琥珀の夢で酔いましょう

琥珀の夢で酔いましょう

『琥珀の夢で酔いましょう』とは、原作・村野 真朱、作画・依田 温、グルメ漫画研究家・杉村 啓の監修によって2018年11月号より『月刊コミックガーデン』にて連載しているグルメ漫画である。ビールが苦手な主人公・剣崎 七菜は居酒屋で知ったクラフトビールに夢中になり、飲み仲間たちと共にビールを楽しみながら、仕事や趣味に奔走するストーリー。作中では多くのビールや醸造所が紹介されている。またビールを楽しむ描写以外に、飲酒へのネガティブな意見にも注目しており、お酒が飲めない人への理解や配慮にも努めている。

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琥珀の夢で酔いましょうのレビュー・評価・感想

琥珀の夢で酔いましょう
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クラフトビール専門漫画

ビール嫌いは少なからずいる!仕事終わり、飲み会に出席する方々は少なからず覚えがあるだろう。

「じゃあ何飲む?」「とりあえず、みんな生ビールで良い?」「良いよ〜」と賛同する声に対して、自分は「え?ビール?苦いしちょっと苦手だなぁ。だけど、ここで自分は違うのなんて言えないしなぁ。」「じゃあ、それで、、」と少なからず、心の声と葛藤した日はあると思います。

大人の飲み物として中心にあるビールが、基本的に大人社会でのコミュニケーションツールとして浸透している事が常識なのでしょうか。しかし、中々それに馴染めない人も存在します。

ビールが嫌いな人はビール=苦い飲みモノなんてイメージが先行する事も。そんな人に飲み会での選択肢のひとつとしてお勧めするのがクラフトビールです。

また、最近はクラフトビールを扱った飲み屋専門店が数多く存在しています。
「ビールなのに甘い?フルーティーな香りがする!」「全然苦くない?これがビール?」
そんな世界観を堪能したい読者にこの漫画をお勧めします。

きっかけはビールが苦くて美味しくないという妻の発言でした。そんな時に「クラフトビールの漫画があった」と妻が見つけ、購入した所からクラフトビールにのめり込むのでした。

この漫画の魅力はビールが苦いという概念を払拭し、人と人が出会うことで目に見えていなかった世界が広がり、キャラクター達が成長する瞬間が多く見られる所です。

登場キャラクター達は生い立ちも仕事も違いますが、常に考えている事があります。それは「もっと自由になりたい。みんなに自由を感じてもらいたい!」ということ。

物語は違う仕事をして、それぞれの葛藤を抱え、ある店で3人が揃う事で始まります。3人はクラフトビールである京都醸造「一意専心」を飲み、「他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中すること」
と、一途に心を注ぐ意味を知ります。

人生において一意専心という言葉を体現するのは本当に難しい事です。人間は飽き性で、つまらないと続かない事が多いです。

しかし、やりたい事が見つかった瞬間はどうでしょうか。人は夢中になり突き進む事を止められなくなる事でしょう。

例えば、子供の頃を思い出して見てください。一日中ゲームや虫取り等、遊び続けられる集中力が合った事を。

あなたもそんな人生を歩んでみませんか。そんなやりたい事を見つけたキャラクター達が本気で取り組み、魅力的なシーンを紹介致します。

3巻はクラフトビールのイベントをする話が描かれています。その場所に集まる人達は性別、年齢も違い、ただ一点共通する事はクラフトビールに興味があるということだけでした。

「ビールの味が無理なんです!」と、ビールの味が苦手な大学生が友達にドタキャンされ、1人でイベントに参加します。そんな時に紹介されたのは、京都醸造の「後ろめたい秘密」というクラフトビール。
さあ、大学生がどんな感想を述べたのでしょうか。そこは、本編を読んで頂きたいです。

名前からしてどんな味がするのか、ワクワクしてきませんか?想像が付かないのもクラフトビールだからこそです。

この第3巻ではクラフトビールの特徴を語ります。自由さ、個性豊かさであり、変わり種という固定概念がない事を強調します。
例えば、ポップと麦芽等の原料を中心としたビールにコリアンダーシードやオレンジピール等、副原料を投入する事によって苦みよりもフルーティーな味わいに変化するなど、材料の組み合わせにより、個性の色は変幻自在となります。

この漫画を読むだけで、この世界には奥が深く、まだ出会った事のない個性豊かなクラフトビールが存在していると思えてきませんか。
是非、漫画を読んでみて、気になるクラフトビールを見つけてみて下さい。そして気になったら試してみたらいかがでしょうか。あなたにあったビールが見つかるかもしれません。

出会ったときに世界観が変わることは保証致します。

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クラフトビールが繋いだ縁による大人の青春劇

広告会社勤務の女の子、写真家の男、居酒屋店主の男という職種がまったく違う三人が、居酒屋を流行らせるにはどうすればいいか考えた結果、でたのは「クラフトビール専門店」。
クラフトビールとは何なのかこの漫画を読むまで私も知りませんでしたが、コンビニでも売っていて見慣れないラベルがクラフトビールの一種なこともあります。実は種類も豊富で醸造所ごとのこだわりが有ることもしっかりとインタビューしているようで好感触。
「ビールらしいビール」に「ビールの味がしないビール」等いろいろなクラフトビールがおいしそうな料理とともに紹介されます。
お店を流行らせるために自分の仕事とも再度向き合いながら悩み・考える人間ドラマもとても良いです。
熱血スポーツ漫画とは違い大人になって初めてわかる「大人の青春」が感じられて、自分も今日はビール飲もうかなという気持ちになります。
ビールがあまり好きではない人にもおススメで、そういうエピソードもありビールがメインの漫画ではありますが楽しくお酒を飲むことが大事なんだと教えてくれる漫画です。
さすがに子供向けではないのであくまでも大人向けではありますが、料理漫画が好きな人には自信をもってオススメできます。

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お酒に興味が無い人でも飲みたくなる

まず登場人物ひとりひとりがしっかり個性を持っていて、作品の中で他人だった彼らが一杯クラフトビールを通して仲良くなっていく様がとても見ていて楽しいです!一巻では自分の仕事についての周りの反応に納得いっていない主人公の剣崎七菜が、京都の路地裏にあるあまり流行っていない居酒屋『白熊』に入り、そこにいた居酒屋店主の野波隆一と、フォトグラファーの芦刈鉄雄に出会うところから物語が始まります。そこで七菜は鉄雄とひょんなことから言い争いになりましたが、隆一は料理とそれに合わせたクラフトビールによって雰囲気を和ませます。そこから隆一は二人に居酒屋『白熊』のアドバイザーになってほしいと提案するのですが…?この作品はクラフトビールにフォーカスを当てた作品なのですが、出てくる料理がとても美味しそうに描かれていて、また出てくるクラフトビールも実在する商品で説明などもしっかりしており、話の終わり毎に、出てきたお酒についてやペアリング、その他ビールに対しての豆知識なども描かれています。お酒が飲めなくてもついつい「これならいけるかも?」と思ってしまうぐらいクラフトビールの魅力が存分に描かれています。お酒が大好きな人、ビールが大好きな人、お酒が飲めない人など、いろいろな人に楽しんでもらえる、とてもオススメの作品となっています。

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