「赤ちゃんと僕」作品紹介
「赤ちゃんと僕」は、1991年から1997年まで「花とゆめ」で連載された羅川真里茂先生作の少女漫画で、小学館漫画賞受賞作品である。
主人公は交通事故で母を亡くした小学5年生の榎木拓也(えのき たくや)。
拓也には弟・実(みのる)2歳と父・春美(はるみ)がいる。
毎日学校が終わると保育園に実を迎えに行き、パパが帰るまで一人で弟の面倒を見たり、一緒にあそんだり、パパを助けながら実のお世話をしている。
そんな榎木家3人とご近所さんや学校の友達、パパの会社の人々との日常を描くほのぼのとしたお話も多いが、
時に日常の深刻ないじめ、家族との確執を含む家庭問題なども取り入れた物語だ。
赤ちゃんと僕は1話から数話完結のオムニバス形式で構成されている。
季節ごとの内容に伴い拓也と実の成長、拓也たちを取り巻く人々に焦点を当てたストーリー等と途中から読んでも問題はない。
そんな中で「どんなに僕が頑張ったってママにかなうわけない… 僕はお兄ちゃんなのに」とつぶやくシーンがある。
実が保育園で他の男の子を殴ってしまい拓也が実を怒るが、 拓也の怒りは落ち着かず夜になってもなかなか許すことができなかった。
すると実が泣き出してしまい、「まんま…」とつぶやいた時に拓也が思い詰めて心に思ってしまったシーンは心揺さぶられるだろう。
そしてなにより実の可愛さも見どころの1つだ。目はくりくり、顔はぷにぷに、体はぼてっとしていて、まさに赤ちゃん!
表情もとても豊かで、笑顔も泣き顔も可愛い。とにかく可愛いのだ!