実写版と侮ることなかれ!
漫画からの実写化。しかも原作は3300万部以上を売り上げる大ヒット作。「これは地雷でしかない」「期待できない」と多くの方は思うでしょう。しかし、この映画「キングダム」、原作単行本のあとがきに記載されている通り、原作者の原泰久先生が前向きに、熱意を持って制作に協力されているんです(原先生は幼少時から大の映画好きで、映像関係の勉強もされていたそう)。その甲斐あってか、原作ファンの期待を裏切らない熱量!各キャストの迫力はもちろんのこと、スタッフ全員が熱い想いと原作愛を持って作ったんだろうなと、伝わってきます。
スクリーン上で、信に、政に、王騎に会えます。楊端和がそこにいます。誰が演じているかなんて忘れてしまう、そのくらいの熱さがあります。ストーリーは原作と比較すると、多少の変更はありました。原作と登場する場所が入れ替わっている人物がいたり、新規設定のついたキャラクターがいたりします。ただ映画終盤を盛り上げるための演として理解できる許容範囲で、問題ないレベルでしょう。
そして忘れてはならないのが、中国ロケの壮大さ!漫画や絵だけではなかなか伝わりにくい、中国の広大さ、人の数、戦の再現性、どれも映画ならではの見所だと思います。物語は単行本でいう5巻程度までなので、果たしてどこまで続くのか…それだけが唯一不安ですが、続編も観たくなる作品です。