赤ちゃんと僕 / 赤僕 / Baby & Me

『赤ちゃんと僕』とは、1991年11号から1997年14号まで『花とゆめ』(白泉社)に連載された、羅川真理茂による少女漫画である。コミックスは単行本が全18巻、文庫版が全10巻、愛蔵本が全9巻刊行され、累計発行部数は2021年11月時点で1,770万部を超えた。また『赤ちゃんと僕ー羅川真理茂画集』が1995年2月と1996年12月に発売された。物語は小学生の主人公・榎木拓也(えのきたくや)が母を亡くし、2歳の弟・榎木実(えのきみのる)の世話に奮闘しながら、まわりの人々と交流していく姿を描いている。基本はホームコメディであるが、いじめや家族の確執など重いテーマも扱った作品である。本作は1994年に「第40回小学館漫画賞」の少女部門を受賞した。テレビアニメは1996年7月から1997年3月まで放送され、榎木拓也の声を山口勝平、榎木実の声を坂本千夏が担当した。アニメは当初2クールを予定していたが、好評のため3クールまで制作された。

noriri_1900のレビュー・評価・感想

赤ちゃんと僕 / 赤僕 / Baby & Me
10

家族愛を描いた最高傑作

1990年代にテレビアニメ化されたのでご存知の方も多いであろう羅川真里茂作の人気漫画。ジャンルとしては少女漫画なのだが女性だけでなく男性も、そして子供も大人も是非読んでいただきたい。何故ならこの作品は家族愛を丁寧に描いた最高傑作だからだ。
主人公たち榎木一家には母親がいない。交通事故で急逝してしまったからだ。遺されたのは若い父親と小学生の僕、そして2歳の弟の男3人。メインとなるのはこの2人の兄弟になるのだが、この子供たちが優しい良い子たちで読んでいてとても癒される。また絵柄もとても可愛い。少女漫画だがコミカルな表現が多いのも特徴だ。
タイトルからして育児系を連想される方もいるかもしれないが、本作はそんなことはない。もちろん可愛らしいキッズたちの話がメインなのだが、主人公の友人宅の両親の離婚の話や、隣の家の嫁姑問題の話、他所の家のワンオペ育児の話、父親の会社の同僚女性が兼業主婦である自分に疑問を抱くの話など、大人なテーマなものも実に多い。
なお、自分が気に入っていたキャラクターは主人公の同級生の男の子・藤井くん。なんと彼は今時少ない6人兄弟である。
様々なことを教えられ、考えさせられる、いつまでも読み継がれて欲しい漫画のひとつだ。