The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2

The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2

『The Last of Us Part II』とは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2020年に発売されたゲーム。発売後僅か3日で400万本の売り上げを記録した人気作だ。
エリー・ウィリアムズは、父親代わりだったジョエル・ミラーを女兵士アビゲイル・アビー・アンダーソンに殺害された過去を持つ。復讐鬼と化したエリーは荒廃したアメリカを復讐相手を追って彷徨うが、同時にアビーもジョエルに父親を殺害されていた。本作は2人を中心とした復讐の物語。戦慄するぐらい衝撃的な展開が最大の見所だ。

The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2のレビュー・評価・感想

The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2
10

復讐の虚しさ残酷さをみせる”最悪”な作品。

裏切りと復讐、人によっては酷評をつけるのは当たり前だと思う。
人間誰でも裏切られるのは嫌だし、復讐に意味がないのも理解できるからだ。
このゲームはプレイヤーが”最悪だ”と思う気持ちを引き出す。ただそれほどまでに引き込まれるということ。
敵を倒すゲームで、敵に「かわいそう」なんてそうそう思わないだろう。
自分が操作する主人公に「もうやめてあげて」なんて思わないだろう。
私自身様々なゲームをプレイしてきたが、こんなにも操作する手を止めてしまったことはない。
そしてなにより、プレイし終わってこんなにも達成感がなかったことはない。
”何も残らなかった”そう言うしかない。愛する人を奪われた虚無感、報復する使命感。
考えれば、救いの見えない崩壊した世界で起こりうる、それこそ”当たり前”なのかもしれない。
前作の「The Last of Us」をプレイしたことがある人は自分がこの世界にいたら、同じことをするだろうかと考える人も多いだろう。
そして「同じことをする」と答える人が多いと思う。しかしこの「Part II」で、そう答える人は少数だろう。
誰も救われない、今までやってきたことに意味はない。そう感じる”最悪”な作品だからだ。
ただ、その意味がないと感じることにこそに意味がある”最高”の作品だった。

The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2
8

時間を忘れどハマりしました!

前作のTHE RAST OF USも遊ばせてもらった者です。前作に比べ、圧倒的に操作性が良くなりました!
キャラクター移動時のぎこちない動き方やカメラがキャラクターに引っかかる事が無かった為、その分ストーリーにのめり込む事が出来ました。カメラ関連で嬉しかったのが、オプションにゲームに酔いづらくなる設定がいくつも用意されていた事です。スムーズに動くゲームで酔う方には本当におすすめします!
拾ったアイテムを制作する際や、武器の切り替える画面も見やすいです。何の素材が足りないのか等、目で見てすぐわかる様になっているので、戦闘中に急遽道具作成を行う際に非常に役立ちました。

作品のストーリーですが、人によってはバッドエンドと捉えてもいいくらいの終わり方に、納得しつつも「これで終わってしまうのか…」と言う気持ちもあり、最初から最後まで大きく感情を揺さぶられました。エンディングに関しては、私はリアルでいいかなと思います。ストーリー中盤でアビーを主人公として使わなければならなくなった時は、正直乗り気ではありませんでした。エリー編で敵として見ていた人物を使う事にやや抵抗があったからです。ですが、アビー編を始めるとそこにはいつも通りの生活があり、さらに人柄や今までの生い立ちを知っていくと突然情が湧いてしまいました。この時点で、誰が悪者なのかわからなくなりました。善悪の区別がつかなくなった自分に驚きを感じたと同時に、このゲームはここまで計算して作っていたのかと衝撃を覚えました。グロテスクな部分や、多少のホラー要素、人によってはエンディングで後味の悪さを覚えてしまう為、万人に勧められはしませんが、映画や小説が好きな方には良いかと思います。個人的には大変面白いゲームでした。

The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2
8

復讐と相互理解をテーマにしたゲーム

私はラストオブアスを1と2両方とも10週ほどプレイしました。まず、ラストオブアス2をプレイするにあたって、前作の内容を知っているか否かで感じ方が大きく変わってくるゲームになります。
ラストオブアスの舞台は現代アメリカで、胞子(ウイルス)のパンデミックにより、崩壊した世界で生き残った人々が生活しているといった世界観です。ラストオブアス2のストーリーは復讐をテーマにしており、主人公の親しき人物をある集団に殺害されることで、主人公が復讐をする旅に出るといった内容です。
ゲーム操作としては三人称視点のTPSで、銃や鈍器などを駆使し、感染者や、人間を倒して物語を進めていきます。基本的にはリニア式で、寄り道や後戻りが出来ない一方通行のゲームになります。このゲームの評価できる点は、まずストーリー性です。映画のようなグラフィックとリアルさがあり、オープンワールドゲームでこのストーリーは描けません。
話は戻りますが、これは復讐をテーマに作られており、「復讐」ということをかなり考えさせられる内容です。復讐が良いものなのか悪いものなのか、おそらく大半の人は悪いものだと言うと思います。しかしもし自分の本当に大切な人が拷問され殺害されたとき、復讐せずにはいられない人も出てくるはずです。また、復讐を成功させたとしても、達成感で満たされる人や、虚しさだけが残る人など、結局のところ答えは人それぞれであると私は捉えました。
そして実はこのゲームには復讐のほかに、相互理解という裏テーマがあります。この話の最初、主人公の敵側も復讐をしてきたまでだったのです。この相互理解を頭に入れてプレイしてみるとさらに「復讐」がどんなものなのか悩まされるでしょう。こういった題材の話は今までたくさんあります。だからこそ戦争はなくならないとも言われてきましたが、ここまで復讐と相互理解を色濃く描いたストーリーはなかなか無いと思います。
私は最後の最後まで自分の答えを出すことが出来ませんでしたが、あながちそれこそが答えなのかもしれないと思わせられる作品でした。このゲーム自体としては、ややホラー要素やグロ要素もありアクション性などはすごく楽しめる作品でした。もう無いかとは思っていますが、もし続編の話が出たら、かなり喜びます。

The Last of Us Part II / ラスアス2 / TLoU2
3

悲劇的な結末の胸が痛くなるゲーム

「The Last of Us Part II」はPS3で発売された「The Last of Us」の続編です。世界観はゾンビ映画にありがちな滅亡後の世界で生き抜く人達を描いたホラーゲームになっています。設定こそありきたりですが、極限の環境下で描く人間関係は、ゲームの域を超えて一本の映画を見たような気持ちになれます。ただ、続編では1の主人公のジョエルが序盤で助けた女の子に殺害されます。ジョエルが過去に起こした事件が原因なのですが、1をプレイしていた人からするとあまりにもショッキングで目も当てられません。それだけならまだしも、本作は2人の主人公が登場するのですが、そのうちの一人がジョエルを殺害した女の子です。理由があったとは言え、プレイヤーからすると思い入れのあるキャラクターを殺害した女の子を操作するのはかなり苦痛でした。
また本作は復讐がテーマなのですが、それ故に全体を通して非常に暗い雰囲気が漂っており、プレイしていてもずっと重い気持ちになるのが残念でした。
もう一人の主人公でジョエルの娘的な立ち位置のエリーも登場しますが、復讐に駆られて最後には全てを失い、バッドエンドとも言える結末を迎えます。ゲーム自体は非常に面白いのですが、プレイしていてとても胸が痛くなるゲームです。