輪るピングドラム(ピンドラ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「少女革命ウテナ」などの幾原邦彦の12年ぶりの監督復活作で、2011年7月~12月まで全24話が放送されたブレインズ・ベース制作の作品。
冠葉と晶馬の妹である陽毬は病気のせいで余命わずかになってしまい、思い出の水族館へ行くが陽毬は倒れてしまい、病院に搬送されるも息絶えてしまう。
陽毬は水族館で買ったペンギン帽子に宿る謎の人格により延命されたが、その代わり「ピングドラム」を探すことを強制される。

『輪るピングドラム』のあらすじ・ストーリー

幼いころに両親を無くした双子の高倉冠葉(たかくら かんば)と高倉晶馬(たかくら しょうま)と妹の高倉陽毬(たかくら ひまり)は3人で暮らしていた。しかし、陽毬は重い病気を煩っていて余命わずかとなっていた。
陽毬の頼みで昔の思い出の場所である水族館にあそびに行くと、陽毬はそこで倒れてしまい、病院に搬送されるがそこで息絶えてしまう。
陽毬の死に悲しむ2人だったが、2人の前で水族館で買ったペンギンの帽子を被った陽毬が「生存戦略!!」の掛け声とともに蘇生する。
ペンギン帽子に宿る謎の人物プリンセス・オブ・ザ・クリスタルに陽毬の命を延命してもらったが、変わりにピングドラムと呼ばれる何かを探すことを強制される。
高倉兄弟はプリンセス・オブ・ザ・クリスタルに荻野目苹果(おぎのめりんご)を調査するよう命じられる。
苹果の調査を進めると、苹果は自分が生まれてくる日に死んだ姉の荻野目桃果(おぎのめももか)が遺した運命日記という日記を持っていた。それは未来の出来事が書かれており、隠された呪文を唱えることで運命を変えることができる日記であった。
高倉兄弟は苹果がその運命日記に従い、高倉兄弟の通う学校の教師・多蕗桂樹(たぶきけいじゅ)と結ばれるため、彼をストーキングをしていることを知る。
苹果に協力する代わりに、ピングドラムと思われる日記をもらうことになったが、桂樹と女優の時籠ゆり(ときかごゆり)が結婚してしまう。そして何者かに日記の半分を盗まれてしまい行き詰まってしまう。さらにもうひとり日記を狙う少女・夏芽真砂子(なつめまさこ)が現れ、彼女に人質にとられた晶馬と引き換えに、残った日記の半分を渡してしまうことになる。
その後桃花が死んだ原因の事件は高倉兄弟の両親の所属していたテロ組織の企てた事件であることをプリンセス・オブ・ザ・クリスタルに告げられ、再び陽毬は息絶えてしまう。そんな中、謎の医師・渡瀬眞悧(わたせさねとし)が現れ、冠葉に自分が裏で操っているテロ組織の手伝いを要求し、薬で陽毬を蘇生させる。
実は、以前苹果から日記の半分を盗んでいたのは時籠ゆりであった。日記の片割れを手にした真砂子だが、もう片方の日記を奪っていたゆりと交戦し、ゆりに日記の片割れを奪われてしまう。
ゆりと桃花は幼馴染で、昔自分を救ってくれた桃花を復活させるために日記を狙っていた。
そして高倉兄弟は、薬の継続による有効性の低下を眞悧から宣告される。冠葉は陽毬を救おうとし、眞悧の企みにより、両親の加入していたテロ組織にさらに深入りし、両親の活動を引き継ぐ計画へと動きだす。そんな冠葉と晶馬は決裂し、陽毬も冠葉を止めようと家を出てしまい高倉兄妹はバラバラになる。
眞悧は桃花が死亡した事件の主犯であり、今も呪いとして現実に現れ、改めて世界の破壊を目論む、そんな眞悧の真の目的は過去の事件の運命を変えることの出来る日記と、その妹の苹果。そして世界をテロ行為で破壊することだった。
その後ゆりから運命日記を返してもらった苹果は、眞悧の計画阻止と、陽毬を救うため「運命の果実を一緒に食べよう」という運命を変えるための言葉を放つが、運命を変える代償として高倉兄弟は消滅してしまう。
運命の変わった世界では高倉兄弟は元から存在がなくなってしまっていて、陽毬は苹果と2人で生活していくのであった。

『輪るピングドラム』の用語

ピングドラム

プリンセス・オブ・ザ・クリスタルが陽毬の命を延命させる代わりに高倉兄弟に探すよう命じた代物。明確にそれが何なのか説明されないまま探すことになる。

ペンギン帽子

陽毬達が水族館に行った際購入した物で、これをがぶっている際別人格の「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」が現れる。
桃果が眞悧の「呪い」に閉じ込められた時に、身体を2つに分けられたもので、陽毬と真砂子の弟が持っている。

運命日記

桃花の所持していた日記帳。
未来の出来事が書かれており、苹果はこの日記帳に書いてあることに忠実に生きようとする。
この日記に書いてある呪文を唱えることで運命を変える事ができる。
高倉兄弟は陽毬のため、ゆりと桂樹は桃花のため、真砂子は自分の弟のために運命を変えようとこの日記帳を狙う。

企鵝の会(きがのかい)

高倉兄弟の両親が所属していた犯罪組織。
眞悧の意志で世界の破壊を目的に活動しているて、冠場も陽毬を延命させるために眞悧に言われこの組織の一員となっていく。

高倉家と真砂子のペンギン

ペンギンのぬいぐるみのような姿をした存在で、冷凍配達され高倉家に送られてきた。
その存在は高倉家と真砂子にしか視認できない。
1号は冠葉、2号は晶馬、3号は陽毬、エスメラルダは真砂子の傍についている。

こどもブロイラー

世界から捨てられてしまった子供が集められる場所。
ここに集められた子供はベルトコンベアで運ばれ巨大シュレッダーで粉々に粉砕されて透明な存在となり、世界から消えてしまうといわれている。
昔陽毬と多蕗も子の場所にいたが、陽毬は晶馬に、多蕗は桃花に選ばれてこどもブロイラーから救い出される。

主な登場人物・キャラクター

高倉 冠葉(たかくら かんば)

家族に対してとても献身的で、陽毬を救うためなら自己犠牲も厭わない。
裏では両親の加入していたテロ組織と関わっており、陽毬の治療に必要な大金をその金で賄っている。
実は真砂子と本当の双子の兄妹で、冠葉・陽毬と血のつながりはない。
陽毬を救うために渡瀬眞悧に利用され、テロ活動の主犯となる。
苹果が運命を変えることに成功して陽毬も救われることがわかったため、テロ行為を中止し、運命を変更する代償として晶馬とともに消滅する。

高倉 晶馬(たかくら しょうま)

家では家事を主に担当していて、穏やかで温厚はな性格だが、家族や特に陽毬に関わることでは感情的になる一面もある。兄の冠葉のことを信頼しているが、女性関係にたいしては呆れていて、女たらしの兄とは違い初心で女性関係は苦手気味。
苹果の持つ運命日記を手に入れるために苹果に協力し、無理難題を押し付けられる。
陽毬のために手段を厭わない冠葉と決裂してしまうが、最後には陽毬と苹果を救うべく、運命を変える代償として冠葉とともに消滅してしまう。

高倉 陽毬(たかくら ひまり)

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