復讐と相互理解をテーマにしたゲーム
私はラストオブアスを1と2両方とも10週ほどプレイしました。まず、ラストオブアス2をプレイするにあたって、前作の内容を知っているか否かで感じ方が大きく変わってくるゲームになります。
ラストオブアスの舞台は現代アメリカで、胞子(ウイルス)のパンデミックにより、崩壊した世界で生き残った人々が生活しているといった世界観です。ラストオブアス2のストーリーは復讐をテーマにしており、主人公の親しき人物をある集団に殺害されることで、主人公が復讐をする旅に出るといった内容です。
ゲーム操作としては三人称視点のTPSで、銃や鈍器などを駆使し、感染者や、人間を倒して物語を進めていきます。基本的にはリニア式で、寄り道や後戻りが出来ない一方通行のゲームになります。このゲームの評価できる点は、まずストーリー性です。映画のようなグラフィックとリアルさがあり、オープンワールドゲームでこのストーリーは描けません。
話は戻りますが、これは復讐をテーマに作られており、「復讐」ということをかなり考えさせられる内容です。復讐が良いものなのか悪いものなのか、おそらく大半の人は悪いものだと言うと思います。しかしもし自分の本当に大切な人が拷問され殺害されたとき、復讐せずにはいられない人も出てくるはずです。また、復讐を成功させたとしても、達成感で満たされる人や、虚しさだけが残る人など、結局のところ答えは人それぞれであると私は捉えました。
そして実はこのゲームには復讐のほかに、相互理解という裏テーマがあります。この話の最初、主人公の敵側も復讐をしてきたまでだったのです。この相互理解を頭に入れてプレイしてみるとさらに「復讐」がどんなものなのか悩まされるでしょう。こういった題材の話は今までたくさんあります。だからこそ戦争はなくならないとも言われてきましたが、ここまで復讐と相互理解を色濃く描いたストーリーはなかなか無いと思います。
私は最後の最後まで自分の答えを出すことが出来ませんでしたが、あながちそれこそが答えなのかもしれないと思わせられる作品でした。このゲーム自体としては、ややホラー要素やグロ要素もありアクション性などはすごく楽しめる作品でした。もう無いかとは思っていますが、もし続編の話が出たら、かなり喜びます。