人間椅子

人間椅子

人間椅子(にんげんいす)とは、日本のスリーピースロックバンドである。ブラック・サバスを彷彿とさせる70年代風ブリティッシュ・ハードロックのサウンドに、日本語・津軽弁での歌唱、怪奇をテーマとした世界観の歌詞を乗せた独特の音楽性を特徴とする。
1987年、青森県弘前市出身の和嶋慎治(わじましんじ)と鈴木研一(すずきけんいち)によって結成された。両者は中学校時代から地元のロック鑑賞会を通して親交があり、1981年に入学した青森県立弘前高等学校で音楽仲間としてさらに交流を深めた。高校2年生の時に和嶋が体験した超常現象を機に、作曲の傾向が厭世的・終末思想的なものへと一変し、この時期に人間椅子の世界観が確立されることになる。高校3年生の時には、佐野元春のコピーをメインとしながらも「死ね死ね団」という名のバンドで文化祭に出演し、オリジナル曲を披露した。高校卒業後の浪人生時代に、鈴木が和嶋へブラック・サバスの音源を送ったことで和嶋も同バンドを気に入り、大学合格後にバンドを組む約束を交わした。
1985年、和嶋は駒澤大学仏教学部、鈴木は上智大学外国語学部ロシア語学科へそれぞれ入学し、コピーバンド活動を再開させた。1987年には初代ドラマーの上館徳芳(かみだて のりよし)を迎えて都内のライブハウスを拠点に活動を本格化させ、同名バンドの存在を知ったことを機に「人間椅子」へと改名した。1988年、大学卒業を控えた時期に鈴木が日立建機モスクワ駐在員の内定を辞退し、本格的な音楽活動へ和嶋を誘ったことでプロを目指す道を選択した。1989年には深夜番組「三宅裕司のいかすバンド天国」に出演し、卓越した演奏技術と独特の世界観で審査員たちから絶賛を受けた。
1990年にアルバム『人間失格』でメジャー・デビューを果たした。ブーム終息後はドラマーの入れ替わりやインディーズ活動などの浮き沈みを経験したが、1998年には再びメジャー・レーベルに復帰した。2004年6月に4代目ドラマーとしてナカジマノブが加入し、現在のメンバー構成となる。
2010年代に入ると人気再燃の兆しを見せ、2013年のロックフェス「オズフェスト」への出演を契機にブレイクを迎えた。2015年には筋肉少女帯とのコラボシングル『地獄のアロハ』をリリースしたほか、テレビドラマ『JKは雪女』で初の劇伴を担当した。2019年には21stアルバム『新青年』をリリース。これに先駆けてYouTubeに公開したリード曲「無情のスキャット」のミュージックビデオが海外からも大きな称賛を集め、再生回数を大きく伸ばした。2020年には初の海外ワンマンツアーを成功させ、ドキュメンタリー映画『映画 人間椅子 バンド生活三十年』が公開された。2021年にアルバム『苦楽』、2023年にはアルバム『色即是空』をリリースしている。

人間椅子のレビュー・評価・感想

人間椅子
10

和とハードロックの融合

私がこのバンドを知ったのは三宅裕司の『いかすバンド天国』通称『イカ天』でした。この番組は毎週、素人のバンドを紹介して演奏して勝ち抜きしていく番組です。この番組で私のハートを射止めたのが人間椅子でした。
ネズミ男の衣装で演奏するベースボーカル、かなりテクニシャンなギターリスト、堅実なドラムのスリーピースバンドです。その見た目から色物だと思っていたらあらびっくり、ハードロックに和のテーストの超テクニカルバンドでした。
メンバーはギター和嶋慎治、ベース鈴木研一、ドラムはちょこちょこメンバーチェンジします。

このバンドの良さは演奏の能力の高さと、ありきたりではありますが歌詞です。演奏はレッド・ツェッペリンやディープ・パープルを思わせるようなハードロックな曲調、歌詞は日本の文豪たちの作品をモデルにしたような歌詞が特徴です。
私が好きな曲「人間失格」は太宰治の作品から作った曲です。小説とハードロックなバンドが好きならおすすめです。

