タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらのレビュー・評価・感想

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
9

スプラッターコメディーってなんだ!?

映画の説明に「気のいいヤツらが殺人鬼?スプラッターおバカコメディー!」とあり、スプラッターでコメディという不思議な組み合わせに惹かれて視聴。

親友同士のタッカーとデイルは、優しくて気のいい2人。2人はあるとき念願の別荘で過ごそうとする。別荘滞在中のある夜、旅行中の大学生のアリソンが湖に落ちてしまうのを助けるも、大学生のグループからは、仲間が1人誘拐されたと勘違いされてしまう。誰も殺人などしていないのに、なぜか大学生たちは一人またひとりと死んでいく事態に。

この映画の面白さは、タッカーとデイルがほんとうにいいヤツなのに、その見た目のいかつさだけで誤解がどんどん深くなっていってしまうところだ。実際、かなりグロテスクな死に方をしたりもするので、そういったものが苦手な方にはお勧めしない。しかし、こんなにも人が死んでゆくのになぜか最後までコミカルな姿勢が貫かれているという不思議な構造になっているので、スプラッター映画でもあるけれどコメディ要素が強くて、重々しくないのだ。「いやいやいやそんなことある!?」とつい言いたくなってしまう、そういう冗談みたいな映画なのだ。「史上最悪にツイてないヤツら」という副題が、最初から最後までしっかりその通りなのである。

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
8

ホラーかと思ったら

見た目で人を判断してはいけないなという話です。
こちらの作品の主人公2人は見かけは格好が汚らしいし不気味で怖い感じです。でも、ほんとうは善人で、お金を貯めてやっと手に入れたボロ小屋でバカンスをしに来ただけの人物です。溺れている人がいたら助けるし、部屋で介抱する、いい人たちです。
なのに、その近くにキャンプに来た若者らは、彼らをサイコキラーなのではないかと疑い、勝手に自滅していくという、なんとも馬鹿げた話でおもしろかったです。人を勝手にサイコキラーと思うなんて、これだからパリピはって感じだけど、たしかにチェーンソーを振り回したサイコキラーって森とかにいそうだし、ホラー映画の弊害といいますか、勘違いするのもわからなくはないかなと思います。
若者のおバカな勘違いに振り回されて、バカンスを台無しにされたタッカーとデイルが気の毒で、若者たちは自業自得という感じです。人がサクサクと死んでいくし、死に様はかなりグロいです。なので、グロいのは苦手な人にはきついと思いますが、グロいのが大丈夫な人には是非見てほしい作品です。
笑っちゃいけないけど、笑ってしまいました。ホラーかと思えば、コメディでした。おすすめです。

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら
7

やけに評判の良いB級ホラー映画

最近の映画は面白いが、めんどくさい。明日は仕事があるのに、善悪がどうのこうの、人の人生がどうのこうの。
「お酒を飲みつつ頭を空っぽにして見られる映画が見たい…」、そんな人には『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』がお勧めだ。
ガタイの良い男二人が別荘を手に入れ休暇に森に行くが、そこで、見た目だけで二人を「殺人鬼」だと誤解したアホな大学生が次々と自滅していく。スレ違いから起こる悲劇、いや喜劇のようなホラーコメディーである。

少なくとも子供向けではない。ホラー映画にありがちな上半身裸の女の子が湖で遊ぶシーンや、粉砕機でアホな大学生の上半身が消えてしまうシーンがある。ただ、あっさりとした死に方なのでそこまでグロさは感じない。
ただ単に人が死んでいく「B級ホラーコメディ」というだけではなく、しっかりと王道を抑えたストーリーで、ホラーなのに見た後はすっきりして眠れる。そんな映画である。

正しさとは何か、愚かさとは何か。そういう事は作品には求めてない。とにかく飽きの来ないストーリーで、楽しめればそれで良い。そんな人の為の作品で、笑いあり涙あり血もありのハートフルストーリーである。
2012年の作品ではあるが、今でこそ見て欲しい作品だ。