チャンプルーという言葉がぴったりでした
アニメ「サムライチャンプルー」は、日本の幕末あたりの時代設定です。しかし、言語や物によっては近代的なものが出てくるので、堅苦しい時代劇アニメではありません。
主要登場人物は、町娘の女の子1人とカブキモノの沖縄人の男の人ともやしっ子風浪人の男の人の計3人ですが、それぞれのキャラに特徴があり面白い作品です。
父親を探す女の子に巻き込まれる形で、男の人2人は旅をすることになります。最初は、天真爛漫な女の子に振りまわされている2人が面白いのですが、現実的な設定が明らかになり自身の弱みが見えてしまい、逃げ惑いながらも3人それぞれの過去と現在と闘うストーリーです。
少年ジャンプに出てくるようなカッコよく成長してたくましくなる華々しい話というより、過去から逃げていた自分自身と向き合わざるをえない状態になり腹を括るしかなかったという表現の仕方が、現実的で嘘がなく人間味が強いように感じ、切なくもなり苦しくもなりました。
時代が違っても人間の悩みはさほど変わらず、生きている間には苦しみも悲しみも付き纏う物であるという事を痛感しました。くよくよ悩んでも、どうしても離れない悩みといつかは向かい合わなくてはいけなくて、望んだ結果にはならないけどまた一歩生きていける、そんなことが表されている作品です。嘘くさいものに飽き飽きした人にはオススメの1作です!