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ベストセラーを映画化!つぐない
13歳の多感な少女の勘違いと嫉妬心から生まれた嘘が、男女の恋を無残な形で引き裂いてしまいます。そして、その少女はそのことをずっと後悔し、悔やみ、背負いながら生きていくこととなります。ベストセラーの「贖罪」を映画化したものです。
演出がとにかく芸術的で、光や音楽、映画の構成もみているものを飽きさせません。小説家をめざす妹がついた嘘によって、姉の恋愛は引き裂かれてしまいます。時代は戦争の最中です。相手は無実の罪によって監獄され、戦争に巻き込まれてしまうことで、二人の恋愛は悲しい結末を迎えます。その罪の告白をできずに胸の中でいつまでも罪の意識にな苛まれる妹の苦悩も描かれています。"贖罪、つぐない"まさに題名となっているこのキーワードが重たくのしかかるような気持ちになります。
彼女は自分の幼い恋心が叶わなかったショックや嫉妬心から出た嘘をつくという行動を、いつまでも後悔しなければならなくなります。さまざまな立場、さまざまな視点から織り成されるシーンも見応えがあり、ただしっかりした構成で退屈せずに先の展開を迎えることができます。語り手がその罪を告白する妹本人であることも惹きつけられます。姉の話のように思えますが、あくまでその罪を償う妹のお話になっています。