斬新な法廷バトルゲーム
主人公が憧れの弁護士となり、親友の弁護をするところからストーリーが始まる、のちに長く続くシリーズの第1作です。
法廷バトル中に相手を揺さぶる「待った!」と、相手の矛盾を突く「異議あり!」、証拠を突きつける「くらえ!」はキャラクターごとにボイスが用意されていて最初の相手検事はかなり特徴的なボイスで必聴です。なんとサウンド・SE担当のスタッフが声を当てているとのこと。
キャラクターの名前はダジャレや意味が込められたものなど遊び心に富み、主人公の新人弁護士「成歩堂隆一(なるほどうりゅういち)」は「ナルホドくん」と呼ばれていて、証拠を集めて真実を突き止めるプレイヤーの心情を表しているようにも思えます。
第一話で弁護されるナルホドくんの親友は「矢張政志(やはりまさし)」と言いますが、彼は稀代のトラブルメーカーで『事件の陰にはやっぱりヤハリ』と言われるほど。この二つ名に相応しく、本編でも彼が絡むととんでもないことが起こりがちです。本当に。
犯人たちの名前は特に顕著で、「小中大(こなかまさる)」「松竹梅世(しょうちくうめよ)」「宇在拓也(うざいたくや)」「大沢木ナツミ(おおさわぎなつみ)」など特徴的で、これらは後のシリーズにも強く受け継がれています(『3』では「星威岳哀牙(ほしいだけあいが)」という名前のキャラクターも登場)。
推理ゲームということで現実的な内容かと思えば霊媒師見習いが相棒だったり、オウムが証人として呼ばれるなどコミカルで飽きません。
どの証拠をどのタイミングで突きつけるか、何に異議を唱えるかという推理ゲームとしても純粋に楽しめ、彼らの言葉遊びや愉快なやり取り、ストーリーを楽しめる名作です。