ウォーキングデッドの制作陣が送るSF映画「AIR」の魅力をご紹介!
あの有名海外ドラマ「ウォーキングデッド」を制作したスタッフたちが送り込むSFスリラー映画。登場人物はほぼ2人の男のみという、ある種の2人芝居です。ありがちな設定にどのような結末が待っているのか。なお、アニメのAIRとは無関係なので悪しからず。映画「AIR]をご紹介致します。
あらすじ・ストーリー
放射性物質により、地上での呼吸が不可能になった近未来。
消滅寸前の社会を再建するため、地下の人工冬眠施設でコールドスリープ状態にされた優秀な遺伝子をもつ職員たちが眠っている。
その維持管理を任された2人の技術者、バウアーとカートライトは、限られた酸素の中で、半年毎に目覚めながら、生存可能な最後の場所と冬眠中の職員たちを死守していた。
が、何度目かに目覚めたとき、ハプニングで自分たちの睡眠装置の1つが壊れてしまう。2時間の酸素リミットに迫られつつ、生き延びるための突破口を模索するが…。
出典: www.amazon.co.jp
ありきたりな設定の中でどう差別化していくかが重要だったが……
退廃した世界に残された人間がどうにかして生き延びようとする話。これだけでも思い当たる映画がいくつか思い浮かぶのではないでしょうか。使い古された設定をあえて用いるということは、差別化に自信があると受け取ったのですが残念ながらそうではなかったようです。確かに設定には一味も二味も工夫が凝らされています。こういった世界で生き延びなければならない理由というのも、明確に設定されているのは評価すべき点でしょう。
しかし、その工夫を凝らした部分が映画の中で活きているかといえば、必ずしもそうとは言えません。結局、物語は主要人物2人の葛藤というかサバイバルに焦点が当たってしまい、過去の作品と何ら変わりない展開となっています。
どうでもいい伏線と蛇足感漂うエンド
1つだけクライマックスで伏線が回収されるのですが、私はそもそもそれを伏線として認識していませんでした。え、今更それに気付くんだ、とそういえば確かに明言はされてなかったけど普通に考えたらそうだよなあと感じてしまいました。しかもその伏線がまた微妙。機能しているといえば機能しているし、でもそこをあえて伏線にした意味が分かりません。物語に山を作れる類のものではありませんし。
ラストはとにかく蛇足感が凄いです。その前にあ、ここで終わりだなというシーンがあったのにその後数分間物語は続き、ハッピーエンドに落ち着いてしまいました。そんなエンド誰も求めていません。ラストまでも決して評価は高くなかったのですが、ラストで一気に興ざめです。わざわざハッピーエンドにする必要はなかったんじゃないでしょうかね。エピローグに当たる部分は全く持って不要でした。
まとめ
「ウォーキングデッド」を観ていないので特に期待もしていなかったのですが、その低いハードルを越えられないくらいの映画でした。全編を通して暗い室内で物語が展開するのですが予算がなかったのでしょうか。ダイナミックな演出を取り入れれば良いというわけでもありませんが、それにしてもあまりに捻りのなさすぎる映画です。90分が3時間くらいに感じられる程退屈な映画でした。