サムライチャンプルー

サムライチャンプルー

『サムライチャンプルー』とはマングローブが原作・制作を行い、渡辺信一郎が監督を務め2004年5月から9月にかけて放送された異色の侍アニメ、及びアニメを原作とした漫画作品である。天涯孤独の少女フウがひまわりの匂いのする侍を探して、ムゲン・ジンの三人で旅を続ける物語である。日本の古き良き和のテイストと現代のヒップホップがミックスされた独特な世界観と、登場する侍たちの痺れるようなアクションシーンがこの作品の大きな魅力である。

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サムライチャンプルーのレビュー・評価・感想

サムライチャンプルー
10

サムライヒップホップ

時代劇とヒップホップの融合。
圧倒的な斬撃の描写と、Nujabesが紡ぐ音楽が奇跡の融合を果たす。
時代劇とヒップホップという決して交わることのない2つがミックスされることで、洗練された「作品」へと昇華される。
ヒップホップといってもコテコテのジャパニーズブラックミュージックではなく、Nujabesが作り出す圧倒的な美しい世界観がアニメを見る人を惹きつける。
オープニングは日本が誇るヒップホップアーティストのShing02、エンディングはジャパニーズレゲエ界のスーパースターMINMI。
両名の個性的な声、Nujabesのサウンドに圧倒的な描写も加わって観る者を魅了する。
時代劇アニメとして、最強の敵との流麗な殺陣の描写は当然のこと、時代劇なのにブレイクダンスや野球対決、薬物中毒に陥ったジャンキーや不死身のゾンビなども出てきており、観るものを飽きさせることはない。
時折何度も出てくる、語り部のような隠密同心も愛すべきキャラクターとして忘れてはならない。
良い意味で現代の人たちが「こういう時代なら行ってみたい!」と思える時代劇作品だと思われる。
一度見たら何度も見たくなる、音楽好きなら必ず見ておくべきアニメの一つです。

サムライチャンプルー
8

チャンプルーという言葉がぴったりでした

アニメ「サムライチャンプルー」は、日本の幕末あたりの時代設定です。しかし、言語や物によっては近代的なものが出てくるので、堅苦しい時代劇アニメではありません。
主要登場人物は、町娘の女の子1人とカブキモノの沖縄人の男の人ともやしっ子風浪人の男の人の計3人ですが、それぞれのキャラに特徴があり面白い作品です。
父親を探す女の子に巻き込まれる形で、男の人2人は旅をすることになります。最初は、天真爛漫な女の子に振りまわされている2人が面白いのですが、現実的な設定が明らかになり自身の弱みが見えてしまい、逃げ惑いながらも3人それぞれの過去と現在と闘うストーリーです。
少年ジャンプに出てくるようなカッコよく成長してたくましくなる華々しい話というより、過去から逃げていた自分自身と向き合わざるをえない状態になり腹を括るしかなかったという表現の仕方が、現実的で嘘がなく人間味が強いように感じ、切なくもなり苦しくもなりました。
時代が違っても人間の悩みはさほど変わらず、生きている間には苦しみも悲しみも付き纏う物であるという事を痛感しました。くよくよ悩んでも、どうしても離れない悩みといつかは向かい合わなくてはいけなくて、望んだ結果にはならないけどまた一歩生きていける、そんなことが表されている作品です。嘘くさいものに飽き飽きした人にはオススメの1作です!

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