プレイヤーが推理するアドベンチャーゲームの元祖。
このゲームが最初にゲームボーイアドバンスで出たのは、2001年のこと。発売されてからかなりの年月が経過しているが、いまだ色褪せない名作だ。
このゲーム以前にも事件を追うタイプの推理アドベンチャーゲームというものはあった。しかし、そのほとんどはテキストを読み進めていくだけだったり、コマンドを選択して主人公たちの行動させたりするものが殆どであった。もちろんそういったゲームを否定するわけではないが、自らで推理をせずとも物語が進んでいくという特徴があった。
『逆転裁判』では、法廷で持っている手がかりと矛盾する証言を指摘しなければ先へと進めない箇所が多く存在する。どこが矛盾するのかというところをプレイヤー自身が考えなければいけないという点で、このゲームは革新的であった。
また、法廷と聞くと固いイメージになりがちだが、『逆転裁判』に登場するキャラクターたちはコミカルに描かれ、その敷居を下げることに成功している。矛盾を指摘して追い詰められていく証人(事件の犯人を含む)がどんどん焦っていく様子などは痛快。また、1つ矛盾を指摘しても新たな矛盾が現れたり、そもそも事件全体の構造がギリギリまで明かされなかったりと、ストーリーの見せ方も工夫されている。未経験者には、この名作をぜひ体験してもらいたい。