ブリット(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブリット』は1968年公開のアメリカ映画。主演は『傷だらけの栄光』など数多くの映画で知られるムービースター、スティーブ・マックイーン。監督はピーター・イェーツが務める。1968年の『アカデミー賞』では編集賞を受賞し、2007年には「文化的・歴史的・芸術的にきわめて高い価値を持つ」とされ、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。カーチェイスなどの派手な演出でも話題を呼び、70年代のポリスアクションブームの先駆けとなった、スティーブ・マックイーンの代表作のひとつとなっている。
ブリットの愛車。劇中では、ブリットが緑の1968年式「マスタング・ファストバック」を運転している。劇中最大の見せどころでもあるカーチェイスで登場。
1959年に発売されたフォード車初の小型車で、2019年から2020年の2年間限定で、この車をモチーフにしたフォード50周年限定モデル「フォード マスタング ブリット」も販売されている。
『ブリット』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
ブリット「あんたは道の向こう側で仕事をすればいい。俺は自分の仕事をする」
ロスが撃たれたことを聞いたチャルマース上院議員が病院に駆けつけ、ブリットと会話した時のセリフ。チャルマースが言葉を並べ立てて自身を責め立てるのをじっと聞いていたブリットだったが、途中でそれを遮って発したのが「あんたは道の向こう側で仕事をすればいい。俺は自分の仕事をする」だ。ブリットの仕事に対する矜持が伺える。
ブリット「いいか、チャルマース。お互い理解し合おうじゃないか。おれは、あんたが嫌いだ」
銃撃されたのは替え玉のレニックでロスが生きていると知り、さらにブリットが生きているロスを見つけたと知った途端に、手のひらを返すようにブリットの功績を称え始めたチャルマース。
そんな彼にブリットが放ったセリフがこの「いいか、チャルマース。お互い理解し合おうじゃないか。おれは、あんたが嫌いだ」である。
腐敗した権力の象徴であるチャルマースと、どんなに圧力を掛けられても決して自身の正義を曲げなかったブリット。
口数は少ないものの、ブリットはチャルマースとは決して理解し合えることはないだろうと理解している。
ブリットと殺し屋のカーチェイス

本作のカーチェイスの場面。ブリットの愛車であるマスタングが、坂が多いサンフランシスコを激走している。
本作は映画劇中でのカーチェイス人気の原点だともいわれている。
車の横転や爆発などはそれ以前の映画にもあったが、現実の道路で車を本当に高速で走らせてそれを車内に持ち込んだカメラで撮影するという、現在では普通に行われているこの撮影手法を初めて実行した映画が本作だ。
この撮影手法を取り入れることで初めて、劇場の座席に座りながらも、スクリーンを走る車の中に乗っているような臨場感が観客にもたらされたのだという。
『ブリット』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
テレビドラマ『太陽にほえろ!』の製作で参考にされた本作
テレビドラマ『太陽にほえろ!』のプロデューサーだった岡田晋吉は、日本テレビのプロデューサー当時、製作に際して本作を参考にしたと述べている。
岡田は当時流行していたアメリカの刑事映画である『ブリット』、『ダーティハリー』などの要素を取り入れ、刑事のキャラを全面に押し出すことを主軸にしたドラマを作ることを思いついたという。犯罪者側の描写を控えて刑事の視点ありきの作品を描くことで、より視聴者の共感を得られると考えたようだ。
ブリットのモデルは連続殺人を担当した実在の刑事

ブリットとモデルを同じくした『ダーティーハリー』のハリー・キャラハン刑事(演:クリント・イーストウッド)
ブリットを演じたスティーブ・マックイーンは、実在の連続殺人事件「ゾディアック事件」を担当したデビッド・トスキ刑事を役作りの参考にしたと語っている。
本作で有名になったブリットのショルダー・ホルスターは、トスキ刑事が実際に使用していたことから採用されたものである。
このトスキ刑事は、ゾディアック事件を基にした映画『ダーティハリー』で、ハリー・キャラハン刑事のモデルにもなっている。
目次 - Contents
- 『ブリット』の概要
- 『ブリット』のあらすじ・ストーリー
- 事件のはじまり
- 不審な証人
- 捜査のゆくえ
- 空港での激闘
- 『ブリット』の登場人物・キャラクター
- フランク・ブリット(演:スティーブ・マックイーン)
- ウォルター・チャルマース(演:ロバート・ヴォーン)
- レニック(演:フェリス・オルランディ)
- ジョー・ロス(演:パット・リネラ)
- 『ブリット』の用語
- 1968年型フォード・マスタングGT390
- 『ブリット』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ブリット「あんたは道の向こう側で仕事をすればいい。俺は自分の仕事をする」
- ブリット「いいか、チャルマース。お互い理解し合おうじゃないか。おれは、あんたが嫌いだ」
- ブリットと殺し屋のカーチェイス
- 『ブリット』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- テレビドラマ『太陽にほえろ!』の製作で参考にされた本作
- ブリットのモデルは連続殺人を担当した実在の刑事