結成から25年以上になりますが、2017年に発売された20thアルバム『異次元からの咆哮』がオリコンチャート18位にランクインしたりと、波に乗っている歴史あるバンドです。

人間椅子
10

曲がらない、曲げられない男たちが紡ぎだす入魂の和式メタル

1987年、バブル経済に沸く東京を遠く離れた青森県弘前市出身の和嶋慎二氏(ギター/ボーカル)と鈴木研一氏(ベース/ボーカル)によって生まれたメタル色の強いスリーピースバンド。
一口にメタルと言っても愛好家の中では実に多種多様に棲み分けがされているものの、人間椅子の初期からの大きな特徴となるのが津軽弁の響きが引き出す独特のリズム感や地元津軽を初めとする日本、特に東北地方の習俗や和嶋氏が追求するオカルトや仏教色の入り混じった世界観によって、どの曲を聴こうがすぐに人間椅子だと分かる点であり、「メタル」と言う括りに入れてしまうのが憚られるほど個性的な世界を繰り広げています。

人気オーディション番組で注目を浴び1990年にメジャーデビューを果たすも、1990年代当時の音楽潮流は彼らが追求するHR/HMの音作りとも独特の詩が紡ぎだす世界観ともかけ離れており、その後実力の高さは認められつつも売り上げ面では不遇の時代を長く過ごします。
中核メンバーである和嶋氏と鈴木氏は一貫してバンドのメンバーですが、ドラムのメンバーがその時々で入れ替わりそれぞれが特徴を生かしたプレーをしている事によって、曲調の根は変わらずとも表面的な曲調はドラマーの在籍時代によって特徴が違う曲もあり、聞き比べも楽しいものです。
2000年代末から再評価が進み、日本での新規ファンの獲得のみならず大規模フェスやYOUTUBEにおける「無情のスキャット」での高視聴数などによって海外での認知を爆発的に高めたことにより、2020年現在では高い認知度と評価に売り上げを得ています。
印象的な作品は多々ありますが、「りんごの泪」「死神の饗宴」「宇宙からの色」「黒猫」「幸福のねじ」「なまはげ」などに彼らの作品の特徴と時期による変遷が良く表れていると思います。

人間椅子
8

和製ブラックサバスと呼ばれる遅咲きのバンド

もう30年ほど前に起きたバンドブーム。そのバンドブームの中、とあるTV音楽番組で個性的なバンドが登場した。日本では軽快なポップスやロックが多い中、重い音と独特な詞で歌う人間椅子は日本でははじめて見る類のバンドだった。
海外ではブラックサバスというバンドがヘヴィメタルで凄い人気があり、そのブラックサバスのサウンドが似ていることから「和製ブラックサバス」と呼ばれたりもしている。
歌詞を朗読するようなVoと、ひたすら重厚なギターをかき鳴らし、激しいドラムをたたく人間椅子は、日本にはやや…いや、かなり受け入れがたいジャンルだが、アマチュアの時に出たTV番組がきっかけでデビュー。
その後コアなファンがついていたので30年たっても精力的に活動しているが、あまり知名度はなかった。
日本でなかなか受け入れられない音楽ジャンルをやっているので仕方ないが、彼らが凄いのは売れているジャンルに媚びずにずっと自分達がやりたい音楽をやっているところ。
普通に考えるとオリコンに載ってるようなアーティストの真似をして売れるように変えたりするけど、彼らはまったく変えずに頑張っている。
そして、30年たった今。You Tubeをきっかけに世界から注目されている。北欧などは彼らのような音楽が人気なので海外でのファンが一気に増えた。
本人達はどう思っているかわからないが、自分達のやりたい音楽が世界で認められる瞬間って凄い気持ちだったんだろう。
自分はこのバンドをかなり前から知っていたが、そんなに興味もなくたまに聴くくらいでいたが、この経緯を知って聴きこむくらいになってしまった。活動30年もたってるベテランバンドだが、最近の一押しのアーティストだ。