原作読了者にはモヤモヤが残る
原作小説を読了後にこの映画を見ました。
原作では、蓮見がどのような思考で殺戮をするに至ったのか、また、生徒たちがどんな行動をとったのかが描かれていましたが、映画ではそれが大幅にカットされていたように思います。そういったドラマ性が無いせいで、蓮見というサイコパスが生徒を殺していくというただのホラー映画のようになってしまっています。原作が好きだったため、少し残念でした。原作を未読の方には、蓮見の動機などが疑問に残る点が多いのではないでしょうか。
ただ、そういったストーリー性が排除されている分、見ていて気持ちがいいほどテンポよく人が殺されていきます。ホラー映画特有の”主人公がなかなか死なない現象”はありませんので、単なるホラー、サイコスリラーを楽しみたい方にはおすすめです。
この映画の良いところはキャスティングです。
蓮見役の伊藤英明さんは原作イメージにもぴったりです。サイコパスを完璧に演じられていました。生徒役には、二階堂ふみさん、染谷将太さん、林遣都さん、伊藤沙莉さん、教師役で山田孝之さん、吹越満さんなど、大変豪華な俳優陣が出演しています。俳優さんの演技は皆さん素晴らしいので、見ごたえがありました。