つぐない(映画) / Atonement

つぐない(映画) / Atonementのレビュー・評価・感想

つぐない(映画) / Atonement
7

子どもの恋心をよく表している。

子どものときの恋心は満たされなかったとき、すぐに憎しみに変わるものだなと思います。ブライオニーは、ロビーのことが好きだったから、彼と姉のあんなシーンを見たり、ロビーの手紙を読んで動揺してしまったのでしょう。また、自分の嘘がどこまで影響力があるものかもわかってなかったんだろうなと思います。だから、すごく切なかったです。
彼女がしたつぐないは、実際にはなんのつぐないにもなってなかったと思いますが、それでもそうせざるを得ない気持ちがよくわかりました。せめて、この中だけでもと思う、彼女の純粋な気持ちが伝わってきて、泣けてしまいました。ロビーもセシーリアもかわいそうです。あのとき、彼女が姉たちを目撃しなければ、こんなことにならなかったのかなと思うと、運命ってなんて過酷なんだろうと思います。
ブライオニーは、それぞれの年代で演じている人が違うのですが、13歳の彼女を演じた人がとてもよかったです。幼さと女としての嫉妬、好奇心を兼ね備えている感じがして、とても不安定な年代だというのがよくあらわれていました。また、私はジェームス・マカヴォイさんが好きなので、セシーリアを見つめるマカヴォイとか、怒鳴りつける彼とかいろいろ見れてよかったです。

つぐない(映画) / Atonement
7

ベストセラーを映画化!つぐない

13歳の多感な少女の勘違いと嫉妬心から生まれた嘘が、男女の恋を無残な形で引き裂いてしまいます。そして、その少女はそのことをずっと後悔し、悔やみ、背負いながら生きていくこととなります。ベストセラーの「贖罪」を映画化したものです。
演出がとにかく芸術的で、光や音楽、映画の構成もみているものを飽きさせません。小説家をめざす妹がついた嘘によって、姉の恋愛は引き裂かれてしまいます。時代は戦争の最中です。相手は無実の罪によって監獄され、戦争に巻き込まれてしまうことで、二人の恋愛は悲しい結末を迎えます。その罪の告白をできずに胸の中でいつまでも罪の意識にな苛まれる妹の苦悩も描かれています。"贖罪、つぐない"まさに題名となっているこのキーワードが重たくのしかかるような気持ちになります。
彼女は自分の幼い恋心が叶わなかったショックや嫉妬心から出た嘘をつくという行動を、いつまでも後悔しなければならなくなります。さまざまな立場、さまざまな視点から織り成されるシーンも見応えがあり、ただしっかりした構成で退屈せずに先の展開を迎えることができます。語り手がその罪を告白する妹本人であることも惹きつけられます。姉の話のように思えますが、あくまでその罪を償う妹のお話になっています。