復讐の虚しさ残酷さをみせる”最悪”な作品。
裏切りと復讐、人によっては酷評をつけるのは当たり前だと思う。
人間誰でも裏切られるのは嫌だし、復讐に意味がないのも理解できるからだ。
このゲームはプレイヤーが”最悪だ”と思う気持ちを引き出す。ただそれほどまでに引き込まれるということ。
敵を倒すゲームで、敵に「かわいそう」なんてそうそう思わないだろう。
自分が操作する主人公に「もうやめてあげて」なんて思わないだろう。
私自身様々なゲームをプレイしてきたが、こんなにも操作する手を止めてしまったことはない。
そしてなにより、プレイし終わってこんなにも達成感がなかったことはない。
”何も残らなかった”そう言うしかない。愛する人を奪われた虚無感、報復する使命感。
考えれば、救いの見えない崩壊した世界で起こりうる、それこそ”当たり前”なのかもしれない。
前作の「The Last of Us」をプレイしたことがある人は自分がこの世界にいたら、同じことをするだろうかと考える人も多いだろう。
そして「同じことをする」と答える人が多いと思う。しかしこの「Part II」で、そう答える人は少数だろう。
誰も救われない、今までやってきたことに意味はない。そう感じる”最悪”な作品だからだ。
ただ、その意味がないと感じることにこそに意味がある”最高”の作品だった。