【神隠し】日本で実際にあった「謎の失踪事件」を徹底紹介!【天狗の仕業】
「神隠し」とは、“人間がある日忽然と消え失せる”ことを表す言葉。神域である山や森で、人が行方不明になったり、街や里からなんの前触れも無く失踪することを、「神の仕業」として捉えたものである。古くから用いられていたが、現代でも唐突な失踪のことをこの名称で呼ぶことがある。似たような言葉で、「天狗に連れ去られた」という表現もある。
ここでは、日本で実際に起きた“神隠し”こと謎の失踪事件を紹介する。
広島一家失踪事件
広島県世羅町。岡山県との県境に近い山間の町で不可解な事件が起こった。
同町に住むYさん一家がペットの犬とともに忽然と姿を消したのだ。
Yさん宅は建設会社勤務のMさん(58)と妻J子さん(51)、
Yさんの母(79)の3人暮らし。他に愛犬の「レオ」が一緒に暮らしていた。
美人と評判で町のキャンペンガールもつとめたことのある小学校教諭の長女Cさん(26)は、
竹原市内にアパートを借りて独り暮らしをしていた。
事件が発覚したのは、2001年(平成11年)6月4日。
この日は妻が勤める会社の中国への社員旅行の出発日だったのだが、
集合時間になっても現れないJ子さんを心配して迎えにいった同僚が、
誰もいないYさん宅の異変に気づいた。
Yさん一家は忽然と姿を消してしまっていたのだ。
親族から捜索願いをうけ、広島県警甲山署は機動隊やヘリコプターを動員して
付近を捜索するも、一家の姿を見つけることはできなかった…
奇妙なのはYさん宅の様子。
玄関の鍵は締まっており、侵入や争った形跡、血液反応もない。ただし勝手口の鍵は開いていた。
J子さんの旅行代金や定期預金通帳も手つかずで残っていたことから、強盗などは考えにくい。
Yさんの車がなくなっていたことから、その車で出かけたと思われるが、
J子さんやCさんの携帯電話や免許証は残されおり、
玄関からは4人分のサンダルが無くなっていたが靴はそのまま。
J子さんが行くはずの旅行に持っていくであろう鞄が準備されていた。
またパジャマが見当たらず普段着が畳んであったことから、
サンダル履きのパジャマ姿でほとんど何も持たず家を出たことになる。
蒸発するにしてはあまりにも不自然な格好である。
それに電気がつけっぱなしで、翌朝の朝食が
虫除けネットをかけた状態で準備してあったことを考えると、
失踪は想定外の突発的な出来事であったと想像できる。
だが、状況や証言などからは拉致を疑わせるものは出てこない。
先に触れたように争った形跡がないことや、
近所の人が争う物音を聞いていないこともあるが、
ペットの犬も一緒に姿を消してしまっていることが拉致の線を薄くさせている。
犯人が鳴き声など厄介が多い犬をわざわざ連れ出すことは考えにくいからだ。
自らの意思で失踪したのだとしても、その動機が見当たらない。
Yさん一家の周りには特にトラブルもなく、
恨みをかうような人ではないと多くの者が証言している。
金銭的に困っていたという事実も出てこない。
妻のJ子さんは旅行を楽しみにしていたし、
長女Cさんは職場のアイドル的存在でトラブルの噂もない。
そして将来を約束した男性がいて幸せの最中であり失踪する理由は一見無いのだ。
まさに「神隠し」としか言えない謎の失踪事件なのである。
Yさん一家はいったいいつ頃失踪したのか?
一家で一番最後まで消息がわかっているのは長女のCさん。
前日PTAの球技大会とその後竹原市内での親睦会に出席し、
午後9時半頃には同僚の教師を自らの車で送り届けている。
その時Cさんは、母のJ子さんと電話をしていたのを同僚が聞いていた。
その内容はCさんが化粧品を忘れたので実家に取りに行くというもの。
その後同僚は自宅前でCさんと別れている。これが最後の目撃証言となる。
近所の人は午後10時50分頃に「バタン」という車のドアが閉まる音を
聞いているが、それがCさんが降りた音なのか、Yさんの車に乗る音なのかは不明。
シーツに乱れた後がなく、翌朝午前4時に新聞配達員が訪れた時には
すでに人の気配がなくYさんの車もなかったことから、
3日深夜から4日未明にかけての眠りにつく前に失踪したことになる。
果たして深夜のYさん宅で何が起こったのであろうか…?
