
ベニスに死す(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ベニスに死す』は、1971年に公開されたアメリカ資本のイタリア・フランス合作映画。ルキノ・ヴィスコンティが監督、脚本、総指揮を務めた。ノーベル文学賞を受賞したドイツ人作家のトーマス・マン著の同名小説を映画化したもので、『地獄に堕ちた勇者ども』『ルートヴィヒ』と並ぶ「ドイツ三部作」の第2作。 究極の美を求めた老作曲家の、旅先で出会った美少年へ抱いてしまった想いと苦悩を格調高く、美しく描いたドラマ。
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『ベニスに死す』とは、1971年のイタリアの映画である。原作はトーマス・マンの同名の文学小説。
舞台は1911年のイタリアのベニス。主人公の老作曲家アッシェンバッハは、宿泊先のホテルで偶然見掛けた純粋な美の具現のような絶世の美少年タッジオに一目で心を奪われてしまう。タッジオへの倒錯的な想いを抑えられずに街中をさまよい歩くアッシェンバッハだったが、ベニスの町ではすでにコレラが蔓延しはじめていた。アッシェンバッハが疫病の流行るベニスで、享楽的な美の世界に陶酔していく姿を描いている。
監督はルキノ・ヴィスコンティ。主演はダーク・ボガートとビョルン・アンドレセン。
グスタフ・マーラーの荘厳な音楽を全篇に使い、美少年を演じたスウェーデン出身のビョルン・アンドレセンの圧倒的な美貌も相まって映画全編は徹底して退廃的な雰囲気に満ちている。
第45回キネマ旬報ベスト・テン第1位、第24回カンヌ国際映画祭25周年記念賞受賞。2011年には製作40周年を記念し、ニュープリント版でリバイバル上映された。