極主夫道 / The Way of the Househusband

極主夫道 / The Way of the Househusband

『極主夫道』(ごくしゅふどう)とは、おおのこうすけによる日本の漫画。実写ドラマ化とアニメ化もされている。「不死身の龍」と呼ばれた元・最凶ヤクザの、主夫業の日常を描いたハートウォーミングコメディ。強面のヤクザが全力で主夫業に邁進するギャップ、および高い画力とシュールな展開が特徴。大筋は主人公の龍がその強面から繰り出す熟練の家事スキルギャップが軸になるが、登場人物たち半数近くがその筋の関係者で彼らも彼らでどこかしらズレており、そのズレの連鎖から笑いの渦を生んでくるパターンも多い。

may-do9のレビュー・評価・感想

レビューを書く
極主夫道 / The Way of the Househusband
10

タッちゃんがあまりにできる人だから、周りのみんながポンコツに見える……(笑)

見た目はTHE・ヤクザなのに、キャラ弁が作れて手先も器用、特売を求めて自転車で町内を駆け回るタッちゃんこと龍を中心に繰り広げられるコメディです。

筋金入りのヤクザだったこともあり、地域の皆さんに限らず裏社会にも顔が広い彼。しかしながら足を洗ったこともあり、仮に突っかかれても暴力は使わず、「それで相手するんだ…」と思うようなことで彼らと対峙しています。

たとえば、ヤクザ時代にライバルだった虎二郎との様々なバトル。彼自身が「超武闘派ヤクザだったのにお菓子作りがすごく上手」という設定が故に、出会っていちゃもんをつけられたらなぜか作ったお菓子の販売で勝負をすることが結構あります。

虎二郎登場回もだいぶおかしいですが、もっとおかしいのは龍が所属していた辰崎組の女将さんが出てくる回。組が存続しているのかは作中ではわからないのですが、龍の前では女将さんも主婦そのもの。一緒にお茶をし、時には飼い猫を探し…。龍もヤクザ、女将さんもいつも黒留袖で見た目がいかついのに、やることは基本的にかわいい!

ヤクザ漫画で出てくる言葉を使って、しょうもないことばかりしているギャップが笑いを誘います。

龍の妻の美久・かつての舎弟のマサはもはやレギュラーメンバーなのですが、どちらも家のことが壊滅的にできません。妻と未だに可愛がっている元舎弟、この2人の家事の無能さを龍がフォローするのはわかります。ただ、時にはここまで紹介してきたヤクザ衆のフォローを龍がする場面も結構多いのです。

タッちゃんがあまりに真面目でできる人だからこそ、本当はできる人のはずなのにヤクザ衆すら抜けているように錯覚してしまいます。組を抜けて平穏な日々を送っているはずなのに、タッちゃんは大変です…。