トラウマ必至な名作映画まとめ!『時計仕掛けのオレンジ』など

ここではトラウマ必至だけど何度も観たくなる危険な魅力を備えた名作映画をまとめた。スタンリー・キューブリックが作り出すディストピアと胸くそ悪い主人公に魅了される『時計仕掛けのオレンジ』、精神異常者の妄想を描いた原作を見事に映像化した狂気の映画『ブリキの太鼓』などを紹介している。

映画を娯楽と定義する人たちにとって自分の映画は無意味であると語り、観客を挑発し、心理的に追いつめ、問題定義を投げかけているのだと自負するハネケにとって、エルフリーデの「ピアニスト」は魅力的な題材であったに違いない。

出典: www.watch.impress.co.jp

身体を張ってその演技力を見せつけたイザベル・ユペールの迫力!ハネケ監督作品に期待する衝撃を、こうして裏切られることなく、またしてもあらたな衝撃で打ちのめされて、何故か安堵するのである。

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彼女は自分の肉体を嫌悪しひそかに傷つけるが、母親がそれを生理と誤解するエピソードはもう皮肉を通り過ぎている。

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▼殺人に関する短いフィルム

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”淡々と、ひたすら殺人と贖罪を描き出す。テーマは「汝、殺すなかれ」。”

『ふたりのベロニカ』や『トリコロール』3部作などで知られるポーランドの映画監督クシシュトフ・キエシロフスキーによる1987年の作品。衝動的に殺人を犯して刑務所に収監された青年の運命と、それを見つめる弁護士の青年の日々を淡々と描いた衝撃作。ドキュメンタリー・タッチの陰影に富んだ独特な暗い映像が不穏な空気を生む。

「モーセの十戒」をテーマにした内容で、引用された戒律は「汝、殺すなかれ」。人による殺人と法による殺人両方にアンチなテーマに沿った素晴らしい内容ではありますが、やはりこの冷淡な語り口はあまりにも重いです。

『殺人に関する短いフィルム』予告編

死刑の問題だけではなく、人間関係や無関心といった問題点も同時に描いている。クールに見つめていくカメラは、私たちが社会を眺める時の眼差しそのものでもあるのでしょう。

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殺人をここまで執拗に、リアルに描き出した映画は他にない。漂白された概念ではない、剥き出しの暴力と殺人が、見る者を圧倒する。

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理由に関係なく「殺人は誤りだ」とするキェシロフスキの考えは時代に即していたらしく、翌年の89年、死刑制度は5年間だけ停止された。

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▼レクイエム・フォー・ア・ドリーム

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”憂鬱になる映画はダテじゃない。しかし、中毒性のある映像はクセになる!”

『π(パイ)』で注目され、『ブラック・スワン』で大ブレイクしたダーレン・アロノフスキー監督による2000年公開作品。エレン・バースティン、ジャレッド・レト、ジェニファー・コネリーなどが出演。一攫千金を夢見て麻薬の売人を始めるが、自分たちがヘロイン中毒となってしまう若いカップル、ダイエット薬の中毒になってしまう母親。それぞれが強い依存症により精神を蝕まれ、破滅へと向かう様を強烈な映像で描く。

「憂鬱になる映画」の筆頭に挙げられる作品で、確かにそうですが、現実と非現実が交錯するスタイリッシュな映像感覚が素晴らしく、やはりまた観てしまうのだ!

『レクイエム・フォー・ドリーム』予告編

下には下が、不幸を極めた者たちがいるということで、観客が自分が幸せだと思えるような効果もあるかも。それともやはり見たらどん底の気分を味わうか。見る人次第だろうなあ。

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いろいろな夢を抱いた登場人物たちは全員、自分が抱いていた夢とはまったく違う悲惨な現実を突きつけられるんですな。これを観て薬物に手を出す人はいないんじゃないかなぁ。

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ドラッグをした側の意識の中にまで入り込んだかのようなこの作品の後味はやはり劇的に悪い。人間のもろさをまざまざと見せ付けられたようでとても悲しく、しばらくは辛い余韻を残す映画だ。

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▼ライフ・イズ・ビューティフル

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”家族愛を描いた心暖まるストーリー、だからこそ悲し過ぎる作品でもある!”

ロベルト・ベニーニ監督、主演による1988年の作品。イタリアの小さな町で暮らすユダヤ系イタリア人の夫と妻、そして幼い息子。家族の幸せな日々は、ムッソリーニのファシズム政権によるユダヤ人迫害により崩れ、強制収容所へ送られる。怯える妻と息子のために、夫は厳しい収容所生活の中でも、涙ぐましい努力で妻を笑わせ、息子には嘘をつき続けて収容所生活を楽しく希望のあるものに変えていく。しかし、戦争終結を間近に控えたある日に...。

絶望的な状況でも常に笑いと希望を忘れなかった男と家族の愛と感動の物語。しかし、あまりにも重くて悲しいお話。心的外傷を受け、涙腺も決壊してしまう...。しかも何度観ても!

『ライフ・イズ・ビューティフル』予告編

ジョズエは成長して、自分が本当はどんな状況に置かれていたかを知ったはずである。その状況のなかで父親が自分にどれほどの夢と希望を与えてくれたかも。だからこそ「ライフ・イズ・ビューティフル」と言い切ることができたのである。

出典: homepage3.nifty.com

理不尽だったり悲しかったりで見ていて気分が沈みそうになるけど、グイドの演技で見ているこちらも救われました。戦争映画でもあるし、家族愛の映画でもあります。

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子供に恐怖を与えないよう色々楽しく振る舞い面白い場面の裏側には悲しい現実があるってのが凄い複雑で心に残った映画でした

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