜刀斎の狂気が滲み出ているけど、でも芯のところは人を斬らない新時代を思って自分を犠牲にして佐幕派を斬り続けている。ただ、そんな人斬り家業を続けている自分に疑問を抱きはじめてもいた。そこへ復讐心を見せず剣心に近づく巴。彼女の言葉の端々に人斬りを止めさせようとする心が透けてみえる。特に巴さんの「平和のための戦いなんて本当にあるのでしょうか」という言葉が印象的だった。幕末を生きる殆どの人々にとって、あのままの時代・体制で幸せだったのではないだろうか。ただ、残りの一部の人々が糾弾し自分と考えの違う人を斬っていた時代。そういう人に限って「平和」とか「国のため、未来のため」とか、聞き心地の良い言葉を持ち出して自分の考えを正当化し、押しつけようとする。戦いに巻き込まれて死んだ人の遺族には綺麗事の言葉なんてどうでも良い。ただ、「死んだ人が戻ってきてほしい、あの時止めていれば死ななかったのに」という叶わない願いや後悔が募っていくだけだろう。「平和のための戦い」が存在しないことを現代に生きる私たちも意識していかなければならない。深い言葉が多いこの作品、是非一度見てみてほしい。