地元世羅町では、近くの大将神山で起きた神隠しになぞらえこの事件を語る者もいる。
江戸時代、お夏という女中が突然姿を消し、いくら捜しても見つからなかったという伝説があるのだ。
山には「お夏の墓」があり、そしてその大将神山は、Y家が以前まで所有していた山というのである。
…その後
…失踪から1年程が経過した、2002年9月7日。
世羅町にある京丸ダムの湖底で、通行人が車が裏返しで湖底に落ちているのを発見、
車のナンバーからYさん所有の車と判明し、車内から4人と愛犬の遺体が見つかった。
雨不足によって水位が減少したことが車の発見に繋がったのである。
甲山署は・遺体に目立った外傷がないこと・車のキーがささったまま
・転落したと思われる場所の入り口には車止めがあり誤って進入する場所ではないことや、
関係者への事情聴取から納得いく動機が判明したこと等から、無理心中と判断した。
その動機は公にはされていないが、地元ではまことしやかに語られているという。。
ただし、無理心中としてもダムに飛び込むまでなぜ家族は抵抗しなかったのか?
車の窓が開いていたのに逃げられなかったのか?といった疑問が浮かんでしまう。。
松岡伸矢くん行方不明事件(1989)
松岡さん一家が茨城から帰省先の親戚宅(徳島)に到着。
松岡さんが抱いていた次男を奥さんに渡そうと家に入る。
このとき伸矢くんが家の玄関先にいたのは間違いない。
そして玄関先に戻ってみるとそこにいるはずの伸矢くんの姿がなかった。
目の前の玄関先で伸矢くんの存在を確認して次に姿が消えるまで
この間、わずか「40秒」
他の失踪事件と違い、親と子が離れてから1分すら経過していない。
第一、父がすぐそばにいた。消えたのが家の玄関先。
まさに神隠しと言わんばかりの失踪事件である。
…その後
伸矢くん失踪後に親戚宅(徳島)に謎の電話あり。
電話の主は伸矢くんの姉が通う成蹊幼稚園(茨城)の月組の父兄と名乗る女性で
喋り方が徳島弁だったという。
電話の主の正体は?
茨城にいるならなぜ松岡さんの親戚先(徳島)の電話番号を知っていたのか?
逆に徳島にいるのならなぜ伸矢くんの通う茨城の成蹊幼稚園を知っていたのか?
●失踪する前日、伸矢くんは何かに怯えていた?
●各地で伸矢くんらしき人物の目撃情報が多数あり。
加茂前ゆきちゃん行方不明事件(1991)
自宅でゆきちゃんが飲みかけのココアとピンクのジャンパーを残して失踪。
●小学2年生のゆきちゃんはこの日午後2時頃に友達と別れ、家に帰ってきたと思われる。
午後2時半ごろ、仕事先からの母親の電話に出ている。
午後3時半ごろに姉が帰宅。この時にゆきちゃんの姿は無かった。
テーブル上にはまだ暖かいココアが残されていたという。
ゆきちゃんはココアが好きで、よく自分で作って飲んでいた。
●失踪した日、ずっと家にいたのは父親のみ。仕事が夜勤ゆえに
ゆきちゃんの帰ってくる時間帯(午後2時)はぐっすり寝ている時間だった。
●父親が起きてきた時、ゆきちゃんがいないことは気にしなかった。
遊びに出来かけることが多かったからである。
しかしその日に限っては不審な点が多くあった。
飲みかけのココア,遊びに行くときに着るジャンパーや自転車がそのままだったこと。
またこの日、ゆきちゃんは友達との遊びをなぜか断っている。
これは何を意味するのか?
…その後
ゆきちゃん失踪から3年後、この失踪事件をより一層
ミステリアスへといざなう不可解な怪文書が届く。
ゆきちゃん失踪事件を語るときに、この怪文書は欠かせない存在となった。
その、電波を感じさせる非常に不可解な文章は
読んでいる者の背筋をゾクッとさせる不気味さがある。
この怪文書の内容をめぐってネット上でも多くの憶測が飛んだ。
ただの悪戯かもしれないし、失踪と何かの関係があるのかもしれない。
ゆきちゃん失踪事件を一気に有名にさせたこの怪文書は今でも語り継がれている。
●上記の怪文書からしばらくしてもう一通の手紙が一家に届く
ゆきちゃんはすでに亡くなっていると言い、ゆきちゃんの霊の協力の元、
捜査をするという。さらに3日後、この人物は「ゆきちゃんの霊を邪魔する
別の霊が現れ、捜査に協力することができなくなった」と書いてきた。
以来、不審な手紙はない。
石井舞ちゃん行方不明事件(1991)
●自宅2階の部屋で友達2人と一緒にベッドで寝ていた舞ちゃんが姿を消した
これまたミステリアスな失踪事件。
舞ちゃんを最後に確認したのは母で舞ちゃんに布団をかけたとき(24日PM10:30)。
