一度は見るべき現代社会を風刺したストーリー
ーあらすじー
万引きで生計を立てる柴田治、妻の信代、息子の祥太、信代の妹亜紀、治の母初枝による5人家族のストーリー。
ある冬の夜治と祥太は近所の団地のベランダでひとり震える女の子を見つけ、匿うように家に連れて帰った。数時間後、ゆりと名乗るその女の子を家に返そうともう一度団地へ行くと、若い夫婦のけんかの声を耳にすることとなる。虐待の事実を察した家族はゆりと暮らしていくことを決める。
小学校に通っていない祥太は日中外に出てゆりと二人で行動し、休みの日には家族で出かける。次第に家族の仲は深まっていった。
そんなある日テレビをつけると、ゆりが誘拐されているとの報道が流れていた。誘拐、万引き、家族のしたことは次第に様々な形で発覚することとなる。
本当の家族とは何かを改めて考えさせられる映画。
この映画はとにかくストーリー構成がしっかりとしていて、一瞬足りとも飽きのこない作りになっていました。
役者は一人として違和感の感じないはまり具合です。適役とはまさにこのことと感じました。
そのうえ、一人一人の演技力が秀逸であるため作品に対する引っ掛かりがありません。セットや衣装に対するリアリティも強く、なすべきことを確実にこなした作品といえると思います。
他の方のレビューを見ると賛否両論といった印象がありますが、上映当時日本が抱えていた社会の裏にある問題に対して真摯に取り組んだかなり質の高い作品であると私は感じました。