不機嫌な果実(小説・ドラマ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『不機嫌な果実』とは、『週刊文春』で1995年から1996年まで連載された林真理子による長編小説、およびそれを原作としたテレビドラマ、実写映画である。夫との生活に不満を募らせる水越麻也子は、昔の恋人との不倫を経て年下の音楽評論家と再婚するも幻滅。再び刺激を求めて彷徨う。
不倫を題材にした本作は、不倫小説の最高傑作とも称されている。メディアミックスとして、1997年にTBS系でのテレビドラマ化と松竹配給の映画化がなされたほか、2016年にテレビ朝日系で再ドラマ化された。

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『不機嫌な果実』の概要

『不機嫌な果実』とは、林真理子による長編小説である。『週刊文春』にて1995年11月23日号から1996年6月27日号まで連載された後、1996年10月30日に文藝春秋より単行本が刊行され、2001年1月10日には文春文庫版が発刊された。

夫との生活に不満を募らせるヒロインの水越麻也子(みずこし まやこ)は、昔の恋人である野村修(のむら おさむ)との不倫の逢瀬を重ねる。しかしふとしたきっかけで年下の音楽評論家・工藤通彦(くどう みちひこ)と出会い、交際することになる。そしてついに夫と離婚して通彦と再婚するも、結今生活に幻滅。麻也子は再び刺激を求めて彷徨うことになる。

本作は、第1章「装い」、第2章「選択」、第3章「跳ぶ」、第4章「華やぎ」、第5章「出会い」、第6章「恋」、第7章「決断」、第8章「運命」の全8章で構成されている。不倫を題材にした本作は連載当時から大きな反響を呼び、不倫小説の最高傑作とも称されている。
メディアミックスも盛んに行われており、1997年にTBS系でのテレビドラマ化および松竹配給での映画化がなされたほか、2016年にはテレビ朝日系で新たにテレビドラマ化され、2017年1月にはスペシャル版も放送された。

テレビドラマ(1997年版)

1997年版テレビドラマは、1997年10月9日から12月18日まで毎週木曜日22時から22時54分に、TBS系の「木曜ドラマ」枠で全11回にわたって放送された。脚本は中園ミホや小野沢美暁、演出は生野慈朗、片山修、近藤誠が手掛けている。
主演の石田ゆり子が演じる主人公の水越麻也子は、夫と姑に不満を抱き日々の生活に息苦しさと絶望を覚えていたが、ひょんなことから大学時代の恋人に再会し、誘惑に誘われるまま不倫の道を歩むこととなる。そして麻也子が激しい恋に落ちる、才能と若さと情熱に溢れた若手音楽評論家の工藤通彦を岡本健一が演じ、その甘くミステリアスな雰囲気が適役だと評判になった。
ほか出演者には渡辺いっけいらが名を連ねている。各話の視聴率は13パーセントから17パーセント台を記録し、第5話では最高となる17.5%をマークしている。

映画(1997年)

映画『不機嫌な果実』は、1997年10月18日に公開された。松竹が配給を担当し、配給収入は1.3億円を記録した。監督は成瀬活雄、脚本は筒井ともみ。
封切り前には、映倫の審査で全裸や全身の男女の性描写が扱われていると判断され、松竹公開の邦画作品としては初めて成人映画の指定を受けた。主演の南果歩が夫への冷めきった表情や、無邪気に不倫の恋を楽しむ様子などを大胆で体当たり的な演技力で表現し大きく話題となった作品であり、ドラマ版よりもリアリティに溢れ、小説の世界観を忠実に再現していると言われている。

テレビドラマ(2016年版)

2016年版テレビドラマは、2016年4月29日から6月10日まで毎週金曜日23時15分から翌0時15分に、テレビ朝日系の「金曜ナイトドラマ」枠で全7回にわたって放送された。脚本は江頭美智留や小山正太、清水友佳子、演出は樹下直美、星野和成、小松隆志が手掛けた。
主演は栗山千明と市原隼人が務めた。さらに、連続ドラマの3年後を描いた続編『不機嫌な果実スペシャル〜3年目の浮気〜』が、2017年1月6日と1月13日の両日同枠で全2回にわたってスペシャルドラマとして放送されている。
内容や設定は現代風にアレンジされ、セックスレスなどのリアルな不倫事情が描かれている。主人公の水越麻也子を演じるのは栗山千明。マザコン度で潔癖症な夫には稲垣吾郎が抜擢され、麻也子が不倫を始めるきっかけとなる大学時代の恋人・野村健吾を成宮寛貴が演じた。また、麻也子と激しい恋に落ちるセクシーで魅力的な年下の若手音楽評論家・工藤通彦を市原隼人が演じているほか、高梨臨や橋本マナミらが出演している。

『不機嫌な果実』のあらすじ・ストーリー

日常への不満と過去の恋人への傾倒

結婚して数年が経ち、夫との生活に息苦しさと満たされない思いを抱えていた主人公の水越麻也子(みずこし まやこ)は、変化のない日常から逃れるように、かつて愛した野村修(のむら おさむ)と再会し不倫の逢瀬を重ねるようになる。
野村には別に若い愛人がいることが発覚して葛藤を抱えつつも関係を続け、やがて野村と体の関係を持って深い仲に落ちていく。しかし夫の水越航一(みずこし こういち)は麻也子の言動から異変に気づき、疑いの目を向けはじめる。

若き音楽評論家との出会い

夫との関係が行き詰まる中、麻也子は仕事や知人のつてを通じて、若手音楽評論家でありピアニストとしても知られる工藤通彦(くどう みちひこ)と知り合う。最初は衝突や戸惑いもありながらも、知的で情熱的な工藤の魅力に深く惹かれていった麻也子は、やがて彼と激しい恋に落ちるようになる。野村との関係に苦悩しつつも、工藤との間に強い絆を見出した麻也子は、夫である航一との離婚を決意し、すべてのしがらみを振り切って家を出るのだった。

離婚と新たな生活

夫と正式に離婚を果たした麻也子は、工藤と新たな結婚生活をスタートさせる。しかし、夢見た生活は長くは続かず、やがて夫婦の間には倦怠期が訪れ、姑からのプレッシャーなども重なって再び日々に息苦しさを覚えるようになる。工藤との生活に幻滅した麻也子は、再びかつての恋人である野村に連絡を取るなどして満たされない心を埋めようとするが、すれ違いや冷淡な拒絶にあう。

果てしない欲望と満たされない結末

自由奔放に生きる知人の生き様に羨望のまなざしを向けつつも、自分の居場所を見失っていく麻也子。結婚生活の甘い部分を食べ尽くしたあとの空虚感を抱えながらも、彼女の満たされない欲望や刺激を求める心は終わることがない。物語は、新たな出会いや予感を残しながら、愛と不満の間を彷徨う主人公の姿を描いて幕を閉じる。

『不機嫌な果実』の登場人物・キャラクター

主要人物

水越麻也子(みずこし まやこ/演:石田ゆり子(1997年版ドラマ)、南果歩(映画)、栗山千明(2016年版ドラマ))

1997年のドラマで主役となる水越麻也子を演じた石田ゆりこ

1997年の映画で主演を務めた南果歩

2016年のドラマ版で水越麻也子を演じた栗山千明

主人公。夫との間に横たわる冷え切った関係やセックスレス、姑からのプレッシャーに強い息苦しさと絶望を覚えており、変化のない日常から逃避するように、かつての恋人や若手音楽評論家との間で危険な不倫の愛に溺れていく。自分の欲求に忠実でありながらも、満たされない孤独感や愛の形を求めて彷徨う女性として描かれる。

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