舞ちゃんがいなくなった事に最初に気がついたのは一緒に寝ていた友達2人で
彼女達が起きたとき(25日AM5:30)
●舞ちゃんは怖がりでトイレに1人で行くこともできない。
1人でどこかに出かけたということはまず考えられない
●一緒に寝ていた友達の1人が深夜、
寝室で男が舞ちゃんに声をかける姿を見たと証言。
寝ぼけていた可能性もあるため、100%の断言は出来ない。
●家には1階と2階それぞれに玄関があり失踪前夜はそれぞれ施錠されていた。
●妻が2階で寝ている舞ちゃんに布団をかけた後、洗面所を使用。
その時1階の玄関扉の閉まる音がしたので窓から確認すると
住み込みの従業員Kが出て行くのを確認したが、特に気に留めなかった。
その後、1階の浴室で入浴。この時、再び1階の玄関扉の音が閉まる音がする。
そして何者かが2階の階段を上る「パタパタ」という音を聞く。
…その後
他の失踪事件と違い、舞ちゃん失踪当初から犯人の疑いが強い怪しい人物がいる
(住み込みの従業員K)
●両親は誰が犯人がわかっているらしい。
(上に同じく住み込みの従業員Kと思われる)
香川・大西有紀ちゃん行方不明事件
2005年4月29日
この日、香川県坂出市の五色台ビジターセンター奥の竹林で、
たけのこ掘りのイベント(五色台連絡協議会主催)が行なわれていた。
集合時間直前の午後2時前、高松市から母親と小3の姉と一緒に参加していた
幼稚園児・大西有紀ちゃん(当時5歳)が、行方不明になっているのに母親が気づいた。
有紀ちゃんは4本目のたけのこを見つけ出した後、「もう1本掘ってくる」と
言い残して奥に進んでいったという。
すぐに母親は他の参加者に声をかけて辺りを探してみたが、
彼女の姿はどこにもなく、午後3時頃にビジターセンターから通報した。
…その後
その後、事件・事故両面から捜索が行なわれ、夏には近くの池の水も抜いたが
有紀ちゃんはいまだ見つかっていない。
察犬の追尾も、竹林のある地点で途切れている。
連れ去り事件の可能性もあるが、そこは車を停められるような場所でもなく、
(いわゆる竹ヤブの中のほんの少しの空間)犯人がどのようにして
有紀ちゃんを連れ去ったのか謎である。
警察犬4頭とも同じ地点で有紀ちゃんの痕跡が消えていることを示していた。
のちの検証番組でも同じ結果だった。
その中で、仮に何者かが有紀ちゃんを抱えて連れ去った場合でも
(犯人の)靴と土の摩擦臭で警察犬は追尾できることを実験してみせた。
専門家は「その地点からヘリコプターを使って空中にでも引っ張り上げでも
しないかぎりありえない」と話している。
赤城神社主婦失踪事件
1998年5月3日、千葉県白井市の主婦志塚法子さん(当時48歳)は、
家族(夫・娘・孫・叔父・叔母・義母)と群馬県宮城村三夜沢(現前橋市三夜沢町)
の赤城神社へツツジ見物に訪れていた。
あいにくの雨のため、神社へ行く夫と叔父以外は駐車場に停めた車の中で待つことに。
しかししばらくして法子さんは「折角だから、賽銭をあげてくる」と、
財布からお賽銭用に101円だけを取り出し、神社への参道を登っていった。
その時の格好は赤い傘を差し、ピンクのシャツに黒のスカートという目立つもの。
娘は駐車場から法子さんが境内とは別方向への場所でただずむ姿を目にしている。
これが家族が見た法子さんの最後の姿となってしまった…
戻らない法子さんを心配した家族はあたりを捜すも見つからず、警察へ通報。
10日間で延べ100人あまりで付近一帯を捜索するも見つからなかった…
参道は山道ながらもよく整備され、崖などの危険な場所や道に迷う箇所もない。
また、ゴールデンウィーク中で神社には沢山の人が訪れていたが、
不審な人物や物音を聞いた人はいなかった。
群馬県警にも20件ほどの情報提供があったが、発見に結びつく有力なものはないという。
…その後
失踪から7か月後、失踪当日の同じ頃の赤城神社で偶然撮影されたホームビデオが
撮影者によってテレビ局に提供された。そこには法子さんとおぼしき人物が、
何者かに傘を差しだすような姿が小さく写りこんでいた。
しかしその人物からの申し出が出ることはなかった。。
また失踪後、数回無言電話が自宅にかかってきている。
その局番は「大阪」と「米子」であった。
家族は必死に法子さんの行方を捜し、テレビ番組「奇跡の扉 TVのチカラ」等にも
出演したものの、解決にはいたらなかった。
失踪から10年後の2008年には、群馬県警が顔写真等を掲載したビラを500枚配布。
情報提供を呼びかけた。
尚、2008年6月、法子さんの失踪宣告がなされている。