ミュージアム

ミュージアムのレビュー・評価・感想

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ミュージアム
5

読む人を選ぶ作品

若手警察官と猟奇殺人犯の攻防を描いた作品。犯人はアートと称して残忍な殺人を繰り返しており、自身をアーティスト、死体を作品と見立てていることが作品名「ミュージアム」の由来となっている。
本作の主人公である若手警察官は猟奇殺人犯による殺人事件が起きる度に手がかりを探し、犯人逮捕に向けて奔走するが、それを嘲笑うかのように次々と事件が起こっていく。やがて主人公の身近な存在までもが犯人の標的にされていき、必死で守ろうとする主人公自身にもピンチが降りかかる。果たして結末は…といった内容となっている。
殺人の描写やシリアスな心理戦などはとても見所があり、サスペンスホラーが好きな方は楽しめる作品だと思う。また、本作は全3巻であり、そのため展開が早く、サクッと読むことができるため、あまり時間がない方にもおすすめである。しかしながら、難点もある。本作の内容だが、映画「Seven」(1995年、デヴィッド・フィンチャー監督)と酷似しているのだ。おそらく「Seven」を観たことのある方が本作を読んだ場合、もやもやした気持ちになるのではないだろうか。そのため、「Seven」を観ていない方、和製「Seven」もしくは別作品と割り切って見ることができる方は楽しむことができる作品だと思う。

ミュージアム
6

新たな驚きはなかったけど。

私はセブンとかデヴィッド・フィンチャーの作品が好きです。この話も漫画を読んでて、セブンっぽいところがあるなと思ってました。映画化になると、その読み通り、まんまセブンでした。○○の刑っていう紙が残されているのが猟奇殺人ぽくて良かったです。その意味は何なんだろうと考えさせられます。
グロ表現もあって、こういうのを料理殺人モノでは待っているんだよって思いました。グロってあまり好きではないけど、それがないと成り立たない話もあると思います、でも、話は漫画で知っていたのでそんな新たな驚きはなかったかなって感じです。
この映画での一番の見せ所っていうか、私がこの話で好きだったのは、奥さんと子どもがどうなったか?ってところなんだけど、そこのネタばらしがちょっと早かったかなって気はします。冷蔵庫を開けるところは良かったです。
キャストも小栗旬はいかにも刑事って感じがするし、良い配役だと思います。ちょっとカッコよすぎるのかなと最初は思いましたがそんなことはありませんでした。年を重ね、お父さん役も似合うようになったんだなと改めて思いました。
そして、妻夫木さんがすごいです。さすがです。あの分からなさはメイクとかじゃなくて演技力だと思います。

ミュージアム
6

漫画の終わりの方が好き

やっぱり漫画では許せることが映像になると、リアリティなさすぎだなと思うことってあると思います。本作はまさにそれであんなデブ1人で運べるかなあとか、犯人が超人すぎるし、長々演説も文字だと気にならないけど、映像だと何話してるの?誰が聞いてんの?と気になってしまいました。あと、デブのニートの描写もなんか不快です。それに終わり方がなんか漫画と違っててあまり納得できませんでした。漫画はよくわからない終わりというか、どっちとも解釈できる終わりだったけど、それを映画でするとわけわからないとなるのか、なんかオチをつけててちよっとなあと思います。お話はセブンみたいな連続殺人が起こってというものです。犯人がカエルの覆面をしているので、カエル男と呼ばれています。殺し方はなかなかえぐいし、それぞれにドッグフードの刑(うろ覚え)とか題名がついてるのもセブンっぽいです。刑事は小栗旬でかっこいいし、ベテラン刑事で松重豊さんも出てくるし、キャスト陣はとても素敵でした。ですのでキャストのファンとか、セブンの雰囲気が好きな人は楽しいと思います。ただ、漫画を読んだことある人は、終わりがあまり気に入らないのではないかなと思いました。

ミュージアム
8

後味が悪く心に残る!?漫画・ミュージアム感想

ミュージアムは巴亮介先生のサスペンスホラー漫画です。
主人公である刑事の沢村久志が、身元不明の惨殺死体が発見された現場に到着したところから始まります。
その死体は生きたまま犬に食べられるという非常に残忍な方法で殺害されていました。
その頃あるアパートで母親と二人で暮らしているニートの男性の元に蛙のマスクをかぶった謎の男が部屋に侵入し、男性を拉致し、少しずつ顔の皮膚をはがし殺害するという事件が起きます。
いずれの事件にも「○○の刑」と書かれたメモが残されおり、沢村は同一人物の犯行だと考え捜査を進めていく、というあらすじです。

感想として、全巻を通してとてもグロいです。
本編の最初に登場する、犬に食べられ殺害された女性の死体は顔の半分が食べられ欠けており、とても血なまぐさく、見るに堪えない衝撃的なシーンでした。
その次に登場するニートの男性も紐で椅子に縛られたまま生きながらにして、蛙男に皮膚をのこぎりでちぎられるという痛々しいシーンがあり、本編を通して読者が目をつむってしまいそうになるほどの痛々しい場面や、あまりにも狂った殺害方法で殺された遺体が続々と登場します。
犯人である蛙男の狂気的な心理を沢村が推理しつつ、事件の真相に近づいていく様子にドキドキハラハラが止まりません。
また最終話では、これはハッピーエンドなのか?バッドエンドなのか?と読者に考えさせるような終わりを迎えます。
あまりにすっきりとしない、ずっと心にモヤモヤが残るような不快感がありますが、それこそがこの物語の良さでもあると思います。

漫画が全部で3巻発売されており、巻数が少ないので、すぐに揃え読むことができます。
また2016年には小栗旬主演で映画化もされているので、そちらもおすすめです。
グロい漫画・考察しがいのあるストーリが好きな方は是非読んでみてください。

ミュージアム
9

惹き込まれる

映画館で1人で観ました。
仕事終わりで疲れていたのですが、ストーリーが進むにつれ、疲れが吹っ飛び、惹きこまれました。
自分が映画館にいることを忘れてしまいました。
もともと残酷なストーリーが好きで、グロテスクな描写には耐性があったのですが、こちらは早く終わってくれ!と思うほどのものでした。
後半はずっとドキドキしながら観ました。
小栗旬の緊迫した演技が、観ていて演技であることを忘れ、人は極限状態になるとこうなるのか、と思いました。
この映画がきっかけで、その後も仕事終わりに映画に行くようになりました。
日常を忘れさせてくれました。
休みの少ない会社に勤務していたのですが、ミュージアムを観た日はまるで休日だったかのような錯覚がありました。
この感覚が忘れられず、同じように仕事終わりに映画を観るのですが、これほど惹きこまれるものにはまだ出会えていません。
この映画を観る前には、ハンバーガーは食べない方が良いと思います。
自分はハンバーガーでなくても気分が悪くなってしまいました(笑)。
映画鑑賞後は食欲が落ちてしまったので、観る前に食事をとっておいて良かったです。
ネガティブに聞こえるかもしれませんが、これほど胸くそ悪くなる映画は自分的に大歓迎です。