悪の教典(映画)

悪の教典(映画)

『悪の教典』とは、2012年公開の日本のバイオレンス・ホラー映画である。監督は三池崇史で、貴志祐介の小説が原作。高校教師の蓮実聖司は、明朗快活で同僚や生徒にとても頼りにされていた。しかしその正体は他人への共感能力に欠けたサイコパスで、自身の邪魔になる人間は躊躇なく殺してきた男だった。そしてある出来事でこれまでの罪が暴かれそうになり、蓮実は校内の人間を全員始末することを決める。この作品は蓮実というサイコパスの生き方や、その周りで生きようともがく人間の命がけの戦いから目が離せない物語となっている。

mihotomoのレビュー・評価・感想

悪の教典(映画)
4

原作読了者にはモヤモヤが残る

原作小説を読了後にこの映画を見ました。
原作では、蓮見がどのような思考で殺戮をするに至ったのか、また、生徒たちがどんな行動をとったのかが描かれていましたが、映画ではそれが大幅にカットされていたように思います。そういったドラマ性が無いせいで、蓮見というサイコパスが生徒を殺していくというただのホラー映画のようになってしまっています。原作が好きだったため、少し残念でした。原作を未読の方には、蓮見の動機などが疑問に残る点が多いのではないでしょうか。
ただ、そういったストーリー性が排除されている分、見ていて気持ちがいいほどテンポよく人が殺されていきます。ホラー映画特有の”主人公がなかなか死なない現象”はありませんので、単なるホラー、サイコスリラーを楽しみたい方にはおすすめです。
この映画の良いところはキャスティングです。
蓮見役の伊藤英明さんは原作イメージにもぴったりです。サイコパスを完璧に演じられていました。生徒役には、二階堂ふみさん、染谷将太さん、林遣都さん、伊藤沙莉さん、教師役で山田孝之さん、吹越満さんなど、大変豪華な俳優陣が出演しています。俳優さんの演技は皆さん素晴らしいので、見ごたえがありました。