戦隊でもライダーでもない!?日曜の朝を彩った「ふしぎコメディ」シリーズ抜粋
イケメン主演の戦隊モノやライダー、日曜朝の定番ですね。でもかつて、女性キャラが主演を務める「ふしぎコメディ」シリーズなんてのがあったんです。
『美少女仮面ポワトリン』(1990年)
あらすじ:至極平凡な女子高生(村上ユウコという名前)が、神社で出会った神様によりご町内(と宇宙)の平和を守る羽目になる、というもの。ばれたらカエルにされてしまう。途中から妹もモモコが「ポワトリン・プティット」として「助手」を務めるが、こちらはザリガニに変身させられるため、お互い最終回まで正体を知らずにいた。
特色:名前がフランス語だけあって、立居振舞、戦い方が何か優雅。そして口調も変化する。
敵:基本的に、ちょっと変わった悪人。小学生の宿題を強引に引き受けるオッサンなど。(「宿題やらせろ!」と窓から侵入。子供たちは宿題をやってほしいがため、好物の麦茶などを用意して待ってました)
名前からしてタダゴトじゃありません。「ぽわとりん」という響きが…。調べたらちゃんと意味あったんですね。フランス語で「胸」を意味する言葉だそうです。で、このポワトリン。口調が何故だか上流階級のお嬢様風。決め台詞も活字で見ると何だかこっ恥ずかしい。なのに見るとそれなりにかっこよく見えるんですよね。
「愛ある限り戦いましょう、命燃え尽きるまで!」
「たとえ〇〇が許しても、このポワトリンが許しません!」
(〇〇には、各事件に関わりのある偉人等が入る)
出典: ja.wikipedia.org
『不思議少女ナイルなトトメス』(1991年)
あらすじ:主人公中島サナエの家の墓は、変わっていた。何故かピラミッド型で、スフィンクスまでいる。墓の掃除中に一部を破壊してしまい、中から異様なものがあふれ出し、町へ…それは、かつての先祖が封印した「ナイルの悪魔」。「あんたの責任」として、先祖はサナエにトトメスに変身する能力を与えるのだった…。
特色:ナイルの悪魔を封印後の、残り数のカウント。
敵:ナイルの悪魔。憑依型で人間にとりつくが、幽霊に食べられたものもいる。
ナイルの悪魔は全部で51体おり、「パピルス」(武器)で縛られると憑依した人間から離れて地面にポトリ。素早く小型ピラミッドに封印、という流れでした。一回唐辛子を食べて強くなったのがいたような…。こちらは正体がばれても特に制裁はなかったように思います。最終回はある意味泣けました。
『うたう!大龍宮城』(1992年)
あらすじ:母親から勉強を押し付けられている日常にうんざりしていたタロー少年。亀山なるタクシー運転手を助けたことから、海の中の龍宮城に連れて行ってもらうが、そこは崩壊していた。人間による海水汚染が原因だった。乙姫に助けを求められたタローは、両親の海外赴任もあるし、勉強しなくていいし…と、乙姫を保護者に(下心もあって)浦島家に居候させる。彼女の両親も一緒に。
出典: ja.wikipedia.org
特色:タイトル通り毎回歌うミュージカル調の話。サブタイトルがゲストの魚介類の名前で、その魚介類に関する説明もある。
敵:タローの祖母?
魚たちが皆人間に化けて生活していたり、何か世知辛いというか切ない話でした。勉強が嫌いなタローと龍宮城の掟で勉強を許されなかった乙姫の対比。「素直に遊べなくなるから」というのが勉強を禁じられている理由ですが、親に隠れて勉強してる子供やら、不良っぽい格好でこっそり勉強していた魚などユニークなシーンもあったんですよ。親が漫画読んでる(ふりをしている)子供にお菓子持って行って「面白い?」なんて微笑ましげに声かけたり。不良魚が「勉強教えてやるよ」と乙姫に言ったり。(人間で言えば「タバコ教えてやるよ」的なことでしょうか)ちなみにその魚は厳しい教師になっていました。
乙姫の両親がタローの祖母に洗脳されて、乙姫の声を奪い取り(タラバガニにそういった能力がある)他の魚たちに「この会社はいい会社だよ~」とラジオで訴えかけようとする展開があり、恐ろしく感じましたね…。祖母、というか人間の欲の深さというか。元々祖母の会社のせいで龍宮城はダメになったわけですし。
『有言実行三姉妹シュシュトリアン』(1993年)
あらすじ:毎年、各干支の守り神がいるのだが、酉年担当のお酉様が「何かやる気なくした」と、役目をひょんなことから出会った山吹三姉妹に押し付ける。ばれたら全員ローストチキンにするとの脅しもあり、「酉年」の平和を守ることになる。
特色:毎回、「古人曰く」とことわざ、格言を教え諭す。三姉妹の名前が「雪月花」からとられているなど、「和」が前面に出ている。
敵:酉年の平和を乱す者全般。最終的には猫姫。
やっぱりというか、ラスボスは干支に入れなかった猫でした…。ことわざについての解説シーンが分かりやすかったことを覚えています。うるう年の2月29日生まれのケーキ職人が誕生会をしている家に押し入って(注文を受けているため、住所は知っている)誕生会を滅茶苦茶にした挙句カレンダーを燃やして去る、なんて回がありましたがこの時の教えは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」。教え諭された職人のため、三姉妹が誕生会を開いてあげるという流れは、見え透いていたものの暖かかったですね。
ことわざの説明はフライドチキン男によりされておりました。