極主夫道 / The Way of the Househusband

極主夫道 / The Way of the Househusband

『極主夫道』(ごくしゅふどう)とは、おおのこうすけによる日本の漫画。実写ドラマ化とアニメ化もされている。「不死身の龍」と呼ばれた元・最凶ヤクザの、主夫業の日常を描いたハートウォーミングコメディ。強面のヤクザが全力で主夫業に邁進するギャップ、および高い画力とシュールな展開が特徴。大筋は主人公の龍がその強面から繰り出す熟練の家事スキルギャップが軸になるが、登場人物たち半数近くがその筋の関係者で彼らも彼らでどこかしらズレており、そのズレの連鎖から笑いの渦を生んでくるパターンも多い。

shirokuro1234のレビュー・評価・感想

極主夫道 / The Way of the Househusband
10

元、ヤクザ。今、専業主夫。

背中に龍の入れ墨を持ち、厳つい顔つきの『不死身の龍』と呼ばれた元最凶のヤクザの龍。…で、あったのだが、今ではキャリアウーマンの美久との結婚を機にヤクザ稼業から足を洗い、専業主夫となった。
料理を始めとする家事全般が得意で、近所のスーパー特売や商店街、町内会、地域のイベント情報にも詳しい、正に主夫(主婦)の鑑だ。しかし、ヤクザの隠語等が抜け切っていない為に周囲からとてつも無い誤解を受ける事もしばしばである。龍は人柄がとても良く、周囲の人達や元舎弟にも慕われている。だが、やはり、周囲とは何処かが違うのだ。
愛妻、美久の誕生日祝いの飾り付けに、『春日大明神』や『天照皇大神』、『八幡大菩薩』等の垂れ幕を用いたり、近所の子供を預かる事になった時の遊びが、『丁半賭博』、『花札』、『麻雀』、『ちんちろりん』等、到底子供が理解はともかく楽しめないであろう、濃い遊びだったりするのだ。買い物で、小麦粉を買う時に、店員に「白い粉の棚ってどこですか?」と訊ねたりとやはり何処か誤解が生まれてしまうのだ。だが、それが彼の良さであり持ち味なのだ。
彼を取り巻く周囲の者達もとても良い。妻の美久はキャリアウーマンではあるものの、何処か子供っぽい。『ポリキュア』というアニメが大好きだったり、龍との買い物ではジュースや菓子、フィギュアやゲームを買おうとし、「アカン」、「ワガママ言う子にはもうゲーム買わへんで」と龍に窘められる。龍や美久は勿論、近所の主婦や飼い猫に至るまで、楽しく愉快な人達を是非一度読んでみて欲しい。