プロメア / PROMARE

プロメア / PROMARE

『プロメア』とは、『キルラキル』などで知られるアニメーションスタジオ・TRIGGERと『モンスターストライク』などバトルエンタメコンテンツを創出するXFLAGがタッグを組んだ、日本のアニメ映画。
30年前の世界大炎上により人類の半数が減り、今日まで炎を操るバーニッシュと人間は対立していた。ガロは「バーニングレスキュー」として消火活動に精を出していた。ある火災をキッカケに指名手配グループ「マッドバーニッシュ」のリオとぶつかりながら仲間たちとともに立場を越えて国の陰謀・地球の危機に立ち向かう。

プロメア / PROMAREのレビュー・評価・感想

プロメア / PROMARE
10

『天元突破グレンラガン』『キルラキル』のタッグによって生み出されたドリームアニメ『プロメア』の魅力

『プロメア』は2019年5月24日に上映開始されたアニメーション映画であり、その後同年8月5日にAmazon Prime Videoにて独占見放題配信がスタートした。
この記事を書いたのは他でもなく、老若男女全員に見て欲しいアニメだからである。映画『プロメア』は完全オリジナル映画である為、事前知識がなくても誰でも楽しむことができる。
この映画がどのようなジャンルに分類されるのかを、ネタバレを含まない範囲で紹介しようと思う。

この映画のテーマはずばり「信念と正義の衝突」だろう。
体から発火するミュータント「バーニッシュ」が突然変異により地球に現れ、世界は荒廃した。それから30年、世界はバーニッシュを鎮火する特殊消防隊「バーニングレスキュー」によって復興し、バーニッシュのテロ集団「マッド・バーニッシュ」との戦いが幕を開けるというのかこの作品のあらすじである。
日本古来から伝わる火消しに憧れたバカ正直者な消防士である「ガロ」は、テロ集団マッド・バーニッシュの親玉である「リオ」と出会う。そして何故バーニッシュが迫害されるのか、何故バーニッシュは燃やさないといけないのかという疑問に何度も衝突し、その中でガロとリオの正義と信念が交錯する作品になっている。
この作品に出てくる人物は皆、自身の正義と信念を持っており、それを互いに譲ることができずにいる。そしてそれらがメインキャラクターを演じる松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人の演技の熱量からも伝わってくる。

『キルラキル』を制作した「TRIGGER」のスタイリッシュなアニメーションの見応えと、声優陣による白熱の演技、それによって作られる魅力的なキャラクター。公開から2年が経とうとするがAmazon Prime Video での視聴者の数は増えるばかりで、リピーターも続出している。Amazon Prime Videoを契約している人も、そうでない人も、一度は見て欲しい作品だ。

プロメア / PROMARE
10

火消し魂に揺さぶられる大炎上アニメ映画

スカッとしたい人にオススメしたい、アニメのハリウッド映画と言って良いほどのアクションと爽快感ある映画です。火を操れるバーニッシュと呼ばれる人々が、発生するようになった地球が舞台となって、新米消防士の主人公が活躍するお話です。
幼少期の頃、火事の中1人だけ助け出された主人公が、消防士になって初めての出動から話が始まります。序盤は、熱血感でお調子者な印象が強く見られますが、しっかりと自分の立場を弁えて行動できる理性も持ち合わせています。
本映画の炎の演出は、かなり特殊なものとなっており、固形物のようになったり、一般的な揺らぐものになったりと多くの形態をとります。色合いもパステル調のものが多く、戦いの内容に反して涼やかな印象が残ります。
反して内容に関しては、中盤から少し重い部分もありますが、後半は怒涛の盛り上がりを魅せます。キャラ同士の掛け合いなども面白く、飽きずに見続けられます。
使われている曲は「inferno」や「覚醒」を筆頭に名曲ばかりで、聴覚からも場面を盛り上げてくれます。
特に印象に残るのは堺雅人さんのセリフの数々です。豊かな声色のバリエーションで、どんなシチュエーションにもマッチしています。これだけでも見る価値はあると思います。特に後半は見せ場の連続となっています。

プロメア / PROMARE
9

メカアクションや登場人物の関係が熱い!

映画『プロメア』の魅力は、大胆に動き緻密に描かれたメカアクションとキャラクター同士の関係だ。
この映画は戦闘シーンのほとんどを、登場人物が操るロボットで占められている。その動きは全体から部品、モチーフまで細かく描かれているのにも関わらず、剛胆な身ぶりをしているように見える。大切なことを守りながらもわざと大げさに表現することで、魂のぶつかり合いともいえるロボット同士の戦いが繰り広げられているだろう。
またキャラクター同士の掛け合いも熱い。特にガロとリオの間柄に注目すべきだ。前者は熱血漢な消防隊の新人で、火を操る人種のグループ「マッドバーニッシュ」を一度捕らえて英雄視された者だ。後者はクールな「マッドバーニッシュ」のリーダーで、同胞を助けるために過激な行為を起こしている。性格も立場も正反対な二人だが、ガロが真実を知ったことで二人の距離はしだいに近づいていく。同胞を自治共和国プロメポリスに奪われたリオが暴走したとき、ガロはたった一人で向かって救おうとした。そして全ての黒幕と戦うときの2人の関係が熱い。水と油でありながらも隔たりなく接しているのである。
以上により映画『プロメア』では、繊細で豪胆なロボット同士の戦いと正反対な2人がしだいに近づいてくる関係に熱くなれる。

プロメア / PROMARE
10

人の本質を見ることの大切さを感じます。

このアニメを見たことで、「悪役」に対する新しい視点を持てました。
最初に登場する悪役は、主人公から見ると完全に悪として登場し対立することになります。プロメアで言うと、主人公が高機動救命消防隊バーニングレスキューのガロ、悪役はマッドバーニッシュのリオです。
ですが、プロメアの悪役として一番に登場したリオは、悪役である理由がちゃんとあり、登場してから間もなくそれについて語られます。

ここまでの話だとW主人公という見方もできそうですが、リオは闇落ちします。

マッドバーニッシュのメンバーは、バーニッシュという、特殊な炎を操る人々の集まりです。
自治共和国プロメポリスの司政官であるクレイは、バーニッシュが特殊な炎を使い時空を転移することができると知り、間もなく世界が滅んでしまうという現状から脱するためにバーニッシュフレアを使って人々を乗せた船を転移させることにしました。つまり、バーニッシュの命を削って自分たちが助かる計画を立てていたんですね。
リオはその事実に激怒し、クレイを殺そうと町を破壊しながら現れます。

客観的に見れば、そんなことをしたら憎み合う結果しか生まれないのでは、と思ってしまいます。
たとえば、家族が他人に利用されて切り捨てられようとしていたら。
たとえば、友だちが理由もなく殺されたら。
バーニッシュであることを考えたらやむを得ないのかもしれません。

現実だとかアニメの世界だとか関係なく、悪人と言われる人達がどのようにしてそういった考えや行動に至ったのかをきちんと考えることの大切さを学びました。