昭和の時代を生きた人から生まれた極上のSF漫画!
浦沢直樹先生の代表的な漫画で、数々の賞を受賞している文化的な作品です。
高度経済成長の中にある日本の時代から始まるストーリーで、大人になった主人公たちが子供の頃に空想で生み出した悪の組織が実在し、人々を襲い、やがて日本の国そのものに大きく影響を及ぼしていってしまうという物語です。高度経済成長という夢と希望に溢れ、科学力が大きく進歩した時代が故にこんなことがもしかしたら起きたかもしれないという説得力のある背景や宗教的な悪の団体の描き方のリアル感が恐ろしく、この漫画の日本はどうなってしまうのかと次々とページをめくってしまう中毒性があります。未来に向けてロマンや創造力に溢れていた昭和の時代を知っている方は特に病みつきになるのではないでしょうか。そして、巨大な悪の組織に立ち向かう、決して人並み外れた能力を持っているわけではない主人公たちが大人という立場に置かれた環境の中で、散り散りになりながらもそれぞれが動いていく姿もかっこいいです。なんと言っても自分たちの空想でしかなかった組織がどうして日本を変えるほどの組織になったのか、生まれたのかを様々な伏線から考察していく楽しみは、他の漫画にはない面白さだと思います!